歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

臨死寸前麻婆豆腐

2011年06月03日 | 料理 -kitchen-
会社で、

「得意な料理ってあるんですか?」

って同僚に聞かれた時、

咄嗟に答えが出ませんでした。


気づいたらもう、ずいぶん長いこと、まともに自炊をしてなかったのです。

得意な料理も忘れるくらい。


結構、我ながらショックでした。

確かにこの一年ほど、か。
「とにかく実務を重ねて、修業を積む!」と
気合いを入れて、
忙しく働きすぎて、
おろそかにしてきたことがあったなあ、、と。

食の面は、だいぶ、杜撰になってました。(杜撰=ずさん、って、意味の割にはキリッと、恰好良すぎる字面ですよね。関係ないけど。)


それで、
珍しく、けったいな咳の出る病にも罹ってしまったし。ネギ首に巻くだけで治したけど。(←この事実、自分の中で伝説化してる。)


と、いうことで、

自炊復活宣言!
今年は(ってもう半分近く終了しておりますが)、未だかつて成し遂げた試しが無い、
「貯金」
という大事業に取り組みたいし。


早速、颯爽と、懐かしのサミットへ。

職場が変わって、通勤ルートにまともなスーパーが無くなったせいも、あったかもね。


サミット。かつて(つい一年前)は、本当に、今日の一食を食べられるかどうか、、という貧窮ぶりで、まあよくぞ病みもせず、むしろのほほんと生き伸びて来たものですが、
そんな時代に、この、たくさんの食材がたっぷり溢れかえるスーパーってところは、場違いな天国のように思われたものでした。

十円、いや一円単位で、「あれなら買える、それに少なくとも3日くらい粘れるから、、」などと、
一人、張り詰めた超戦慄モードで、苦悶していたものです。



と、話がとても逸れがちですが、


サミットで久々のお買い物をしながら、

独立したての初心を、しみじみ思い出しつつ。

そして、
ある程度、けっこう平気に、あれやこれやをお買い物できるようになった現在の境遇に、しみじみ、感じ入りながら。


そうして買った食材で作った
久々の「得意料理」は、

麻婆茄子豆腐。


簡単な「麻婆豆腐の素」みたいなやつを活用しつつ、
調味料や、挽き肉、茄子、あと、白いぶなしめじなんかを追加して、
ささやかながら、ひと手間アレンジを施した一品です。



味付け過ぎて、ちょっと濃い出来上がりになってしまいました。

が、

翌日の昼のお弁当用に、ほど好く余らせることも出来たし、18穀入りのごはんは上等の炊き具合に。



自炊して、

一息ついて、一日の終わり間際に、やっとほっとして、
少し、ぼーっとする。

お茶なんぞ、飲みながら。



その時の、満ち足りた感ったら、、、






一人暮らしを始めると、まず、母親の凄さを思い知る。

毎日こんな、一日に三食分もの食事を、作っていたのか、、こんな面倒くさいことを!

と。



次に、
仕事を始めて、特に独立してフリーになったりしちゃった時に、
父親の凄さを、やっと、思い知る。

自身のみならず、
家族を養うべく、それに必要なお金を稼ぐために、仕事をこなす。毎日毎日。って、
こんなに、大変だったのか、、!

と。


親の為してくれたことの凄さって、
気づいたらもう、一体どうしてそれに報いられよう、いや無理無理、全然無理、恩返し、全然ペイ出来ないわ。

って、
途方に暮れてしまう。


ほんと、考え出すとそのまんま臨死体験しそうなほど、

気が遠くなります。



、と、
そんなふうにして、感謝やら困惑やら満足やら、色んな思いの混濁に呑まれながら、


自分で稼いだお金で買い、自分の手で作った麻婆豆腐を、頂いたのでした。








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