フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

実力ある存在が生き残る時代

2011-10-18 22:45:19 | ハロプロ2011

 ~前回からの続き~

 ハロプロの事務所の先輩である森高千里さんがかつて「非実力派宣言」というタイトルのアルバムを出した事がありました。アイドルにとって実力というものは果たしてどこまで必要なのだろうか?そもそも実力というものが必要なのだろうか?

 今一番人気がある女性アイドルはAKB48です。これは間違いがない事実。そのAKBはどこがウケているのかと言えば、決して歌やダンスや演技などの実力度ではありません。男性アイドルも嵐が大人気だと言っても、嵐より上手い男性アイドルはいる。
 ジャニーズという事務所はエンターテイメントとしての見せ方に於ける完成度にはこだわりを強く持っているように見受けられ、そこにあるプロ意識はある種の美学すら感じます。それが伝統となって次代のグループへ受け継がれていく。これはハロプロが大いに参考になりそうなシステム。
 そんなジャニーズと実力比較という点でいけば、ヴイジョンファクトリー所属のグループ、DA PUMPやw-inds.の方が歌やダンスは上手い。しかし、メディア露出などにはジャニーズと大きな差がある。このあたりの関係性はハロプロとAKBにも似ています。

 では、男女ともに人気トップに位置するグループが実力を売りにしている訳ではないという事は、果たしてアイドルの人気に於いての本質なのだろうか?
 確かにアイドルに実力は必ずしも必要はない。しかし、何かしらのセールスポイントを持っていないと長くは活躍出来ない。女性アイドルの歴史を振り返ってみてもそうです。

 長年ジャニーズが仕切ってきた男性アイドルと違い、女性アイドルの人気の傾向は流動的。それを思うと、AKBのような非実力派人気はやがて萎み、次の時代がやってくる。
 既に大手事務所は次の手を打ち始めています。先ほど名前を挙げたヴイジョンファクトリーはフェアリーズという女性アイドルグループを立ち上げました。デビュー曲はセールスで苦戦しましたが、スタートはむしろそのくらいがベター。これからどんな手を打つかの格好のサンプルになったのではないかとも思います。
 フェアリーズもダンス力を前面に押し出したグループ。前回紹介したFLOWERと同様、十代の女の子に大人っぽい歌を歌わせて、大人っぽいダンスをさせています。明らかにアイドルヲタよりも同世代の女の子を意識している。私はこの前たまたまフェアリーズのイベントを通りがかって観る機会がありましたが、観客はまさに女の子ばかりでした。

 今後、女性アイドルの流れは二極化していくと私は予想しています。歌やダンスなどの実力を売りにしているアイドル。実力は二の次でキャラクターなどを見せていくアイドル。前者はハロプロがそうだろうし、広く解釈していけば、FLOWERやフェアリーズもそうです。東京女子流もそこに入りますね。
 後者はAKBやももいろクローバーZという事になるのでしょうけれど、私は現在危惧している事があるのです。それは前者のスタイルが主流になるにつれ、アイドルヲタが気にいるタイプのアイドルというものがマイナー化していくのではないかと。先ほどの二極化の例えがもっと加速して、実力派グループと王道アイドル(マイナー系)みたいな感じ。それをアイドル冬の時代と呼ぶかどうかはともかく、AKBみたいな大きな売れ方のあとは、そのジャンルは一度衰退する可能性は高いというのはあると思います。売れすぎの反動で世の中がアイドルに飽きてしまうという。

 すでにそういう兆候は見え始めている。アイドルはどんどん接触系現場型へと特化していき、その方向のバリエーションとして地方アイドルというものがヲタ的にホットな存在になりつつある。
 確かにアイドルはメジャーでなくてはいけないという事もない。マイナーという形もヲタとしては楽しみ方としてはマイナスではない。
 そんな時代にハロプロは一体どこへ向かうのか?アイドルっぽくない実力派というポジションを既に他事務所が築き上げていく中で、ハロプロ独自の方向性を目指すのか?ヲタに特化していくのか? 答えはそう遠くないうちに見えそうな気がするのです。

コメント (4)
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