先日オンエアされたハロプロTIMEを見ていたらマイマイが出演していた。マイマイは舞台出演に向けて台本読みに余念がないという感じだった訳ですが、ちょっと視線を落とし気味にして台本を読むマイマイが可愛かった。照れている訳ではないのだろうけれど、目が照れ笑いのようなはにかんだ瞳がラブリーであります。
マイマイというと強気なキャラが特徴と思われてきたのも今は昔、最近のマイマイはすっかり自虐キャラが板についています。今のマイマイだけを定点観測すると「そこまで自虐的にならなくてもいいじゃない」と思ってしまったりする訳ですが、以前のマイマイを知っている人、今のマイマイのキャラの向こう側にあるものを理解している人には、その振り幅が面白い。私も「マイマイ姐さん」な頃を思い出しながら今のマイマイとを重ねて楽しんでいる。
アイドルというものはファンが求める顔を常に映し出していかなくてはいけないと同時に、本音の顔もチラチラ見え隠れするくらいの振り幅は大切。マイマイは真逆な二つのパブリックイメージを同時に使い分けながら、しっかりとアイドルを表現している。
台本読みの際の、顔の角度の斜め具合の絶妙さに感心しながら、こういう子がアイドルニュータイプと捉えられる時代の到来を待ちわびています。
【2012.2.29発売】さくら果実 Full PV
LinQの新曲は両A面になっていて、前回紹介した「Sakura物語」は大人組であるLadyが、もう一曲の「さくら果実」は中高生組のQtyが歌っています。
AKBやアイドリング!!!などのような大所帯(AKBは多すぎではありますが)なアイドルグループの構成は、このLinQのように幅広い年齢構成によって行われるのが普通。こうする事によってファンのニーズに幅広く応えられます。しかし、今のハロプロは大人組が少ない。Berryz工房メンバーの多くは中高生組ではないのが目立つくらいで、全体の人数で見るとモべキマス計31人中で19歳以上のメンバーは11人。やはり少ないなと感じます。
いわゆるコアヲタにアピールするなら中高生組が充実していないといけない反面、大人組も充実していないとグループに芯が足りないような印象を受けます。前述のAKBやアイドリング!!!は19歳以上のメンバーがグループの中心に多い。そのまわりをアクティブに中高生組が動き回っているイメージ。
LinQのライブ動画を見ていても、キャラの立っている大人組に、明るさでステージを盛り上げている中高生組という印象を受けます。中高生組はアイドル王道ど真ん中で可愛さを前面に押し出しているのがわかります。それに対して大人組はプロフィールからしてバラエティに富んでいる。
元バスガイド、元パチンコキャンギャル、現役医大生、etc…。
九州各地から集まってきた女の子達、出身地も前歴も描く夢も違う女の子達、年齢も12~25歳とバラバラな女の子達が、不思議と違和感なくひとつのグループとして融合している。融合しているのだけれど、やはり二つのユニットの集合体を巧く噛み合わせたようなバランスの良さも感じる。それを具現化したのが今回の両A面なのかなとも思う訳です。
正直、これだけの人数が同時に歌い踊るとフレームワークが大変であり、前作「カロリーなんて」のMVではサビや間奏などで集合体を見せて、そこで圧倒感を演出しつつ、少しでも少人数で映して識別をしやすくするという、アイドリング!!!がよく行なっている手法でMVを作っています。
【2011.11.9発売】カロリーなんて Full PV
人数が多いという事は握手会で売上を上げていくのに有効であるので、CD売上を重視したいアイドルグループには有効な手段。しかし現実的には人件費的な問題からメジャーアイドルはなかなか採用出来ない手法。それを年齢層の幅広さを活用しつつ、地方アイドルならではの身軽さで実現した一つのモデルケースであると言えましょう。
そして、その大人数というカタチが今後の展開や演出方法に活用されてくるのではないか?そんな予感もします。既に持ち歌のジャンルの幅広さが、メンバーの年齢構成の幅広さとイコールで繋がっているのは事実なのですから。
以前に地方アイドルの話を取り上げた時にLinQという福岡を拠点に活動しているアイドルグループを紹介しましたが、そのLinQが今週新曲を発売しました。
地方アイドルは文字通り地方である事を前面に押し出していった方が、その存在意義が明確になる。なぜ地方なのか?という理由には各アイドル陣営毎のスタンスがあるのは当然として、ではその地方でなくてはダメなのか?という点に明確な答えを即答出来るアイドルグループとその陣営はどのくらいいるのだろう?
【2012.2.29発売】Sakura物語 Full PV
LinQは九州で活動をしていくという意味を込めてグループ名には「Love in 九州」という意味を含ませています。それはスポーツチームの名前に地域名を入れる事にも似て、アイドルでも地域密着が出来るという決意表明にも思える(愛媛からもじった名前の、ひめキュンフルーツ缶など、地域名を組み込んだアイドルは大抵が値域密着を謳い文句にしている)。
しかし現実問題として、新曲を発売したら売上をある程度見込める東名阪で即売会を行わなくてはいけない現実もあります。しかし、せっかくの新曲発売週に地元を離れてキャンペーン活動をしていたら、そこは値域密着の看板倒れというものであります。
LinQはそこまで見越していたのかはわかりませんが、人数が多い事を活かし、全員がキャンペーンで各地を移動するのではなく、何人かに分かれて各地を回るやり方を導入しました。勿論、地元でもイベントを開催します。
では、CDを売りやすいようにグループの構成人数を多くしたのか?もしそうならば、それはあまりに見せ方よりも売り方に比重を置き過ぎていないか?と疑問を持たれそうでありますが、私はそうではないだろうと考えています。次回はそのあたりの事。アイドルグループの人数バランス、年齢構成などをLinQはどう見せているか書いてみたいと思います。
タワーレコードによるLinQスタッフへの質問企画。グループのコンセプトなどが語られています。
http://tower.jp/article/series/2012/02/29/b241