あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: バイク&カヤック、ダブルヘッダーしまなみキャンプツーリング

2011年06月26日 | 旅するシーカヤック
2011年6月25日(土) MTBとシーカヤックを積んだアテンザワゴンは、東広島へと向かう。 この週末最初のプログラムは、職場の同僚であるトルコ人との自転車ツーリング。 彼が最近購入した自転車。 今回が初のツーリングである。

天気は良いが少し風もあって、最高の自転車日和。 『さあ、出発しようか!』
今日の目的地は、中央森林公園。 さて、どんなツーリングになるんだろうか。 楽しみだ。

順調に漕ぎ進み、河内IC近くのコンビニで休憩。 『ここから登りが続くんだ。 しっかり休んでガンバロウ』

ネットで調べた情報では、ここから広島空港までは約3.6km、標高差は約140mのきつい登坂。
延々と続く登り坂。 低いギアで、えっちらおっちら、マシンと化してひたすらペダルを踏み続ける。 全身から汗が噴き出す。
普段から自転車を漕いでいる本物のサイクリストにとっては、たいした事のない登り坂かもしれないが、普段はアップダウンのない海抜0メートルで遊んでいる私にとっては、まるで延々と続く瀬戸大橋下の逆潮状態。 『いやあ、これはキツいなあ』

途中で小休憩し、なんとか空港まで辿り着いた。 空港のコンビニで昼食と飲み物を購入し、中央森林公園へ。
 
公園に着いてからも、最後の展望広場までの登りがきつかったが、なんとか無事に目的地に到着!!! 『うーん、いい眺めじゃないか』
 
眼の前に広がる景色を眺めながら、お昼ご飯を食べ、しばし休憩。 天気は最高で、ここは風通しもよく、本当に気持ち良い。

帰りは、苦労した登りとは打って変わって、スピードを楽しめる快適な走行。 最後の数キロのアップダウンでヘトヘトになりながらも、なんとか30kmのツーリングを無事に終えることができた。 『いやあ、あの登りはキツかったけど、なかなか良いツーリングだったね』
彼の家で、ちょっと休憩させてもらう。 紅茶をいただきながら、彼と奥さんとしばし談笑。

14時半。 『今日は夕方、しまなみ海道に行ってシーカヤックを漕ぐんだ。 それからキャンプして、明日の朝も漕ぐ予定。 じゃあそろそろ出発するよ』
『今度機会があったら、私もカヤックに乗せてください』 『いいよ。 ぜひ一緒に漕ごう』

***

高速道路を走り、お気に入りの生名島へ。
 
管理人さんに挨拶し、キャンプの手続き。 『今日は昼に友人と東広島で自転車を30kmほど漕いできたんです。 それで少し遅くなりました』
『じゃあ、今からちょっと海を漕いできます』 『元気ですねえ。 では気をつけて』
 
シーカヤックを降ろし、海へ。 天気は最高! 完璧なシーカヤック日和である。
 
でも今日は、シーカヤックより先にやることがある。 海へ! ドボーン!
そう、今年初海水浴だ。 自転車で汗をかいたが、シャワーも浴びていなかったので、海に浸かるとなんとも気持ち良い。 うーん、夏が来たなあ!
 
午後4時半。 さあ、漕ぐとするか。 今日は時間も遅いので、いつものお散歩ツーリングコース。 平内島の浜では、ちいさな船で遊びにきている人達が。
『こんにちは。 泳ぎの練習ですか?』 『ほうよ。 孫を連れてきて、泳ぐ練習をさせよる』 『今日は暑いから気持ち良いですね』
 
亀島を回り、鶴島へ。 小さな浜に上陸し、しばし休憩。
 
鶴島をグルリと回ると、龍神様にお参りし、キャンプ場の浜へと戻る。
午後5時半。 シーカヤックを引き揚げ、再び海水浴を楽しみ、シャワーを浴びて着替える。
***
弓削へ夕食を買い出しに行き、潮抜きをするためフェスパへ。 海を眺めながらゆっくりお湯に浸かり、自転車とカヤックの疲れを癒す。
午後8時。 キャンプ場に戻り、いつもよりかなり遅い夕食。

最初の一本は、定番のエビスビール。 プルタブをプシュッ。 コップにトクトクトクトク。 すると泡が、シュワシュワシュワワワー。
この泡を見ているだけで、喉が鳴る。 では、今日一日お疲れさまでした!
『ゴク、ゴク、ゴクリ』 『プハーッ』 うん、美味い!
最高の天気の中、気の合う友人と自転車を漕ぎ、その後はお気に入りの生名島でシーカヤックを漕ぎ、海水浴も楽しみ、お風呂で疲れを癒した後の冷えたビール。
これで美味くない訳がない。 最高!

