白夜行 (集英社文庫) 価格:¥ 1,050(税込) 発売日:2002-05-17 |
白夜行 東野圭吾
この前読んだ「ゲームの名は誘拐」とは全く異なる、どっちかというと「手紙」に近い路線の小説。ミステリーというよりは、人間ドラマ。しかも、犯罪を犯さざるを得ないダークサイドの人間を描いた作品。
それにしても悪行三昧の、モラルとか品性とかが完全に欠落した男女である。ドラマでは山田孝之と綾瀬はるかが演じたらしいけれど…綾瀬はるかのイメージじゃないなあ…
とにかく長い。854ページもあって、なんで上下に分けなかったのか?重たくて仕方なかった。1/3過ぎたらだいたい犯人はわかってしまって、後は誰がどう追いつめるのか…。動機はなんなのか…。方法は…。20年に渡る物語ですから。
もちろん東野圭吾ですから、読みやすい文体でどんどん読み進められますが、内容的にはあまりの悪行三昧にうんざりしてきてしまう。
その、使命感すら感じさせる徹底的に非情で利己的な犯行の数々は、まるで社会に対する復讐をしているように思えてしまう。
好きかと聞かれたら、あんまり…「ゲームの名は誘拐」のように、読者にヒントをわざと用意してくれて謎解きの醍醐味を味わわせてくれる路線の方が好きです。
「手紙」が好きな人にはいいかも。