日曜日。
「石組塾」という勉強会に参加しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/8d/e91a047b9e7a633df6e8978665739946.jpg)
講師は、
造園家の 高崎康隆先生。
「庭をやりたい!」
と思い立ってから 初めて出逢った造園家が、
高崎先生でした。
以来、何かとお世話になっております・・。
*
さて、
このたび開かれた「石組塾」。
庭の骨格である石組を学ぶという講座です。
鎌倉の石屋さんで、実技演習もあるとか。(また鎌倉!)
今回は、座学。講義でした。
場所は、
高崎設計室の1階(@笹塚)にオープンした レンタルスペース「石組BOX」にて。
造園関係の本がたっぷりあります。
この場所は、色々な集まりなどにもお使い頂けるということですので、
どうぞHPをチェックしてみて下さい。
石組BOXのホームページ>>http://www.ab.auone-net.jp/~ishigumi/
*
えー、
正直 申し上げちゃいまして、
わたくし、
造園という職業に携わりながら、
あのー、
ほとんどまったく、
石ってものに興味がありませんでした。
興味が無い というか、
たぶん興味はあるんだけど、
「意味が解らなかった」ので
遠ざけてた、というか。
あれを理解するには、まだハードル高いんだろうな、と。
「難しい。まだ無理。」と、
敬遠していたわけです。
造園の現場で植えるのを見てても、(石は「植える」と言います。)
なんか凄い気はするけど、
何やってるんだか、よくわからない。
庭に訪れると、一応、それなりに一生懸命石も見るんだけど、
何に感動すればいいんだか、
ピンと来ない。
あれが鶴で、あれが亀です
とか言われても、「ふーん」としか思えなかったし
配置、ボリューム、色、、、
どこがすごいのか、結局わからない。
これの何が面白いんだ?凄いか? と 冷めてたりして。
そんなのよりも、ずっとずっと、
木とか 花とかのほうが、果てしなく魅力的だった。
山とか、風景とか。
石よりも、
石の陰からのびているシダだとか、
石を覆い隠さむとする野放図な樹木だとか、
石に貼り付いたコケだとかに、
眼が行ってしまうのでした。
*
でも、やはり
「石も、ちゃんと勉強すれば面白いんだろうな」
という気はしていたので、
「いつか、ちゃんと勉強したいな、いつか。」とは、思っていました。
それが、ここに来て、
飛び来んできた、勉強会の話。
おあつらえ向きに ピンポイントで。
異常に超多忙な中の 貴重な日曜日でしたが(笑、
意気揚々と、行って来ました。
*
結論。
石組、面白いかもしれない。
すこし、「わからない」だった部分が、解けました。
石には、捉えるべき2つの要素があるということ。
「重量」と、
「エネルギー」。
自分は今まで、前者だけを見ていたんだなと、知りました。
つまり、
石の、重量感(マッシヴネス、というのかしら)だけを。
「でかさ」とか、あるいは、「かたち」とか。
だけど、
石の持つ、エネルギーというものがあって。
ぽんと ある空間に置かれた(寝かせた、あるいは立たせた)石。
その石には、必ず“方向性”がある。
石に内在するエネルギーは、どこかに向かって放出している。
石のエネルギーが、どの方向へ向いているか
っていうのが見えて、
初めて、
石で 空間を作ることができるようになる、そうです。
この石はあっちを向いてて、
その石はこっちへエネルギーが向いているために、
空間に緊張感が生まれて、
とか、
「どうして?」と言われると 何とも言いにくいんだけど
確かにそんな気がする、という、漠然とした美学があるようで。
習得するのは難しそう。
これには経験が要ると、先生も仰る。
でも、面白そうだし、
やってみたいなと、思いました。
習得したいな。
*
長い濃密な講義だったので、簡単に要約できないんですが、
印象に残っていることを、あとひとつ。
高崎先生が 庭を作るときの作法(マナー)として
キーワードにしているのは、
「品格」
という言葉なんだそうです。
作庭は、
オーソドックスな規律に準じることも出来るし、
もっと自由に、色々と挑戦的なことだって出来る。
でも、
「おい待てよ、今やったこれは、ほんとうに、“品格”があるか?」
と、自問自答するのだそうです。
「品格」。
なるほど
それは何の仕事にもあてはまる気がする。
というか、
日々の生き方そのものに、あてはまる気がする。
その言葉は、
高崎先生の師匠:中島健という造園家が大事に掲げていたキーワードなのだそうです。
中島健という造園家は、
「和風」というより「洋風」というより、
「自然風」の造園家でした。
もともとそこにあったかのような、雑木林のような庭。
また、花を積極的に取り入れた庭を作ったのも、中島健だそうです。
ちなみに、
自分が以前師事していた造園家:山田茂雄(社長)の、師でもあり。
なおかつ、
自分の「花の先生」である、服部マリ先生の師でもあり。
