フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

primal.

2013-05-27 23:37:00 | アイドル etc

 アンコールを前にして、昼の部の公演をもってグループを去る事になるテラシマユフさんに対して客席からは「ゆっふぃーコール」が起こった。決して広いとは言えないライブハウスに低い声が響き渡る。
 声はやがて歌声に変わっていく。アンコール前に歌っていたナンバー「primal.」を観客が口ずさんでいるのだ。その儚くも力強いメロディは別れへのレクイエムに聞こえた。

 毎週のように、或いは毎日のように、どこかのアイドルが辞めていく情報が流れてくる。アイドル戦国時代という飽和現象は誰にでもチャンスを与えられる緩さと、呆気なくやってくる別れを生み出している。
 BiSの場合は今までも今回もちょっと理由が複雑だから、それらのインディーズシーンの現状はそのまま当てはまらないけれど、2年ちょっとの活動で4人のメンバーが去っていったという履歴がグループに残った。
 アイドルが人間の心を持っているという事に我々はもう少しナイーブであるならば、今までにもっと救えた人もいたのではないかとは思うけれど、結局は辞めるという決断については他者には止める事は出来ないのだろう。

 「primal.」というナンバーは以前に、ネット発のアレコレが発端となって最終的にグループを去ったメンバーにとっての、結果的なラストシングルであった。持ち歌をメンバーが作詞しているケースもあるBiSだから、このナンバーもメンバー作詞である。何故、「透明な心を白で汚した」のか。世のアイドルがアイドルの形を作るためには様々なものを犠牲にしている事はわかっているつもりだけれど。わかっているつもりなだけであって、ファンはアイドルそのものではない。繰り返す思い出は振り向かずに駆け抜けると、アイドルは力強くも繊細に叫ぶのが痛々しい。

 東京で活動しているある地下アイドルの話。その子はアイドル音楽が大好きで、歌が好きだからアイドルになったのだという。ここまではよくある話だ。多くの地下アイドルはそうだろうとも思う。そのアイドルもAKBやハロプロに憧れているのだろう。私はそう思った。
 しかし、答えは違った。そのアイドルはBiSのファンだったのだ。BiSの音楽が大好きなのだそうだ。

 アイドルは時間を削り、心身を削り、そういう日々の中で生きている。有名無名問わず地下アイドルでも、いや地下アイドルだからこそ、その子はわかっているのだと思う。これは直接聞いた訳ではなく、人づたい聞いた話だけれど、「BiSが好き」という言葉に私はたくさん頷いた。

 primal. - BiS MV

 このMVは表現にYou Tube的な規制がかかり、見るためには年齢確認という名のアカウント確認、つまりGoogleアカウントを求められるが、様々な本質をいくらかオブラートに包みながら、わかりやすい部分のほうは直接的な演出で表現している。でも、これが女の子なのであり、女性アイドルなのだと言ってしまうのは荒れ球で直球過ぎるだろうか。


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