2011年6月4日(土) この週末は、地元の海でキャンプツーリング。 それも私にしては珍しく、グループでのツーリングである。
先日、引き蘢り生活がようやく明けたとブログに書いたところ、いつも大変お世話になっている”五さん”から、復活祝いを兼ねたツーリングにお誘いいただいたのだ。
復帰以降、毎週のように様々な方々にお世話になっている。 本当にありがたい事だ。 感謝
朝9時前。 待ち合わせ場所である音戸大橋の駐車場に行くと、すでにお二人は到着されていた。
今回のメンバーは、”五さん”と、せっかくの機会なので声を掛けさせていただき今回が初顔合わせとなるブログ仲間の”上海五郎さん”。 残念ながら、”レ隊長さん”が急遽参加できなくなり、オヤジ3人組での開催となった。
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お気に入りの日帰りツーリングコースにご案内することとし、海岸へ。
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梅雨の晴れ間。 気持ちのよい日差し、風も弱く、海は穏やか。 絶好のツーリング日和。
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グルリと島を回り、流木のある気持ち良い浜へ上陸。
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浜でのランチタイムは、五シェフの登場!
慣れた手つきで焚き火台をセットし、スキレットを使ってアッと言う間においしい、本格『カルボナーラ』 うーん、これは美味い。
カルボナーラを食べ終えると、次は『トマト味のポモドーロ』 自家菜園で採れたというバジルも登場だ。
ネットリ濃厚なカルボナーラの後は、あっさりポモドーロという、緩急自在のなんとも憎い演出である。 『おいしいですねえ。 お腹一杯になりました。 ごちそうさまでした』
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荷物を片付け、浜へと戻る。
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瀬戸内でも貴重な自然海岸沿いに漕ぎ戻り、今日のツーリングは終了である。
*** 北吉鮮魚店
キャンプ場に移動し、テントを張って着替える。 この後は、温泉で潮抜きして、本日のメインイベントである『北吉鮮魚店/さしみ屋さん』での宴会。
あー、温泉でサッパリして、早く冷たいビールが飲みてえ。
問題は温泉とさしみ屋さんへの移動である。 いつもなら、お酒を飲まれないレ隊長さんが帰りは運転して下さるのだが、今日は『ビールを心待ちにしている』オヤジ3人組である。
五さんが半分冗談で、『じゃあ誰か一人ガマンするって事で』というと、『いやあ、それだけはムリでしょう!』
タクシーで行こうかとか、クルマで行って帰りに代行を呼ぼうかという話も出たが、ここは地元民の強みを活かし、バスでの移動を提案。
本数は少ないものの、ここから少し離れたバス停からバスで行けるはずなので、旅には欠かせなくなったiPhoneを取り出し、時刻表をチェック。 じゃあ、このバスで行きましょう。
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まずは、温泉館行きのバスに乗り込み、温泉へ。 お二人は、カヤックの旅でバスを使う事はほとんど無いとの事なので、これもなかなか良い旅の雰囲気だと好評である。
終点の温泉に付くと、まずは室尾行きのバスの時刻をチェック。 運の良い事に、ちょうど良い時間のバスがあるようだ。
温泉で潮抜きしてサッパリ。 じゃあ、次行きますか!
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海沿いを走るバスに揺られながら、北吉鮮魚店へと向かう。 バスの中では、地元のおばあちゃんと会話が弾み、ローカルバスならではの雰囲気を楽しむことができた。
『どこからきんさった?』から始まり、うちの家族がお気に入りの尾立の醤油の事、北吉鮮魚店の事、造船の事などなど。 バスを降りられる時には、『じゃあ、せっかくじゃから、ゆっくり楽しんで帰って下さい』 『はい! ありがとうございます』 うーん、これは良い旅だ。
終点の室尾で降りると、さしみ屋さんへ。
今日は、最初の刺身と、お気に入りの『(魚の)内蔵煮込み』はお願いしてある。
まずは、生ビールで乾杯! 『グビ、グビ、グビリ』 『プハーッ、これは美味い!』
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最初の肴は、イカゲソの『ゆびき』 ピリリとよく効くカラシ酢味噌が、これまた旨いのだ。
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今日のメインの一つ、刺し盛り登場。 これがまた、いつもながらの絶品である。
ここには、『辛口』と『甘口』の2種類の醤油があり、五さんは辛口が、私は甘口が好みであり、それぞれお好みの醤油で新鮮でおいしい刺身に舌鼓。
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次は、もう一つのメインである『内蔵煮込み』 もうこれは最高である。 うーん、ビールが旨い。