そう、つながっています。
だから、
ほぼ白紙状態で庭の世界に飛び込んだ自分の
扉になったのも、根っこになったのも、
「自然風」。
京都で見られる 古式ゆかしきカチッとした「和風」でもなく
流行りのイングリッシュ系の「洋風」でもない、
ただ「自然風」の庭が、
自分も とても しっくり来るし、
そういうものを作りたいなと、思っています。
*
といいつつ
勉強もまだまだ足りないし、
実地的な修業もこなさないと どうにもしょうがない、
やること山積みなわけで。
とにかく こつこつ
貪欲に積極的に頑張るしかない、毎日。
邁進。
人生って、結局ずーーーっと、そうなのかしら。
来る日も来る日も、
頑張るしかない。
*
ということで、
10月。
自分が設計(その他もろもろ、強いて言えば全部)に携わって来た案件たちが、
いよいよ
続々と、いっぺんに施工段階に入っています。
さらに飛び込んで来る新しい案件も併せて、
THE・ハイパー・マルチタスク。
てんてこ舞いの 忙しさと、
キリキリ舞いの 緊張感。
途方に暮れているヒマすら
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/ee/7f681b1856a35bc2943fde5fc8cef523.jpg)
無い。
「雨が降れば、延期出来るよな、、、」
と 怠け心の現実逃避願望がうずけば、
不思議なことに、
ぱったり雨が止んでしまうのです。
ここぞとばかりに、ちゃんと雨が止んでしまうのです。
今日も、止んじゃった。
「ほら、働けよ。怠けるなよ。」と、言われてるみたいです。
ちなみに今日は、
不要になったクジャクヒバを5本、抜根したんです。
明日から、本格的なリフォーム工事が始まります。
現場を担う職人さんと、打合せして、設計の詰めの甘いところとかを
現場で照らし合わせて、調整したり。
そんな中、
やっぱり、
庭の現場に立ち、
木に触れていると、勝手に元気になっています。
無心になって、夢中になって。
「くたびれる」よりも
「嬉しい」という気持ちがあふれてきて。
切り口からほとばしる、クジャクヒバの木の香り。
そして、
根を掘っている間、ずーっと、
金木犀の香りが漂っていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/4d/a0d07a69737bd61d9355b9389db1dc31.jpg)
*
「石組塾」という勉強会に参加しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/8d/e91a047b9e7a633df6e8978665739946.jpg)
講師は、
造園家の 高崎康隆先生。
「庭をやりたい!」
と思い立ってから 初めて出逢った造園家が、
高崎先生でした。
以来、何かとお世話になっております・・。
*
さて、
このたび開かれた「石組塾」。
庭の骨格である石組を学ぶという講座です。
鎌倉の石屋さんで、実技演習もあるとか。(また鎌倉!)
今回は、座学。講義でした。
場所は、
高崎設計室の1階(@笹塚)にオープンした レンタルスペース「石組BOX」にて。
造園関係の本がたっぷりあります。
この場所は、色々な集まりなどにもお使い頂けるということですので、
どうぞHPをチェックしてみて下さい。
石組BOXのホームページ>>http://www.ab.auone-net.jp/~ishigumi/
*
えー、
正直 申し上げちゃいまして、
わたくし、
造園という職業に携わりながら、
あのー、
ほとんどまったく、
石ってものに興味がありませんでした。
興味が無い というか、
たぶん興味はあるんだけど、
「意味が解らなかった」ので
遠ざけてた、というか。
あれを理解するには、まだハードル高いんだろうな、と。
「難しい。まだ無理。」と、
敬遠していたわけです。
造園の現場で植えるのを見てても、(石は「植える」と言います。)
なんか凄い気はするけど、
何やってるんだか、よくわからない。
庭に訪れると、一応、それなりに一生懸命石も見るんだけど、
何に感動すればいいんだか、
ピンと来ない。
あれが鶴で、あれが亀です
とか言われても、「ふーん」としか思えなかったし
配置、ボリューム、色、、、
どこがすごいのか、結局わからない。
これの何が面白いんだ?凄いか? と 冷めてたりして。
そんなのよりも、ずっとずっと、
木とか 花とかのほうが、果てしなく魅力的だった。
山とか、風景とか。
石よりも、
石の陰からのびているシダだとか、
石を覆い隠さむとする野放図な樹木だとか、
石に貼り付いたコケだとかに、
眼が行ってしまうのでした。
*
でも、やはり
「石も、ちゃんと勉強すれば面白いんだろうな」
という気はしていたので、
「いつか、ちゃんと勉強したいな、いつか。」とは、思っていました。
それが、ここに来て、
飛び来んできた、勉強会の話。
おあつらえ向きに ピンポイントで。