***

夜中に雨音で一度目が覚めたが、さすがに疲れが残っているのかすぐにまた寝入ってしまった。 次に目が覚めたのは、いつもの起床時間である5時。
パラパラと少し雨音が。 目覚めのコーヒーを飲み、朝食のパンを食べていると雨も上がり、少し青空も見えてきた。

ようし、ちょっと散歩して来るか。

準備をしていると、浜におじいさんが散歩にこられた。 『おはようございます』と挨拶すると、『おはよう。 あんたはどこから来よるん?』
『はい、呉からです。 ここへは年に何度も漕ぎに来るんですよ』 『うん、知っとる。 あのクルマでこれを積んで来とるのをよう見るわ』
『あ、そうでしたか。 ここは岩城や弓削へもカヤックで行けるし、キャンプ場もあるし、気に入ってるんです』 『なるほど。 ここは浜があるしええよな。 じゃあ、気をつけて』
 
如何にも瀬戸内らしい、箱庭の様な穏やかな海へ漕ぎ出した。
 
あちらの岩を回り、造船所を眺め、こんどはこちらの島へ。 朝の海の散歩は、本当に気持ち良い。

約1時間ほどのお散歩ツーリング。 シーカヤックを洗い、道具も潮抜き。 シャワーを浴びて着替える。
『どうもありがとうございました。 また遊びに来ます』 管理人さんに挨拶し、キャンプ場を後にした。

***

帰りは竹原に立ち寄り、久し振りにお気に入りのラーメン屋さん、『太華園』さんへ。
駐車場にクルマを入れていると、店のご主人がちょうど暖簾を出され、開店。 グッドタイミング。

いつものように、カウンターの端っこに陣取り、中華そばを食べていると、ちょうど手の空いたご主人が眼の前に。 

『今日はこれから海ですか?』 以前、シーカヤックをカートップしたアテンザで来た時に、シーカヤックのお話をした事を思い出した。
『いいえ。 今日は帰りなんです。 昨日は昼に東広島で自転車を漕いで、夕方からしまなみ海道へ行って海を漕いだんですよ』
『そして夜はキャンプ場で泊まって、今朝もまた漕いで来たんです。 だから今日は、ここに11時頃着くように向こうを出発したんですよ』 『あ、そうですか。 それはありがとうございます』

『ところで、お仕事は何を?』 あ、この質問。 また聞かれたなあ。
いろいろな所で知り合った人とシーカヤックの話をしていると、不思議な事に『ところで仕事は何ですか?』とよく聞かれるのである。
以前、下関に遊びに行った時、エクストリームNさんに連れて行ってもらった2次会の飲み屋では、席に着いてくれた若いおねえさんに、『呉で漁師をしよる。 鰆漁やらなんやらしよるんや』と、ホラを吹いたこともある。 また別の飲みの場では、『海上自衛隊です。 潜水艦に乗ってます』とこれまた冗談で言った事があるのだが、いずれも全く疑われる事はなかった。
でも今日は、そんな場ではないので、『仕事ですか。 いやあ、普通のサラリーマンなんですよ。 だから海は土日だけです』

『いつも一人なんですか?』 『ええ。 たまに友人と漕ぐこともありますが、ほとんど一人ですね。 それに昔は家族で海に出ていた事もあるんですが、もう子供も大きくなったし。 だから普段は、年間50日くらい海に出てフラフラと遊んでいるんです』
『一人で寂しくないですか?』 『いいえ。 ぜんぜん寂しくないですねえ。 一人だと、行きたい時に海に行けるし、思うように漕げるし、もう帰ろうと思えば帰れるし、気楽で良いですよ』

『そうですよね。 私はバイクに乗るんですが、やっぱり一人が気楽でいいです。 人からは、仲間で行こうと誘われるんですが、一人だと思い付いた時にフラリと出掛けられるし、どこに行くか相談しなくていいし』 『そうそう。 私も全く一緒です』

そうか、なんだか同じ様な匂いがすると思った。
おいしいラーメンを汁まで飲み干し、『ごちそうさまでした。 また来ます』 『はい、では気をつけて』

家に着く頃には、雨もそこそこの本降りとなり、今回も最高のタイミングで漕ぎを楽しむことができた。 いやあ、いつもラッキーだなあ。

***

梅雨明けを思わせる最高の天気に恵まれた、バイク&カヤックのダブルヘッダー。
これで今年はようやく10漕ぎ目。 半年の引き蘢り生活があったので、いつものように年間50日は無理だが、このペースならそこそこ楽しめそうだ!

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