*** 瀬戸内三兄弟、固めの蝋燭?
宴もたけなわ。 『皆さん、ではそろそろ参りましょうか』
『女将さん、島豆腐をお願いします』
豆腐が出て来ると、私はペリケースから『蝋燭』を取り出した。 しきたりに則り、蝋燭を一本一本、島豆腐に立てていく。
すると、気を利かせた女将さんが、『電気を切りましょうね』 他にお客さんが居るので申し訳ないのだが、なんとも嬉しい気遣い。
立てた蝋燭、一本一本に、主役の上海五郎さんが火を点していく。
『では参ります。 五郎さん、一息に吹き消して下さい』 『フーッ』 火が消えると、みんなで拍手。
瀬戸内三兄弟、固めの杯ならぬ、固めの蝋燭の儀式は無事終わった。 これで、晴れて兄弟分である。
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実は、上海五郎さんは数日前に誕生日を迎えられたと言う事で、『
北吉鮮魚店と言えば、バースデイ島豆腐』と言う密かな文化を伝承するため、ロウソクを持参したのである。
ロウソクを立てていると、それを見た女将さんが、『あ、前にもやっておられましたよね』と覚えておいて下さり、他のお客さんも居られたのだが、電気を消していただくという、ありがたい演出があったのだ。
これで、五さん、私、そして上海五郎さんと、3人はここでバースデイ島豆腐&ロウソクを経験したことになり、名実共に、兄弟分になった。
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午後7時過ぎ、さしみ屋さんを出ると、バスの時間までしばし町を散策。
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瀬戸内の島らしく、道こそ狭いが、立派な家が多い。 夕刻の島の散策、静かでなかなか良い雰囲気だ。
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再びバス&徒歩でキャンプ場まで戻り、レ隊長さん差し入れのおいしいチーズをいただきながら、これまた五さん差し入れの新潟の名酒で2次会である。
兄弟分となったオヤジ3人組の長くて熱い夜は、政治談義やグローバルな話題にも触れながら、賑やかに更けていった。 本当に楽しい一時。
*** 2011年6月5日
翌朝、久し振りに海から昇る朝日を見た。 うーん、これぞキャンプツーリングの朝。
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今日も朝から五シェフが大活躍。 塩漬け豚肉がその場で燻され、おいしいベーコンが完成。 トースターでパンが焼かれ、ベーコンエッグと玉子スープ、野菜&リンゴがたっぷりのサラダまで。 食後は、レ隊長さん差し入れのコーヒー。 『あー、美味かったあ。 ごちそうさまでした』
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今日は、奥の内湾お散歩ツーリングである。
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海はベタ凪。 暑くもなく寒くもなく、絶好のツーリング日和。
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のんびりまったりとパドリングを楽しみ、滑るように海を進み、今日も流木のある浜へ上陸。
なかなか雰囲気の良い浜だが、なぜか今回、『米なしインド浜(左手は駄目よ)』と名付けられることになった。
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今日のランチタイムも、五シェフにお世話に。
おいしいビビンバ、キムチにフィレミニヨンのステーキ。
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このフィレステーキが、軽く火を通すだけで、塩もソースも付けずそのままいただいたのだが、なんとも言えない絶妙の塩味が最高であった。
へーえ、おいしい肉って、何も付けなくても美味いんだ!
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食後、お二人はしばしのお昼寝タイム。
思いがけないハプニングや出来事があったが、これも平気な顔して対処し、何事も無かったようにランチタイムを楽しめた。 こういうのも、旅のエッセンス。
いい想い出になるんだなあ。
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『さて、そろそろ帰りますか』 浜を漕ぎ出し、キャンプ場の浜へ。
荷物を片付け、シーカヤックをカートップ。 『漕いで、食べて、飲んで、笑って。 本当に楽しいツーリングでした。 ありがとうございました』
兄弟の契りを交わした瀬戸内三兄弟。 私は三兄弟で一番年下である。 『よう兄貴。 これからも、よろしゅう頼むけん。 こがあなこと言うのもなんじゃが、わしの座右の銘は「生涯不良」じゃけえのお』