異常に超多忙な中の 貴重な日曜日でしたが(笑、
意気揚々と、行って来ました。
*
結論。
石組、面白いかもしれない。
すこし、「わからない」だった部分が、解けました。
石には、捉えるべき2つの要素があるということ。
「重量」と、
「エネルギー」。
自分は今まで、前者だけを見ていたんだなと、知りました。
つまり、
石の、重量感(マッシヴネス、というのかしら)だけを。
「でかさ」とか、あるいは、「かたち」とか。
だけど、
石の持つ、エネルギーというものがあって。
ぽんと ある空間に置かれた(寝かせた、あるいは立たせた)石。
その石には、必ず“方向性”がある。
石に内在するエネルギーは、どこかに向かって放出している。
石のエネルギーが、どの方向へ向いているか
っていうのが見えて、
初めて、
石で 空間を作ることができるようになる、そうです。
この石はあっちを向いてて、
その石はこっちへエネルギーが向いているために、
空間に緊張感が生まれて、
とか、
「どうして?」と言われると 何とも言いにくいんだけど
確かにそんな気がする、という、漠然とした美学があるようで。
習得するのは難しそう。
これには経験が要ると、先生も仰る。
でも、面白そうだし、
やってみたいなと、思いました。
習得したいな。
*
長い濃密な講義だったので、簡単に要約できないんですが、
印象に残っていることを、あとひとつ。
高崎先生が 庭を作るときの作法(マナー)として
キーワードにしているのは、
「品格」
という言葉なんだそうです。
作庭は、
オーソドックスな規律に準じることも出来るし、
もっと自由に、色々と挑戦的なことだって出来る。
でも、
「おい待てよ、今やったこれは、ほんとうに、“品格”があるか?」
と、自問自答するのだそうです。
「品格」。
なるほど
それは何の仕事にもあてはまる気がする。
というか、
日々の生き方そのものに、あてはまる気がする。
その言葉は、
高崎先生の師匠:中島健という造園家が大事に掲げていたキーワードなのだそうです。
中島健という造園家は、
「和風」というより「洋風」というより、
「自然風」の造園家でした。
もともとそこにあったかのような、雑木林のような庭。
また、花を積極的に取り入れた庭を作ったのも、中島健だそうです。
ちなみに、
自分が以前師事していた造園家:山田茂雄(社長)の、師でもあり。
なおかつ、
自分の「花の先生」である、服部マリ先生の師でもあり。
そう、つながっています。
だから、
ほぼ白紙状態で庭の世界に飛び込んだ自分の
扉になったのも、根っこになったのも、
「自然風」。
京都で見られる 古式ゆかしきカチッとした「和風」でもなく
流行りのイングリッシュ系の「洋風」でもない、
ただ「自然風」の庭が、
自分も とても しっくり来るし、
そういうものを作りたいなと、思っています。
*
といいつつ
勉強もまだまだ足りないし、
実地的な修業もこなさないと どうにもしょうがない、
やること山積みなわけで。
とにかく こつこつ
貪欲に積極的に頑張るしかない、毎日。
邁進。
人生って、結局ずーーーっと、そうなのかしら。
来る日も来る日も、
頑張るしかない。
*
ということで、
10月。
自分が設計(その他もろもろ、強いて言えば全部)に携わって来た案件たちが、
いよいよ
続々と、いっぺんに施工段階に入っています。
さらに飛び込んで来る新しい案件も併せて、
THE・ハイパー・マルチタスク。
てんてこ舞いの 忙しさと、
キリキリ舞いの 緊張感。
途方に暮れているヒマすら
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/ee/7f681b1856a35bc2943fde5fc8cef523.jpg)
無い。
「雨が降れば、延期出来るよな、、、」
と 怠け心の現実逃避願望がうずけば、
不思議なことに、
ぱったり雨が止んでしまうのです。
ここぞとばかりに、ちゃんと雨が止んでしまうのです。
今日も、止んじゃった。
「ほら、働けよ。怠けるなよ。」と、言われてるみたいです。
ちなみに今日は、
不要になったクジャクヒバを5本、抜根したんです。
明日から、本格的なリフォーム工事が始まります。
現場を担う職人さんと、打合せして、設計の詰めの甘いところとかを
現場で照らし合わせて、調整したり。
そんな中、
やっぱり、
庭の現場に立ち、
木に触れていると、勝手に元気になっています。
無心になって、夢中になって。
「くたびれる」よりも
「嬉しい」という気持ちがあふれてきて。
切り口からほとばしる、クジャクヒバの木の香り。
そして、
根を掘っている間、ずーっと、
金木犀の香りが漂っていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/4d/a0d07a69737bd61d9355b9389db1dc31.jpg)
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