フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

走っておいでよカーテン飛び出して

2012-06-19 21:48:48 | アイドル etc

 ハロプロヲタな人間にとってAKBは敵という意識を抱いている人は少なくなく、メンバーや楽曲に対して全面的に否定の態度を見せている人もいます。勿論、それにはそれぞれの理由があるのは理解出来るし、メンバーはともかく楽曲はハロプロとは方向性が違うのも確か。


 そんなハロプロヲタのAKBアレルギーとも言うべきものを感じてきていた私にとって、「乃木坂46は嫌いではないかな」という意見を春先にちらほら見かけた時は、「これはハロヲタを装った宣伝じゃないだろうか」と疑心暗鬼になったりもしたものです。しかし、実際に楽曲を聴いてみるとナルホド、完全拒絶派な人でなければ乃木坂46ならば受け入れられるのもわからなくもない。そう思えたものです。

乃木坂46 『ぐるぐるカーテン』
 

 偏差値やや真ん中、或いは中の下のあたりの共学校といった親しみやすさ重視な雰囲気のAKBに対して、乃木坂46は偏差値中の上な女子校の雰囲気。それも、少しお嬢様学校的な。
 曲もそんな雰囲気に合わせたものとなり、爽やか系スクールポップス(という適当な言葉を今作った)な仕上がり。2ndシングルで、当初予定されていた下品な振り付けをプロデューサーが止めさせるというアイドル的な小芝居めいた出来事があったのは残念ですが、基本的にはあくまで爽やかにという方向性です。
 正直言って、たとえばSKEにはあまり感じずAKBにちらりと感じるのがこの下品さでして、それは振り付けとかの「女の見せ方」が鼻についていたからでありますが、さすがに最近はそういう見せ方は止めつつあるのが救いです。なんといっても国民的ですからね。

 先月、私は縁あって乃木坂46の握手会に参加してまいりました。全員ではなく一部のメンバーだけでしたが、メンバーは爽やかに笑顔を振り撒き、メンバーと同年代の男の子が中心である客層も思っていたよりマナーが良く、アイドル界に於けるAKB文化というものも成熟期に入ってきたのだなと、妙な事に感心しながら握手会を観ていました。
 帰宅後、握手会参加用に購入したシングルを開封しましたが、CDより先にDVDをセットした。実はこれぞ現在のアイドル界のスタンダードな楽しみ方なのかもしれず、私は歌も良いけどビジュアルを楽しむかと、何のためらいもなくDVDを見始めるのでした。

 DVDに収録されている曲のビデオクリップや特典映像は、それのために買うのも大いにアリな出来であり、AKBもそうであるように、曲のビデオクリップが短編映画のように作られている。「アイドルはまず映像ありき」というポリシーを強く感じました。
 そして、曲が見せる「現在進行形な青春」を映像としても体感させる事で、そこには「過ぎた時間へのノスタルジア」などというセンチメンタルな要素は切り落とされているのも感じました。
 「さぼり」は現在進行形なファンも、それは過ぎた時間であるヲタも、形は違えど妄想物語なシーンを脳内で映像化出来た。しかし、乃木坂46の場合はそんな儀式は必要とせずに、作り手が至りつくせりで映像を与えてくれる。ああ、乃木坂46もコンセプトは違えどAKBと同様に今を生きる映像消費型アイドルなんだなと実感した次第です。

 多分、テレビのレギュラー番組で見て乃木坂46のファンになる人はそれなりに居ても、同じ局でやっているハロプロのレギュラー番組が入口になってやってきたファンは少ないだろうなと私は思っています。どちらが良いとか正しいとかではなく、アイドルと映像というものに対する考え方の違いがそこにあるからであります。

乃木坂46 『おいでシャンプー』

コメント (2)
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