先週は”日帰りカヤック&フィッシング”で少し息抜きをしたとは言え、2週間も連続して週末を家で過ごすと、さすがに『風来坊の虫』が騒ぎ出す。
『さて、どちらへ行かう 風が吹く(山頭火)』 そっと心の風に耳を傾けてみると、どうやら北寄りの風が吹いているようだ。 そう今の時期、北へと向かう風と言えば、もちろん日本海!
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2009年6月4日(木) フレックスを利用して、今日の仕事は午前中で切り上げた。 明日、金曜日は有給休暇である。
妻にはいつものように、『まあ、いつ帰るか分からん。 天気と気分次第じゃけん、また電話するわ』と話してある。
会社からロードスターで戻り、シーカヤックをカートップしたアテンザに乗り換えて、北へと向かう。 本命は明日の鳥取、浦富海岸なのだが、さすがに鳥取は遠いので、今日は中継地として、島根の海岸で車中泊の予定。
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夕方、島根半島の小波海水浴場に到着した。 この『小波海水浴場』には何度も訪れているのだが、何年か前にエクストリームNさんとキャンプツーリングに来た時、
88歳のおばあちゃんから話を聞いたことが、強く印象に残っている。
このように、旅先で出会った方々から伺う貴重なお話の一つ一つが私の肥やしとなり、それが次の『あるくみるきく_旅するシーカヤック』での話の切っ掛けとなって、新たなお話を伺うことができる。 まさに、すべての出合いがつながっており、すべては偶然のように見えて、実は必然の出合いであるということを実感している。 本当にありがたいことである。
まだ日没まで時間もあるので、少し集落を散策してみた。

狭い路地を抜けると、神社があった。 私の知り合いのシーカヤッカーは、漁師さんと同様、海の神様を敬い、地元の神社にお参りする人が多いように思う。
板子一枚下は地獄というが、まさに天気や波風の影響を大きく受けるシーカヤックの旅では、どうしても神頼みという気持ちが強くなるのである。

神社に上る階段から眺めると、この地方に多い赤土の屋根瓦が並んでいる。 良い町並みだなあ。
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今日、ここを車中泊に選んだのには訳がある。 それは、『スナック日本海』

昔からここの海水浴場からは何度も出艇しており、『スナック日本海』の存在は知っていたのだが、おでん屋さんや居酒屋さんくらいしか行かない私には縁がないと思っていた。
だが、シーカヤック仲間のGoさんから、何年か前にこの浜でキャンプ&ツーリングをしたとき、このスナックに行き、地元の方もいっしょになって楽しい一時を過ごしたとの話を伺い、行ってみようと思い立ったのである。
だが、夜になっても、いつまで待っても、店には灯りが点かない。。。
残念。 もう、営業を止めてしまったのかなあ? 仕方なく、ヘッドランプを点け、夕食を摂り、ビールを飲んで車中泊。
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2009年6月5日(金) 朝は、いつも通り5時に目が覚めた。 ケータイを取り出し、天気予報をチェック。 島根、鳥取とも、今日は東寄りの風。 天気は曇りで、それほど波は上がらない予報。
まだ朝も早い。 鳥取に行く前に、ここで少し漕いでみようか!
シーカヤックを浜に降ろし、貴重品とレスキュー用品、お茶とパンだけ持って出発した。

久し振りの日本海で、朝のお散歩ツーリング。 あいにく空は曇りだが、それでもさすがに透明度が高く、凪の日本海を漕ぎ進むのは気持ちが良い。 この辺りは以前、
エクストリームNさんと漕いだ場所。 あの時は、加賀の潜戸を越えて古浦海水浴場まで漕いだのだが、それまで快適なツーリングだったのが、片句あたりから西風が強烈に強くなり、山のような大きなうねりの中を、緊張しながら漕ぎ抜けたことを思い出す。
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でも今日はべた凪のお散歩ツーリング。 舟屋も残る、島根半島らしい漁村の風景を楽しみながら、のんびりと岸沿いを漕ぎ進む。

途中でパンの朝食を済ませ、浜に戻った。 1時間半ほどのツーリング。 ああ、気持ち良かった!
シーカヤックと道具の潮抜きを済ませ、シーカヤックをカートップ。 シートを起こして車内を片付け、車中泊モードから移動モードへ。
さあて、じゃあ浦富海岸に行きますか!