TIFに出場したアイドルには勿論、東京の大手事務所のアイドルも何組もいる。これだけグループアイドルというものが有名無名問わず多数になれば、たとえファン数で勝る大手アイドルでも、地方アイドルなどを意識して個性をハッキリ出していかなければTIFをきっかけにファン離れが進んでしまう。
一日目の午後、私はダイバーシティ前に設けられた野外ステージ「GREEN OASIS」でスターダストプロモーション所属のアイドル私立恵比寿中学のステージを観た。スターダスト所属のアイドルといえば、今をときめくももいろクローバーZ。エビ中のメンバーは高い空を見上げながらTIFに臨んでいる筈だ。
彼女達のパフォーマンスはとにかく動きに勢いがある。ハツラツという言葉がとても似合うステージだ。歌やダンスにはまだまだ荒削りさが残るが、むしろエビ中はそこを売りにしている。実力派ではない事が決してマイナスポイントではないというのがアイドルというジャンルの面白さでもあり、実力派ではない事を開き直るという訳ではなく、その至らない部分を一つの芸として魅力にしている。そんな印象を受けた。これは肯定意見であり、何より実力云々よりも、この炎天下のステージでハツラツと動ける事に拍手を贈るべきであると思わせるステージングなのだ。
私立恵比寿中学 仮契約のシンデレラ(ショートバージョン)』
続いて、お隣のZeppダイバーシティに入る。東京女子流のステージが始まった。
会場はSKEを観る人達で大混雑になっていたのだけれど、後方には女子流を応援している人達が集結してステージを楽しんでいる。そのステージまでは距離があるのだけれど、ステージ上で歌い踊るメンバーのカッコ良さは進化していた。
2ヶ月ほどの休業を経て活動を再開した女子流は、その休業期間中にダンスのレッスンに力を入れてきたのだという。その成果は一目瞭然で、ダンスの表現力は一段と良くなっていた。アイドルグループのダンスというと、スピードや切れ味を重視するケースが多いけれど、女子流は一味違う方向性で面白い。この個性はより熟成させてほしいと思いながらステージをじっくり楽しんだ。
東京女子流 / Rock you!
一日目の夕方、湾岸スタジオ屋上最上階にある「SKY STAGE」でプラチナムから今秋CDデビューするpaletという新人を観た。彼女達は緊張で挨拶もぎこちなく、歌もダンスもまだ未熟さは感じられた。しかし、誰もが真剣な表情でステージをこなし、新人であるがゆえのまっすぐで力一杯なパフォーマンスを見せた。これはこれで大正解だ。まだ力が足りないなら無理に背伸びをする必要はない。素直な姿を見せれば良い。「意外な発見。意外なクオリティ」を見つける事がTIFでの楽しみであった自分の脳内に、真っ白でありのままをぶつけてきた彼女達の姿が飛び込んできて、私は青空の下でpaletを観られた事に感謝した。
palet Fly Away
プラチナムの先輩アイドルと言えば、ぱすぽ☆。一日目、日も暮れて夜になった野外ステージ「SMILE GARDEN」のステージにぱすぽ☆が立っている。とにかくスピード感溢れ、とにかくメンバーがよく動き、ヲタもそれに応えて大いに盛り上げる。ちゃんとぱすぽ☆ならではの個性は遠巻きから観ているだけでも伝わってくる。これはちょっとしたメジャー感だ。
地方からやってきたアイドルが、少なくても熱い観客に応えて力のこもったステージを魅せたり、新人が初々しい姿をまっすぐに見せたり、それはそれで素敵だけれど、たくさんいる参加アイドルの中には、ちゃんと一本筋が通ったアイドルも必要だと感じる。そういう風に場を締める事が出来るかどうかが、プロとアマの違いかもしれない。
ぱすぽ☆ - 夏空HANABI (short ver.)