今日12/6は久住小春ちゃんがモーニング娘。を卒業です。小春の卒業については、先週もいくつか記事を書きましたが、後日改めて色々書いてみたいと思っています。
今日は、その小春の卒業コンサートではなく、劇団散歩道楽の特別公演「ロマンチックにヨロシク」を観に行って来ました。ハロプロ関係者からは、保田圭さん、矢島舞美ちゃん、仲島早貴ちゃんが出演しています。今回はこの舞台の感想を書いてみたいと思います。
散歩道楽さんとは、「携帯小説家」、「当たるも八卦」で℃-uteがお世話になっています(他には、娘。の愛亀さゆれなが出演した「おじぎシリーズ」にも関わっている)。携帯小説家や当たるも八卦の印象からは、作品の中に深読みさせる裏テーマのようなものを盛り込む印象があります。
今回も、色々考えさせる部分がありましたが、その辺りの考察は次回に回し、今回は二人の出演者の歌の事を書きたいと思います。何故ならば、歌を歌った出演者の一人である保田圭さんは本日が誕生日。保田さんにスポットを当ててみたいと思うのです。
そんな訳で、保田圭さん誕生日おめでとうございます。
今回の舞台は三つのストーリーが展開していきます。
第一部「スナック聖美の最後の夜」
ぼったくりスナック聖美の38歳のママ聖美(保田圭)が店を閉める最後の夜に、働かせてほしいと17歳の真央(矢島舞美)が身分を大学生と偽りやって来る。他のホステスは、世間知らずで純粋な真央をからかうのだが…。
第二部「モーニングアフター」
映画撮影中に事故死したユリの遺品を持って山奥の屋敷を訪れたスタッフは、その屋敷でユリの母であり、気難しい性格の持ち主である御手洗夫人(58歳)と出会う。
第三部「誘拐少女」
誘拐事件を追って犯人に接触した刑事。そこに誘拐された家出少女春野スミレ(17歳/仲島早貴)がいた。
という一見無関係に思える三つのストーリーが、最後は一つに繋がるというお話です。
この手の手法は珍しいものではなく、ハロプロに関するものでも、映画「ナマタマゴ」(飯田圭織、矢口真里、後藤真希、辻希美出演)が、四種類のストーリーを娘。メンバーが卓球を淡々としているシーンの合間に挿入し、最後は全てがこの四人のエピソードとして繋がっていくという話でした。
この「ナマタマゴ」は、メンバーの演技が素晴らしく、特に辻さんと矢口さんの演技はミニモニ。とは180度違うシリアスなもので、観るものに涙を誘いました。未見な方は是非見て欲しい作品です。
話が逸れましたが、この「ロマンチックにヨロシク」も、三つのストーリーに出てくる聖美、御手洗夫人、スミレが同一人物であり、一人の女性の人生を描いた作品である事が観ていくうちにわかってきます。
ただ、その見せ方に、もう少しだけ工夫が欲しいと感じました。自分がやや物足りなく感じたのは、三人の共通点、或いは同一人物である事を意識出来るキーワードがほしかったという事です。
話を観ていけば気づくようになっているとはいえ、年齢の違う三人が同一人物である特徴を演者に出してほしかったのです。意識せずとも、自然に三人が同化して見えてくるような何かを。
ただし、一点だけ三人が同一人物である事を感じさせる一番のキーワードともいうべきシーンが、実は用意されていたのです。
誘拐された少女スミレは、歌手になりたいという夢があるのだと刑事や犯人に語ります。そして、歌を聴かせます。
スミレはアカペラに近い状態で歌います。なっきぃと言うと、歌の人というよりダンスの人というイメージがありますが、この一年くらいでなっきぃの歌は上達しています。このステージでも、若干たどたどしさもあったものの聴かせてくれました。
むしろ、若干のたどたどしさが「夢を信じて、キラキラしている17歳の少女」の未完成な女性としての無垢な感じが強調されて味があるとも言えました。
そして、聖美が店を閉める時に一人にスミレが口ずさんでいた歌と同じ歌を口ずさみます。
それを聴いた瞬間、背筋がゾクゾクしました。
スミレから21歳分の年を重ね、夢は叶わず、お客から法外な料金をぼったくるスナックのママになった彼女。無垢な心などどこかに置いてきた女性が歌う歌は、たどたどしさなどまったくない力強い歌声。しかし、その歌はどこか哀しげ。
私は今回、ネタバレ無しで観に行きました。なので、保田圭さんの歌が聴けるとは予想しておらず、歌を歌い始めた時はビックリしました。そして、その歌の上手さに心の中で拍手を送りました。「圭ちゃん、ステージで歌えて良かったね」と。
その上手さは、なっきぃの歌とはレベルが違いました。さすが、モーニング娘。のメンバーの中でも歌の実力者と評価されてきただけの事はあります。
しかし、後から振り返ると、それはただ上手いだけではなく、なっきぃのたどたどしさの残る歌を圧倒してしまう歌を聴かせる事によって、夢見る少女が夢を見失った女になった姿を演技したのだ。そう思えてきました。
だから、なっきぃの歌も素晴らしい演技であり、夢見る少女スミレを演じきった。保田圭さんの圧倒的な歌も、夢を見失った女聖美を演じきった。二人は女優が本業ではないけれど、本業の歌で演技をして存在感を示したのです。しかも、お互いが自らの日頃のキャラクターを生かした演技だったという訳です。
では、セリフや仕草などの演技面ではどうだったのか? 次回は、ストーリーから感じた事をふまえて、今回あまり書けなかった舞美ちゃんの話も含めて、演技の事を書いてみたいと思います。
