あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: とびしま海道_Ninja250Rでお散歩ツーリング&お好み焼きの『まりちゃん』

2011年12月19日 | 旅するシーカヤック
2011年12月19日(月) 夏以降、一段と仕事が忙しくなり、最近はなかなか有給休暇が取れない状態が続いていたのだが、今日は久し振りのお休み。
息子に頼んで、今日はNinja250Rを借りる事にしている。 借用代も少し払い、彼のバイクの支払いへの支援と、私の楽しみを兼ねた、嬉しい一日である。

土日ほどではないが、今日も気温は低い予想。 数年前に妻が冬のシーカヤックツーリング用にプレゼントしてくれ、少し草臥れてきた今でも愛用している、見た目は思いっきりダサイが(時折新聞に、登山隊が後ろ向きでズラリと並んでいる広告の、あの下着である)、とても暖かいアンダーウエアをベースに、しっかりと厚着をして、冬のお散歩ツーリングの準備はバッチリ。

『じゃあ、出掛けるとするか』 イグニッションをONにし、セルスイッチを押すと、『ブロロロロロロッ』と一発でエンジンに火が入った。
いやあ、ワクワクするなあ!

今日のコースは『とびしま海道』 シーカヤックツーリングで、勝手知ったる私の庭の様なエリアである。
 
快晴の安芸灘大橋を越え、まずは県民の浜へ。
アクセルのON/OFFにダイレクトに反応するエンジンとサウンド、そしてG。 連続カーブでは、体重移動によるリズミカルなコーナーリングがなんとも気持ち好い。

県民の浜を出発し、豊島を越えて大崎下島へ。 快晴で空気が澄んだ今日は、瀬戸内の景色が一段と美しい。

豊島の高台にある道路脇にバイクを停めて、しばし記念撮影。

***

大崎下島では、御手洗へ。
 
蜜柑畑に囲まれた農道を登り、いつもの展望台へ到着だ。

お気に入りの、瀬戸内らしい景色。
 
ベンチに座り、途中で買い込んで来た暖かいコーヒーをゴクリ。 うん、なかなか良い休みじゃないか!


***

岡村島を周り、豊島へと引き返す。 今日のお昼ご飯は、久し振りに訪れるお好み焼きの『まりちゃん』

少し早めの11時前に到着。 『こんにちは。 もう開いてますか』 『もうええよ。 少し待ってね』
私の方を見ると、『あんた、見た事あるよね』 『ほうです。 何度か来とりますけん』 『ほうよね。 思い出した』

『ここ数年、夏には何日も豊島に通っとるんですよ』 『ほうね。 じゃあ、うちにも来んといけんじゃない』 『ええ、来年はぜひここにも来ますよ』
まりちゃんにも、私が家船の調査に興味がある事、シーカヤックで遊んでいる事を思い出していただいたようだ。
 
鉄板の前に座り、手元をみると、鉄板がまるで新品のようにピカピカに輝いている。 『この鉄板、最近換えられたんですか?』 『いいや。 前からずーっと使いよるよ』 『そうなんですか。 それにしても新品のようにきれいですね。 びっくりです』

『そうじゃろう』 『やっぱり、まりちゃんの性格がでますねえ。 お好み焼き屋もしっかりやって、畑仕事もして、なんでもキチンとしとらんと気が済まんのですよね』 『そうそう。 私しゃあほんまイラチやし』

待っている間に、天井の換気口&換気扇を眺めてみると、ここも油っぽさが全くなく、きれいに磨き込まれている。 さすが、まりちゃん!

