あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: 2014年初漕ぎ_カヤック&バイクで”しなまみキャンプツーリング”+α

2014年01月05日 | 旅するシーカヤック
2014年1月3日(金) 朝6時。 『じゃあ行ってくるけん』 『はい、気をつけて』
風の強かった年末年始とは打って変わって、今日は穏やかな予報。 今年の初漕ぎには絶好のコンディションである。

シーカヤックと自転車を積んだワゴンで、海沿いの快適な道路を東へ。

竹原では、朝日が昇ってくる前の雰囲気の良い景色を、

忠海から三原に掛けては、

ちょうど日の出の美しい景色を楽しむことができた。

初日の出ではないが、芸予諸島らしい景色に恵まれた2014年の旅立ち。

***

生名島のいつものキャンプ場に到着し、出艇準備。

風もなく、日が当たってポカポカと暖かい、絶好のツーリング日和である。

まずは、岩城造船方面へ。

建造中の船。

なかなかの”バックシャン”である。

造船所を通り越し、岩城島と生口島との間にある島へ向かう。

この辺りまで来ると、重い向い潮がザワザワと流れている。 パドルを漕ぐ手にも、ズシリとした感触が伝わってくる。

小さい島の横に行くと、まるで川の様な流れ。

今日は大潮から中潮に変わる頃だが、久々になかなか元気の良い潮に遭遇。 プチサーフィン状態をしばし楽しむ。

このエリアは潮流が複雑で、ここでは追い潮だが、ちょっと沖では向い潮になっていたり、潮止まりがあったり。
地図を見ると分かるように、多くの島々が点在し、それぞれの海峡を流れる潮がぶつかり合い、押し合い圧し合いしているので、ちょっとしたバランスや海底の地形、そして風の影響などなどで、日々流れのバランスが異なるのである。

⇒ (参考):芸予諸島


太平洋のように大きなうねりがなく、関東から来たシーカヤッカーにはまるで湖のようだと評される瀬戸内海であるが、実はこの海は大きな河/川とも言える。
それも、時々刻々と流れの方向や強さが変化し、海峡によっては、まるで激流の瀬のような状況にもなることがある。

この複雑な潮の流れを知り尽くした村上水軍は、その流れを利用して移動し、自分達の陣地を築き、そして守ったのである。
芸予諸島のシーカヤッカーは、自分達の遊ぶエリアの複雑な潮の流れを理解し、そして上手く利用していく知恵と経験が必要なのだ。

2014年は芸予諸島をベースとするシーカヤッカーの原点に戻り、地元の様々なエリアをじっくりと時間を掛けて漕いで、知り尽くしたいと想っている。

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しばし潮の流れを楽しんだ後はUターンして、亀島経由で龍神様へ。

今年の海旅の安全を祈願。

差し入れでいただいたミカンで一休み。 『うーん、美味い』

平内島にシーカヤックを引き揚げ、コンビニ弁当でお昼ご飯。

今日は結局約2時間のツーリングを楽しんだ。 『いやあ、今日はお気に入りのエリアで最高のコンディションでの初漕ぎだったなあ』

カヤックと道具を潮抜きし、カートップ。

***

着替えて一休みすると、今度は自転車を降ろし、生名島一周のお散歩ツーリングへ。

時計回りで漕ぎ進む。

昼から少し風が吹き始めたようだ。 『うん、良い時に漕いだなあ』

自転車をクルマに積むと、いつものようにフェスパで潮抜き。
笠岡諸島が望める展望風呂でのんびりし、サウナで汗を流して、水風呂でサッパリ。 約1時間半ほどのんびりまったり楽しんだ。

***

キャンプ場に戻り、まずはビールで独り乾杯!

