歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

石組塾と、日々のこつこつ

2010年10月04日 | 徒然 -tzure-zure-
日曜日。
「石組塾」という勉強会に参加しました。




講師は、
造園家の 高崎康隆先生。

「庭をやりたい!」
と思い立ってから 初めて出逢った造園家が、
高崎先生でした。

以来、何かとお世話になっております・・。




さて、
このたび開かれた「石組塾」。
庭の骨格である石組を学ぶという講座です。
鎌倉の石屋さんで、実技演習もあるとか。(また鎌倉!)

今回は、座学。講義でした。

場所は、
高崎設計室の1階(@笹塚)にオープンした レンタルスペース「石組BOX」にて。

造園関係の本がたっぷりあります。
この場所は、色々な集まりなどにもお使い頂けるということですので、
どうぞHPをチェックしてみて下さい。

石組BOXのホームページ>>http://www.ab.auone-net.jp/~ishigumi/




えー、

正直 申し上げちゃいまして、

わたくし、

造園という職業に携わりながら、

あのー、

ほとんどまったく、
石ってものに興味がありませんでした。

興味が無い というか、

たぶん興味はあるんだけど、
「意味が解らなかった」ので
遠ざけてた、というか。

あれを理解するには、まだハードル高いんだろうな、と。
「難しい。まだ無理。」と、
敬遠していたわけです。


造園の現場で植えるのを見てても、(石は「植える」と言います。)
なんか凄い気はするけど、
何やってるんだか、よくわからない。

庭に訪れると、一応、それなりに一生懸命石も見るんだけど、
何に感動すればいいんだか、
ピンと来ない。


あれが鶴で、あれが亀です
とか言われても、「ふーん」としか思えなかったし

配置、ボリューム、色、、、
どこがすごいのか、結局わからない。

これの何が面白いんだ?凄いか? と 冷めてたりして。


そんなのよりも、ずっとずっと、
木とか 花とかのほうが、果てしなく魅力的だった。

山とか、風景とか。

石よりも、
石の陰からのびているシダだとか、
石を覆い隠さむとする野放図な樹木だとか、
石に貼り付いたコケだとかに、

眼が行ってしまうのでした。





でも、やはり

「石も、ちゃんと勉強すれば面白いんだろうな」
という気はしていたので、
「いつか、ちゃんと勉強したいな、いつか。」とは、思っていました。


それが、ここに来て、
飛び来んできた、勉強会の話。
おあつらえ向きに ピンポイントで。

異常に超多忙な中の 貴重な日曜日でしたが(笑、
意気揚々と、行って来ました。




結論。


石組、面白いかもしれない。


すこし、「わからない」だった部分が、解けました。

石には、捉えるべき2つの要素があるということ。

「重量」と、
「エネルギー」。

自分は今まで、前者だけを見ていたんだなと、知りました。
つまり、
石の、重量感(マッシヴネス、というのかしら)だけを。

「でかさ」とか、あるいは、「かたち」とか。


だけど、
石の持つ、エネルギーというものがあって。

ぽんと ある空間に置かれた(寝かせた、あるいは立たせた)石。
その石には、必ず“方向性”がある。

石に内在するエネルギーは、どこかに向かって放出している。

石のエネルギーが、どの方向へ向いているか

っていうのが見えて、

初めて、

石で 空間を作ることができるようになる、そうです。



この石はあっちを向いてて、
その石はこっちへエネルギーが向いているために、
空間に緊張感が生まれて、

とか、

「どうして?」と言われると 何とも言いにくいんだけど
確かにそんな気がする、という、漠然とした美学があるようで。


習得するのは難しそう。

これには経験が要ると、先生も仰る。

でも、面白そうだし、

やってみたいなと、思いました。

習得したいな。




長い濃密な講義だったので、簡単に要約できないんですが、

印象に残っていることを、あとひとつ。


高崎先生が 庭を作るときの作法(マナー)として
キーワードにしているのは、

「品格」

という言葉なんだそうです。

作庭は、
オーソドックスな規律に準じることも出来るし、
もっと自由に、色々と挑戦的なことだって出来る。

でも、
「おい待てよ、今やったこれは、ほんとうに、“品格”があるか?」
と、自問自答するのだそうです。


「品格」。
なるほど
それは何の仕事にもあてはまる気がする。

というか、
日々の生き方そのものに、あてはまる気がする。


その言葉は、
高崎先生の師匠:中島健という造園家が大事に掲げていたキーワードなのだそうです。

中島健という造園家は、
「和風」というより「洋風」というより、
「自然風」の造園家でした。

もともとそこにあったかのような、雑木林のような庭。

また、花を積極的に取り入れた庭を作ったのも、中島健だそうです。


ちなみに、
自分が以前師事していた造園家:山田茂雄(社長)の、師でもあり。