『にいちゃん。 さっきもろうたけん、蜜柑食べんさい』 まりちゃんは蜜柑を食べながら、『あ、これおいしいね』 半分に割った片割れをいただいた。 『お、ほんまですね。 こりゃあ甘い』 『ほうじゃろう』

***

しばらくすると、二人のお客さんが入って来られた。 そのうちの一人の方が、『お、よう似ちょる思うたら、あんたか!』 『あ、久し振りです! 今日は、息子にバイクを借りてツーリングに来たんですよ。 お昼はここで食べよう思うて、寄ってみたんです』

この方は、以前、瀬戸内カヤック横断隊が、悪天候で急遽岡村島に避難する事になったとき、蒲刈のIさんと一緒にわざわざピックアップに来てくださり、大変お世話になった方なのである。

『ほんと、久し振りですねえ』 『ほんまじゃのう』

『それにしても、毎日ここへ来とられるんですか? 私しゃあ、たまにしかここに来んのに、いつも会いますよねえ』 『いやあのう、毎日は来よらんよ』 するとまりちゃんが、『それだけ、縁があるいうことよねえ』 『いやあ、ほんまですね。 びっくりです』

まりちゃんと蒲刈のおっちゃんとの、まるで漫才の様な掛け合いを楽しみ、時折私も茶々を入れながら、お好み焼きが焼き上がるのを待つ。

四方山話で盛り上がっていると、まりちゃんが『にいちゃん、出来たよ』

『はい。 じゃあいただきます』

おいしいお好み焼きを、ハフハフ、ぱくぱく、ホフホフと頬張りながら、再びおっちゃんと、蒲刈の話やB&Gの最近の状況、漁の話などなど、再び楽しい一時。

『ごちそうさまでした。 美味しかったです』 支払いをしようとすると、まりちゃんが、『まあ、待ちんさい』と、お好み焼きを焼き続ける。
しばらく待つと、まりちゃんが手を止めて右手にある調理スペースに行かれたので払おうと立ち上がると、お手伝いのおばちゃんが、『コーヒー、出してくれるけん』と一言。

蒲刈のおっちゃん、そのおっちゃんと一緒に来ていた知り合い、そして私の3人分のコーヒーが入れられ、手渡された。

鉄板前のカウンターからテーブルに移り、コーヒーをいただきながらまたまた四方山話に華が咲く。
 
コーヒーの後は、干し柿も。
最初はテーブルの上に、紐で繋がれた干し柿が4つ載っていたのだが、まりちゃんが『あんたら、喧嘩にならんように私が一個食べてあげるけん』と一つ手に取って食べながらお好み焼きの鉄板の前に移動。 『じゃあ、いただきます』と、残った三人で一つずついただく。 『うん、これもウマい』

待っている間には蜜柑をいただき、お好み焼きの後はコーヒーに干し柿。 これではカフェ気分である。

『じゃあ、そろそろ出ようかの』とおっちゃん。 支払おうとすると、おっちゃんが、『ええよ、ええよ』 『えー、ほんまええんですか。 じゃあ、遠慮なくごちそうになっときます』と、こんなときには遠慮しないようにしている私は、おっちゃんの好意に感謝しつつ甘えさせていただく。


港においたバイクまで戻りつつ、太刀魚漁や穴子漁の話。 『ほんま、今日はごちそうさまでした』 『ええよ、ええよ。 じゃあ、またの。 Iには電話しとくけん』

バイクで走り始めると、様々な風景が眼に飛び込んでくる。 豊島のある家の屋上には、穴子や烏賊が干してあった。 『あれ、旨そうやなあ。 さすが、豊島』
 

***

久し振りの有給休暇は、ワクワクどきどきのNinja250Rでの『とびしま海道』お散歩ツーリング。

お気に入りの展望台からの絶景を堪能し、お好み焼きのまりちゃんでは、まりちゃんと蒲刈のおっちゃんとの抱腹絶倒の掛け合いと私の茶々を楽しみ、おいしいお好み焼とサービスの蜜柑とコーヒーと干し柿を堪能した。 やはり、とびしま海道は私の庭である。 最高の有給休暇。

土曜日はシーカヤック、日曜日は自転車ツーリング、そして月曜日はバイクツーリングと、充実した3連休であった。

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