今回からしばらくTOKYO IDOL FESTIVAL 2012(TIF2012)の事を書きます。ハロプロにしか興味ないという人にこそ読んでいただけるように頑張ります。記事は観た順番という個人的な形式ではなく、今年は書きたい事を色々テーマを分けて書いていきたいと思います。
今年のTIFはハロプロコンサート名古屋公演と重なったためハロプロ勢は不参加となったが、アップフロントからは吉川友、アップアップガールズ(仮)~以下UUGと略~が、元ハロプロエッグのTHE ポッシボーが出演した。
正直に言えば、所属はハロプロではないとはいえ、吉川友とUUGをハロプロコンサートに出さない事務所の姿勢はどうなのか?という疑問を抱き、更にはそんなハロプロコンサートにハロプロではない人が前座で出ている事に憤りさえ感じていた。しかし、TIFを観てきた今だからこそ言える。TIFに出演して良かった!と。
ハロプロ系ではないレコード会社レーベルからメジャーデビュー出来た吉川友は違うけれど、UUGはいわばハロプロという枠組みから弾き出された存在。ストレートな言い方をすれば、彼女達はスマイレージに敗れた人達。しかし、その底から彼女達の闘いは始まった。
私はこれからのアイドルを売っていく上での重要ポイントは「決まった時間と曜日」に会える定期公演とデジタルコンテンツを持つ事だと捉えている。AKBが成功した理由に資金力は大きいけれど、専用劇場を持っていたのが大きい。定期的に公演を行なう環境は応援する側に家としての意味のホームを与えている事と同じような意味を持つ。
ステージスキルを売り物にしているハロプロは専用劇場もなく、定期公演という概念も基本的にはない。
UUGは結成以来、小さい会場で公演を重ねてきた。定期的に公演を行い、専用劇場ではないけれどホームと呼べそうな場所も確保したUUGにとって次なるステップは、まだ見ぬ人々に存在をアピールする事。それもハロプロ曲のカバーで気を引くのではなく、この一年で地道に追加してきたオリジナルナンバーで。
TIF2010のMVPはももいろクローバーという声が多く私もそう思うし、2011はドロシーリトルハッピーという声をよく聞く。
そして今年は色んなアイドルに意見が分かれるMVP群雄割拠時代。そんな時代にUUGを推す人が結構いるようで、自分もそれには同感だ。
二日目の夜、UUGはタイムテーブルにはない野外ステージに上がる事になった。二日間の評判を聞いた運営の粋な計らいという噂も聞いたが真実はわからない。でも、ステージに立つメンバーの顔は非常に充実感溢れるものだった。ハロプロコンサートのステージには立てないけれど、国内最大規模のアイドルフェスティバルのトリに近いステージにUUGは立っている。観客はUUGヲタだけでなく、色んなアイドルTシャツの人が楽しんでいる。
名前だとか、経験だとか、所属だとか、そんな肩書きは華やかな場所では名刺になったとしても、もっと在野な世界では単純に「限られた時間で何が出来るのか何を見せられるのか」なのだ。積極的に他のアイドルとのステージに上がり続けている彼女達には、それが痛いほどわかるのだろう。
私が今回のTIFで最初に観たUUGのステージは一日目の夕方、フジテレビ湾岸スタジオの屋上の最上階に上がる途中にある「SECRET COURT」というステージ。観客が200人も来たらパンクしそうな小さいステージでキビキビしたダンスを交えて歌うUUGの姿は健気でさえあった。
今回のTIFで評判の良かった曲である「アッパーカット!」は振り付けの中に右手でアッパーカットをする部分がある。私はその振り付けを観ながら、彼女達の拳に強い力が入っている事に一日目から気づいていた。
アッパーカット!
