その夜、テレビでBS放送を観ていた。画面に映っているのは九州は佐賀県の駅前不動産スタジアム。私も何度か足を運んだことがあるスタジアムだ。最近だと三年前の夏に元スペイン代表のエースストライカーであるフェルナンド・トーレスの引退間近のプレイを観に行ってゴールも見られた思い出のある場所だ。
そのスタジアムで赤と黒の勇者ことコンサドーレ札幌が大敗を喫した模様が画面に流れた。
実を言うと、途中でDAZNに切り替えて野球をザッピングしてしまった。さすがに見ていて辛かった。でも、負けている時こそ選手は手を抜かず前に向かう気持ちが大事なように、応援する側も辛い時こそ前向きに声援を送らないといけない。
アイドルも、辛い時こそ前を向いてほしい。
BSを観ていたテレビも、DAZNを観ていたパソコンも画面を消し、タブレットでハロプロの情報などを見始めた時だった。
元アンジュルム太田遙香 アップフロント退社
突然のニュースに手が止まった。さすがに二年ほど音沙汰なしだった(途中、アンジュルムを辞めるというニュースはあった)から心の準備はできていた。某グループが新メンバーを募集していた時は「もしかして」という期待もあったし、最近も某グループから某メンバーが卒業することが決まった時も加入を期待した声があった。そのメンバーとは同郷だし、北海道時代に関わりのあるメンバーだった。後を継ぐという形で加入するのは物語性があったかもしれない。
しかし、それらは所詮ヲタの妄想でしかなく、結果は悲観していた方向に決着した。
ちょっと待て。悲観? 悲しい結末なのか? 違う。そう教えてくれたのは一番仲が良かったメンバーだった。
はーちゃんへ 伊勢鈴蘭
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ハロプロ研修生北海道 北海道ローカル160806
振り返ってみれば、北海道に研修生を誕生させるというのは、ハロプロの地方開拓の一歩だった気がする。北海道は大手アイドルの支店もなく、やりやすい土壌があったのは確かだろう。
私は当時、彼女たちの情報を仕入れながら、このメンバーで、ある程度の年齢(全員中学生以上になった時)で、そのままグループデビューしないかと期待していた。太田さんをエースにして、北川さんを奔放に動かしながら、素朴さを売りに、ハロプロの作るローカルアイドルを発信してほしい。そう期待していた。
オリジナル曲だってあって、ミュージックビデオも作られた。
ハロプロ研修生北海道『リアル☆リトル☆ガール』(Hello!Pro Kenshusei hokkaido[Real Little Girl]((MV)
北海道出身ハロプロメンバーは多いが、北海道を前面に押し出して、ローカル活動もできれば、細く長く活動していけるのではないかと思っていた。彼女達だけでもやっていけるポテンシャルは十分あったと思っている。
しかし、現実はそうはならなかった。
一人、また一人とハロプログループに加入していき、辞めていく子も出てきた。北川さんもその一人だ。
そして、気が付けばハロプロ研修生北海道は消滅してしまった。
だけど、アイドルの夢を追い続けて新しいステージで奮闘を続ける彼女達のことは今も応援している。
もちろん、アイドルというステージではない場所でがんばっている彼女達のことも応援している。
伊勢さんは彼女が「大学に合格した」と伝えてくれた。そこまで書いてくれたこと。グループが基本沈黙を貫く中で、溢れる想いのままに綴ってくれた勇気に感服している。
彼女はコンサドーレが好きで、グッズを身に付け札幌ドームに行った写真も以前見た。
サッカーが大敗だけでなく、その先に勝利が待っているように、太田遙香さんは新しいステージで新たな目標に向かって走り出したのだ。掴んでほしい夢を。