尾道の朝です。
部屋の窓から尾道水道を眺めると、
山の上のホテルにして正解だったと、しみじみ思う。
しばらく景色を眺めたあと、私はホテルを出ることにしました。
腕時計を見るとまだ午前7:00・・・。
空気の冷たさが、夜を焼き尽くせていないことを物語っています。
少し薄暗い中、山道を下っていきます。
すると遠くの山の端から、太陽の光が差し込んできました。
こんな気持ちの良い光景を、気持ちの良い朝を、私はひとりじめしています。
お金では買うことの出来ない贅沢です。
お金で買えないから贅沢なのです。
空気が少しずつ暖かくなってきます。
その空気の暖まる場所で、一匹の猫が、私のことを見送ってくれました。
おとぎ話ような世界に引き込まれていきます。
本当はこういう光景って身近なところにあるのかも知れません・・・。
でも、目の前の現実に囚われて、心が硬くなっているから、見えなくなっているのでしょう。
太陽の光と、猫ののんびりした様子が、私の心をやわらかくしてくれました。
山を下りた私は、尾道商店街にあるパン屋さんへ向かいました。
「パン屋航路」というお店です。
こちらの店主は、京都の有名パン屋さん「たま木亭」で修行されたそうです。
なのでパン好きの間では、かなり有名なお店だそうです。
ちなみに「パン屋航路」という店名の由来は、志賀直哉氏の「暗夜航路」だそうです。
この尾道で、志賀直哉氏は3年ほど過ごされた時期があります。
私は朝食用のパンを購入して尾道駅へ向かいました。
尾道駅では予定より1本早い電車7:35発岩国行の電車に乗る事が出来ました。
そして7:45に糸崎駅へ到着。
この駅で電車を乗り換えます。
スムーズに乗換えが出来ると思いきや、次の呉方面へ向かう電車は8:19発・・・。
34分間の電車待ちとなりました。(^_^;)
自販機で温かい缶コーヒーを買い、先ほど購入したパンを食べる事にしました。
誰もいない駅のホームで、ボ~っと線路を眺めながら食べるパンの美味しいこと。
また「パン屋航路」さんのパンが美味しいこと・・・(^^♪
これもまた贅沢な時間です。
8:15に広行きの電車が到着。
その電車に乗り込み、糸崎駅を離れました。
私が向かっているのは安芸の小京都といわれる竹原です。
大林宣彦監督「時をかける少女」のロケ地でもありますし、
昔ながらの情緒を味わってみたいと思い訪ねる事にしたのです。
糸崎駅から約40分、竹原駅に到着しました
駅前はごく普通の街並みでしたが、15分ほどあるいたところに古民家が立ち並ぶ、
趣のある通りへ出ました。
岡山県倉敷の美観地区とはまた違った雰囲気を持っています。
真っ白な空間に佇むんでいるような・・・、そんな気がしました・・・。
しばらく歩いていますと↓↓このようなPOPを見かけました。
NHK連続テレビ小説「マッサン」のモデルであり、
「日本のウイスキーの父」と呼ばれる竹鶴政孝氏の事が書かれていました。
↓↓このPOPが貼られている古民家は竹鶴政孝氏の生家だったのです。
ここから少し離れた場所にある歴史民族資料館では、マッサンとリタの像がありました。
私はドラマを見ていなかったので、おふたりの事はよく分かりませんが、
ただ、おふたりの像を見ていると、仲の良いご夫妻だったことを想像できます。
時代を優しく見つめるご夫妻の瞳がとても印象的でした。
この場所から少し歩いたところで↓↓このような告知板を見かけました。
お抱え地蔵・・・抱えると願いが叶えられるんだ・・・。
これは是非抱えてみようと思い、お参りすることにしました。
お抱え地蔵さんは少し小高い場所に祀られていました。
お抱え地蔵さんの他にも別のお地蔵さんが祀られていました。
賽銭箱が備えられていたので、お布施をさせていただきました。
その後お抱え地蔵さんの方を見て合掌。
そして願い事をしながら持ち上げてみました・・・。
これが結構重い・・・。
あとで知ったのですが、持ち上げた時に、想像より軽く感じれば願いが叶うそうです。
私は想像していたより重たく感じたので・・・願い事はダメかな・・・(^^ゞ
まだまだ修行が足りないということでしょうね・・・精進せねば・・・。
お地蔵さんに別れを告げ、古民家の立ち並ぶ町へ戻りました。
誰ひとりいない路、
その静寂の中、太陽の光だけが歩いています。
少し寂しいような、そしてホッとするような静けさ・・・。
以前から、こういう静けさを私は求めていたのかもしれません。
竹原は「マッサン」だけではなく、冒頭でお伝えした通り、
大林宣彦監督「時をかける少女」のロケ地でもあります。
撮影された場所を巡って来ました。
竹原でのシーンは主に、主人公 芳山和子(原田知世)の通学路として撮影されています。
↓↓ 西方寺の階段
この階段の上で私が撮影していると、ご住職が挨拶をして下さいました。
私の事を怪しげに思ったのかも知れませんね(笑)
↓↓西方寺境内
西方寺の隣には、戦国武将の小早川隆景が、
京都の清水寺を模して建てたといわれる普明閣という建物があります。
普明閣からの眺めがとても良かったです。
恐らく規制されているのでしょう、高い建物ががなく、見晴らしが最高でした。
↓↓ 胡堂
作品の中ではこの胡堂の瓦が崩れ落ちます。
↓↓ 日乃出堂
↓↓ 日乃出堂前のタバコ屋さん。
↓↓ 堀川吾郎(尾美としのり)の家(堀川醤油店)
映画のロケ地を巡るのは、とても楽しいですね。
大好きな作品なら尚更楽しめます。
竹原の町並み保存地区、満喫させていただきました。(^^)
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