今でも、モーニング娘。6期オーディションの事はよく憶えている。正直言って最初は良い印象はなかった。特にれいな(苦笑)。でも、あれはテレビの演出でオーバーにやっているのだと初めから理解していたし、実際そうだったのだと思う。5期が優等生タイプだっただから、6期は違うところをみせていかなくてはいけなかったのだとは思う。
三人がスタジオに初登場してお披露目となるシーンは、バックにティアーズ・フォー・フィアーズの大ヒット曲「SHOUT」が流れていた。この曲はオーディション宣伝の映像でも何度か流れていたから、6期オーディションのテーマソングみたいになっていて、もはや自分もこの曲は6期オーディションとセットで思い出す一曲になってしまった。
あの頃のモーニング娘。は少しずつ人気が下降し始めていた。元々は突然湧いた人気であったからなのか、関係者一同が自らの力だけでコントロール出来なくなり、結果何年も人気のラインを維持出来ずにCD売上はどんどん落ちていく一途だった。そんな状況で必要とされる新メンバーは誰ならば最適なのか?もはや正解は誰も答えられなくなっていたような気さえする。叫びたくなっていたのは関係者だけでなく、ヲタもそうであった事だろう。
5期メンバーに比べると6期メンバーはヲタに受け入れられるのは早かったような気がする。加入してまもなく、れいながシングルの歌い出しを任されるという抜擢を受けても、思っていたよりは批判的な意見は見かけなかったような気もする。みんな、なんだかんだで新星を欲していたのだ。どこかで下降傾向に歯止めをかけてくれる存在を求めていたし、それは既存メンバーよりも新戦力にあるのではないか?というささやかな夢も見なくてはいけなかった。
れいなだけでなく、6期メンバーはモーニング娘。の戦力として前に出てくるのが早かった。テレビで結構いいポジションをもらい、それにある程度は応える力も持っていた。年齢的にズレがあるので夢物語を語っているに過ぎないけどと前置きして言うならば、モーニング娘。が人気絶頂の時に6期の三人が新メンバーとして加入していたら結構な人気者になったに違いない。
ただ、そうなっていたら今は違うモーニング娘。になっていたのだろうなとも思う。
時の流れは早いから、6期がモーニング娘。に加入して10年だなんてちょっと信じられない事実だけれど、この10年は三人にとって間違いなく充実した年月である事は確かなんだろうなと、今もモーニング娘。な6期二人の表情を見て思うのでした。
Tears For Fears -- Shout (Video, TOTP)