なおかつ、
自分の「花の先生」である、服部マリ先生の師でもあり。


そう、つながっています。



だから、
ほぼ白紙状態で庭の世界に飛び込んだ自分の
扉になったのも、根っこになったのも、

「自然風」。

京都で見られる 古式ゆかしきカチッとした「和風」でもなく
流行りのイングリッシュ系の「洋風」でもない、

ただ「自然風」の庭が、
自分も とても しっくり来るし、

そういうものを作りたいなと、思っています。





といいつつ

勉強もまだまだ足りないし、
実地的な修業もこなさないと どうにもしょうがない、
やること山積みなわけで。

とにかく こつこつ
貪欲に積極的に頑張るしかない、毎日。

邁進。

人生って、結局ずーーーっと、そうなのかしら。


来る日も来る日も、
頑張るしかない。





ということで、

10月。

自分が設計(その他もろもろ、強いて言えば全部)に携わって来た案件たちが、
いよいよ
続々と、いっぺんに施工段階に入っています。

さらに飛び込んで来る新しい案件も併せて、

THE・ハイパー・マルチタスク。

てんてこ舞いの 忙しさと、
キリキリ舞いの 緊張感。

途方に暮れているヒマすら


無い。




「雨が降れば、延期出来るよな、、、」

と 怠け心の現実逃避願望がうずけば、

不思議なことに、

ぱったり雨が止んでしまうのです。

ここぞとばかりに、ちゃんと雨が止んでしまうのです。


今日も、止んじゃった。


「ほら、働けよ。怠けるなよ。」と、言われてるみたいです。



ちなみに今日は、
不要になったクジャクヒバを5本、抜根したんです。
明日から、本格的なリフォーム工事が始まります。
現場を担う職人さんと、打合せして、設計の詰めの甘いところとかを
現場で照らし合わせて、調整したり。


そんな中、

やっぱり、
庭の現場に立ち、
木に触れていると、勝手に元気になっています。
無心になって、夢中になって。

「くたびれる」よりも
「嬉しい」という気持ちがあふれてきて。


切り口からほとばしる、クジャクヒバの木の香り。


そして、


根を掘っている間、ずーっと、

金木犀の香りが漂っていました。








桂香日和

2010年10月03日 | 徒然 -tzure-zure-
今日も秋晴れ。




ところで、
速報です!



キンモクセイの香りがします!

明らかにキンモクセイの香りが、します!







あれー、まだ早いよなあ、気のせいかも、、と

数日前から うすうす思っていたけど、

今、
窓を開けたら、



 *. *. +* ぷわーーーん * . * ' . *


あー、
まちがいない。
これはキンモクセイだ。これはキンモクセイです。
This is kinmokusei, isn't it? Yes! it is.



毎度のごとく、
姿は見えねど。

ふわっと風が通るたびに、 

ほわ~ん...

、、うっとり。



「ちょっと早いけど」と
この前『桂花茶』を買ったばかりでした。

桂花茶とは、つまり、キンモクセイの花のお茶。
中国の花茶です。




そういえば、

ベランダで 夏のあいだじゅう干涸らびかけたようになっていた
ポリゴナムが、

再び
ピンクの丸い、可愛い花を、つけ始めまして。



金平糖みたいな花。


で、
写真とっとこー と ベランダに出てみたら


 *. *. +* ぷわーーーん * . * ' . *




嗚呼っ!かほりが!

「ポリ子”」じゃありません。

またもや キンモクセイ!

キョロキョロ。


あ、あれだ。
お隣の生け垣だ。
おとなりの庭からの、おこぼれだったようです。


秋の風向きは、ちょうど好い按配に、
あちらから、この部屋へ
流れて来てくれるようです。



我ながら、いいところに住んでるな~。

しばしば想っているけど、改めて、しみじみ。





ああ、また来た!



 *. *. +* ほわーーーん * . * ' . *





今日も秋晴れ。


目にも
鼻にも
口にも、

美味しい香りがおしよせる季節。
収穫の季節。





ぜいたくを味わえる季節が やってきました。

いも くり かぼちゃ きのこ 新米
その他もろもろ


美味しくてぜいたくな ふっくらしたあいつらを想い浮かべるだけで


 *. *. +* ほわーーーん * . * ' . *



おなかすいてきた...



そういえば、

来週の日曜、また一日だけの強行スケジュールで、
秋田に行くことになりました。

これです。

きりたんぽ作って来ます。


10月ったらまた、そうでなくてもパツンパツン。

今日は仕事休みだけど、石組みの勉強会に行って来ます。

毎日毎日タイトなスケジュールでパツンパツン。

「あ~、なんにもしないで、ダラダラのんびりした~い」
とか言いながら、

さらにそのパツンパツンぶりを自ら助長して仕舞って居ります。






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