今日持参した本は、『瀬戸内海西部の漁と暮らし_進藤松司(神奈川大学日本常民文化叢書3)』

夕食の準備。

今日は、カレーとハンバーグ、そして豚汁。

風もなく、快適な島の夕方。 ビールを飲み、カレーを食べ、豚汁で温まる。
『ごちそうさまでした!』

夜は誰もいない静かなキャンプ場で音楽と本、そしてお酒。 良い初漕ぎじゃないか。

***

2014年1月4日(土) 今年の正月休みは、前半が風が強い日が続いたため、予定してたキャンプツーリングに出掛けることが出来なかった。
そのため、今回は2泊3日の予定なのだが、カヤックも自転車も楽しんだので、場所を移す事に。

ネットで福山や広島の安宿を探すと、広島市内で夕食にはお好み焼き&ドリンクセット、朝食付きで手頃なホテルを発見。
妻に、『もう一泊は広島市内のホテルにしたよ』とメールを打つ。

広島市内まで戻るのなら、家に帰ったらいいんじゃないのか? というのが普通の人の感覚だろうと思う。
尾道にも年に何度か泊まりに行くが、呉からだというと、そんなに近いところからわざわざ泊まりに? と驚かれたこともある。
でも俺にしてみると、近場だからこそゆっくりのんびりと過ごせるし、普段昼間に遊びに行くのとは違う町の姿が見えてきて、それは日帰りで遊びに行くのとは全く違う体験なのだ。

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しまなみ海道から尾道に出て、そこからは下道でのんびりと広島市内まで移動。

ホテルにチェックインし、街を歩いて向かうは『広島県立美術館』

今、『印象派を越えて_点描の画家たち / ゴッホ、スーラからモンドリアンまで』という展示会が行われているのである。

先日、『オランダ・ハーグ派展』を観に行って強い印象を受けたので、この展示会も是非観たいと思っていたのである。

しかし残念ながら、俺のツボには入らなかった。
全くの素人なので的を得ていないと思うけれど、個人的な感想としては、点描は、人物を描いた絵にはなかなかと思わせるものもあるのだが、俺の好きな風景画はなんとも軽い感じがして好きになれない。

俺は、やっぱバルビゾン派が好きだなあ。

***

晩ご飯は、ホテルでセットになっていたお好み焼き屋さんへ。

『ふみちゃん』は初めてだが、なかなか活気がある良い感じの店である。

ホテルのセットになっていた、スペシャル+ビール小ジョッキに、キリンビールの中瓶を追加。
『ごちそうさまでした』 うん、美味しかったなあ。


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2014年1月5日(日) 今日は家に戻るだけなのだが、せっかくなので途中の”坂町”に立ち寄り、ウオーキングを楽しむ事にした。
8時前にホテルを出て、坂町へ。 ここ坂は、新婚時代から数年間住んでいた想い出の町である。

駐車場にクルマを止め、ウオーキングコースへ。

鯛尾一周コースで、5kmちょっとらしい。

少し風があり、気温も低いが、空は晴れて爽快なウオーキング日和。

早足で、少し汗ばむくらいのペースで歩いて行く。

ここ坂は、海が近い。 古い商店の脇に、昔使っていた櫓が掛けられていた。

俺たちが昔住んでいたのは、1階に牡蠣打ち場のあるアパートの2階。
冬になると、時折500円玉一枚握って階下の牡蠣打ち場に行き、夕食用に打ち立ての牡蠣を分けていただいていたものだ。
また、大家さんが優しい方で、年末にお歳暮と言って殻付き牡蠣をいただいたこともある。

そして海が近かったので、夏にはアパートから歩いて数分のところにある防波堤からの夜釣りでメバルを釣ったこともあったなあ。
そうそう、一度、履いて行ったサンダルを海に落して、妻に替わりの履物を取りに行ってもらったこともあったっけ。 懐かしい。

この坂町は、今では開発が進んで賑やかになっているが、俺たちが住んでいた四半世紀前となる25年前は、店も少なく静かで、漁師町の雰囲気漂う俺好みの町であった。

ウオーキングコースも終盤。

昔、長男が遊んでいた公園も残っていた。

約1時間早足で歩いて、ジンワリと汗をかき、良い感じ。
『ようし、家に戻るとするか』

***

2014年の初漕ぎは、しまなみ海道にあるお気に入りの生名島でカヤック&バイクを楽しみ、広島市内では美術館とお好み焼き、そして懐かしい坂町でのウオーキングと、様々な活動をたっぷりと堪能することができた。

うん、なかなか良い出だしじゃないか! 今年は時間を掛けてじっくりと芸予諸島を極めるぞ。

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