今日は、その小春の卒業コンサートではなく、劇団散歩道楽の特別公演「ロマンチックにヨロシク」を観に行って来ました。ハロプロ関係者からは、保田圭さん、矢島舞美ちゃん、仲島早貴ちゃんが出演しています。今回はこの舞台の感想を書いてみたいと思います。
散歩道楽さんとは、「携帯小説家」、「当たるも八卦」で℃-uteがお世話になっています(他には、娘。の愛亀さゆれなが出演した「おじぎシリーズ」にも関わっている)。携帯小説家や当たるも八卦の印象からは、作品の中に深読みさせる裏テーマのようなものを盛り込む印象があります。
今回も、色々考えさせる部分がありましたが、その辺りの考察は次回に回し、今回は二人の出演者の歌の事を書きたいと思います。何故ならば、歌を歌った出演者の一人である保田圭さんは本日が誕生日。保田さんにスポットを当ててみたいと思うのです。
そんな訳で、保田圭さん誕生日おめでとうございます。
今回の舞台は三つのストーリーが展開していきます。
第一部「スナック聖美の最後の夜」
ぼったくりスナック聖美の38歳のママ聖美(保田圭)が店を閉める最後の夜に、働かせてほしいと17歳の真央(矢島舞美)が身分を大学生と偽りやって来る。他のホステスは、世間知らずで純粋な真央をからかうのだが…。
第二部「モーニングアフター」
映画撮影中に事故死したユリの遺品を持って山奥の屋敷を訪れたスタッフは、その屋敷でユリの母であり、気難しい性格の持ち主である御手洗夫人(58歳)と出会う。
第三部「誘拐少女」
誘拐事件を追って犯人に接触した刑事。そこに誘拐された家出少女春野スミレ(17歳/仲島早貴)がいた。
という一見無関係に思える三つのストーリーが、最後は一つに繋がるというお話です。
この手の手法は珍しいものではなく、ハロプロに関するものでも、映画「ナマタマゴ」(飯田圭織、矢口真里、後藤真希、辻希美出演)が、四種類のストーリーを娘。メンバーが卓球を淡々としているシーンの合間に挿入し、最後は全てがこの四人のエピソードとして繋がっていくという話でした。
この「ナマタマゴ」は、メンバーの演技が素晴らしく、特に辻さんと矢口さんの演技はミニモニ。とは180度違うシリアスなもので、観るものに涙を誘いました。未見な方は是非見て欲しい作品です。
話が逸れましたが、この「ロマンチックにヨロシク」も、三つのストーリーに出てくる聖美、御手洗夫人、スミレが同一人物であり、一人の女性の人生を描いた作品である事が観ていくうちにわかってきます。
ただ、その見せ方に、もう少しだけ工夫が欲しいと感じました。自分がやや物足りなく感じたのは、三人の共通点、或いは同一人物である事を意識出来るキーワードがほしかったという事です。
話を観ていけば気づくようになっているとはいえ、年齢の違う三人が同一人物である特徴を演者に出してほしかったのです。意識せずとも、自然に三人が同化して見えてくるような何かを。
ただし、一点だけ三人が同一人物である事を感じさせる一番のキーワードともいうべきシーンが、実は用意されていたのです。
誘拐された少女スミレは、歌手になりたいという夢があるのだと刑事や犯人に語ります。そして、歌を聴かせます。
スミレはアカペラに近い状態で歌います。なっきぃと言うと、歌の人というよりダンスの人というイメージがありますが、この一年くらいでなっきぃの歌は上達しています。このステージでも、若干たどたどしさもあったものの聴かせてくれました。
むしろ、若干のたどたどしさが「夢を信じて、キラキラしている17歳の少女」の未完成な女性としての無垢な感じが強調されて味があるとも言えました。
そして、聖美が店を閉める時に一人にスミレが口ずさんでいた歌と同じ歌を口ずさみます。
それを聴いた瞬間、背筋がゾクゾクしました。
スミレから21歳分の年を重ね、夢は叶わず、お客から法外な料金をぼったくるスナックのママになった彼女。無垢な心などどこかに置いてきた女性が歌う歌は、たどたどしさなどまったくない力強い歌声。しかし、その歌はどこか哀しげ。
私は今回、ネタバレ無しで観に行きました。なので、保田圭さんの歌が聴けるとは予想しておらず、歌を歌い始めた時はビックリしました。そして、その歌の上手さに心の中で拍手を送りました。「圭ちゃん、ステージで歌えて良かったね」と。
その上手さは、なっきぃの歌とはレベルが違いました。さすが、モーニング娘。のメンバーの中でも歌の実力者と評価されてきただけの事はあります。
しかし、後から振り返ると、それはただ上手いだけではなく、なっきぃのたどたどしさの残る歌を圧倒してしまう歌を聴かせる事によって、夢見る少女が夢を見失った女になった姿を演技したのだ。そう思えてきました。
だから、なっきぃの歌も素晴らしい演技であり、夢見る少女スミレを演じきった。保田圭さんの圧倒的な歌も、夢を見失った女聖美を演じきった。二人は女優が本業ではないけれど、本業の歌で演技をして存在感を示したのです。しかも、お互いが自らの日頃のキャラクターを生かした演技だったという訳です。
では、セリフや仕草などの演技面ではどうだったのか? 次回は、ストーリーから感じた事をふまえて、今回あまり書けなかった舞美ちゃんの話も含めて、演技の事を書いてみたいと思います。