Ferenc Snetberger "NOMAD"
同じ人のアルバムについて以前書きました。ハンガリーのギタリスト、フェレンツ・シュネートベルガーのアルバム。これも2005年のクレジット。enjaレーベルから。Jazzでもラテンでもジプシーでもありませんが、それらとそれ以外のいろんな音楽要素があちこちに顔を出す、、、でもそれはフェレンツ・シュネートベルガーの音楽としか言いようがありません。
タイトルの”NOMAD”は遊牧民の意味でしたよね、確か。
中央アジアから東欧にかけての遊牧民と言えば、ジプシーもその中に含まれるのでしょうが、、、まぁそんな人やそんな人々が旅する中で出会う風景をイメージしながら聴いていると、はまります。
ギター、ベース、ドラムスのシンプルな構成です。シンプルだけにごまかしが効きませんが、いぶし銀のテクニシャンたちは良質な楽曲を緊張感無く、息のあったインプロビゼーションで聴かせます。3人が3人ともすばらしい。
そして、魂に響くギターの音色。。。言葉にすると陳腐過ぎる。。。でもそうとしか言いようもない独自の世界です。
キャッチーなメロディはまったくありませんが、聴いているとその音に引き込まれていきます。
..................ここで終わってけばいいんだけど.......
実は頭に来ているのでやっぱ言っちゃおう。アマゾンの商品の説明の最初の部分を引用しちゃおう。
「このCDについて
孤高のギタリスト、フェレンツ・シュネートベルガーが辿り着いた新たなるサウンド・ワールド。パット・メセニー&チャーリー・へイデンによる名作「ミズーリの空高く」を彷彿とさせるコンテンポラリー・ギター・アルバムのマスター・ピース誕生。」
感じ方は人ぞれぞれだから、そこについてあまり言うべきではないのかもしれないけれど、言います。いくらなんでも「パット・メセニー&チャーリー・へイデンによる名作「ミズーリの空高く」を彷彿とさせる」というのは嘘です。これは「嘘」と言ってもいいです。これがレコードの帯なら誤植です。本気で書いているならライターは馬鹿か日本語を知らない人です。あまりに違いすぎます。できれば、この商品説明にある「ミズーリの空高く」のイメージは捨てて聴いていただきたい。