~この記事は金曜日に書きました。つまりTIFを観る前に書いたものです~
私がテレビをあまり見なくなってからだいぶ経つ。見たい番組しか見ないので普段はテレビはインテリア。地上波デジタルに合わせての買い換えもしなかった。我が家はケーブルテレビによるデジタル放送を既に受信していたからで、あまり見ないものにお金を掛ける気にもなれず、そのままアナログテレビを使い続けている。
情報というものを得る手段として、今は多くの人がインターネットを利用している。情報が早いからだ。それはアイドルの世界に於いても変わらない。
今の時代、熱心にテレビを見ている人は限られてきたから、テレビを通じての大ブームというものも非常に狭いものになる訳だけれど、それでもまだまだ商売に結びつける事が出来る事はAKBが証明した。そして、もうそれが限界に来ている事もAKBが証明した。これは20世紀的なアイドルプロジェクトの最後の徒花なのかもしれない。
アイドルというジャンルは自分から情報を集め、自分で観たいもの、応援したいものを決めていく時代は既に始まっている。ハロプロがYouTubeを通じて新しいファンを獲得したように、名前を売っていく方法は変化しつつあるのだ。
そもそも、地方だと映らないとか、数週間遅れなんて事がたくさんあるテレビというメディアは、ネットを通じて世界にライブの模様を発信出来る現代に於いてはかなり欠陥のあるメディアではないか。
アイドルはネットサービスを通してだったり、或いはもっと身近に地域の活動に参加していくアイドルだったり、そういうテレビというフィルターを通さないアイドルが主流になり始めてきた。AKBグループ以外のアイドルはそういうアイドルばかりになってきた。今は売上面に於いてはAKB方式(テレビを使った宣伝で活動を伝えていくアイドル)が正解という事になるかもしれないけれど、時代に逆行したこのやり方はAKBレベルな資金力とバックボーンがあってこそ可能なやり方。スタンダードなものにはなりえない。
時代は変わった。もう、アイドルをテレビモニターで鑑賞しながら語るのは強い意味を持ち得ないと気づく時期なのかもしれない。あなたも私も。
一部の舞台に上がっていたメンバーなどを除き、ハロプロコンサートでのバックダンサーという認識をハロプロヲタに持たれていたハロプロエッグが自らのプロフィールを明らかにしてステージに立った第一回新人公演から五年が過ぎた。ハロプロエッグ独立記念日と言っては大げさだが、そんなエッグが中心となる公演に、既にハロプロエッグから独立していたグループが参加していた。THE ポッシボーである。
彼女達が他のエッグメンバーを差し置いてデビューの機会を得たのは勿論理由がある訳で、その理由は諸説がいくつかある。でも、ひとつ言える事は彼女達は一足先にデビュー出来た事で音楽ガッタスにも、スマイレージにも選ばれなかったという事実である。
年齢的にはスマイレージ世代から上になるとはいえ、一足先にデビューした事で彼女達はこなれた感じが付いてしまっていた。五年前の新人公演では既にエッグメンバーとは歴然としたステージング力の差があり、ある種のベテラン臭が漂っていた。
それが誉め言葉にならないのがアイドルというジャンルの難しいところで、その後のエッグメンバーの新人公演やイベントでの初々しい奮闘に比べ、ポッシボーはまとまった出来映えに感じられてフレッシュ感に欠けるように見られたというのもありましょう。彼女達だって当時はまだまだキャリアの浅い新人らしさが本当は放っていたのに、研修生という看板を背負った元同期にフレッシュさというイメージ、アイドル界を生きていくにあたり必要なイメージが薄れてしまった。
ポッシボーはその後ハロプロを卒業、ハロプロではなかったから、それもハロプロヲタの思い入れを弱め、細々と活動せざるを得なくなった。それでも握手会を増やしたりしてシングルチャート10位以内に入ったりしながらここまでやってきた。今日はTHE ポッシボー6周年
ハロプロではなかった事でハロプロヲタの支持が弱くなったけれど、ハロプロではないから活動範囲は広がった。TIFに二年連続出場。昨年の出場で静かに注目度が増してきた。大ブレイクをせずとも生きていけるしたたかさ。外の世界を知る者の応用力。今笑えなくても未来に笑えるなら、きっとそれがモチベーションなのかもしれません。
THE ポッシボー「幸せの証」アイドル横丁夏まつり!!2012