金曜日の夜。
家に戻り、晩ご飯を食べると、道具箱からハンダゴテ、ニッパー、ラジオペンチを取り出す。
ハンダゴテを使うなんて、何年振りだろうか?
正月休みに、珍しく次男が戻ってきた時、長男と一緒に買い物に行き、『イヤホンが壊れたから買ってきた』と言うのだ。
聞いてみると、前に持っていたのは2万円近くした高級イヤホンらしいのだが、断線して片方が聞こえなくなり、修理代が9,000円も掛かるというので修理するのは諦めたとの事。
『おい、どうせもう使わんのやったら、俺にくれや。 断線じゃったら、駄目モトで修理にチャレンジしてみるけえ』 『ええよ。 今度送るわ』
ということで、映画部に所属する彼の最新作DVDとともに、断線イヤホンが送られてきたのである。
試しに聞いてみると、確かに右側の音が聞こえない。
どこが断線しているのだろうと、ケーブルを触っていると、どうやらイヤホン本体に近い部分らしく、その辺りを捻ったり押し付けたりすると、音が聞こえてくる。
『へえ、確かに良い音じゃないか!』
ネットで調べてみると、
ビクター:FX700。
ウッドの本体がなんとも良い味を出しており、2万円クラスのイヤホンらしい好ましい音である。
***
治らなくても駄目モトなので、ラジオペンチを使って、右側のイヤホン本体を捻って開けてみた。
ユニットを引っ張り出すと、奥の方ではケーブルが結ばれているのが分かる。
これは、ケーブルが引っ張られた時に、ユニットとハンダ付けされている部分が外れないよう止めるために結び目が作られているようだ。
よく見ると、この結び目の所で断線している模様。
では、という訳で、結び目を解き、断線している部分を切り、再び結び目を作ってからケーブルの被覆を向いて剥き出しに。
ユニットのハンダ付け部分を温めたハンダゴテをあてて外す。
さて、ここからが本番だ。
剥き出しにした銅線に半田を載せ、ユニットの電極部分にハンダ付け。 この電極部分が小さくピンポイントなので、老眼が入り始めた中年オヤジには厳しい細かい作業。
なんとかハンダ付けを終え、ユニットを押し込んで、本体を元に戻す。
『さて、治っただろうか?』
macbook proにイヤホンを差し込み、カラヤン指揮の悲壮を再生。
一瞬、右側にノイズが載ったが、すぐ元に戻り、無事両側から音が聴こえてくる。 『やったあ! 直ったぞ!』
右側のケーブルが2-3センチほど短くはなったがご愛嬌。 持っただけで、右か左かが分かり易くて便利なくらいである。
と言う訳で、思わず2万円クラスのイヤホンが使える事になった。
実は最近クラシックに嵌まり、音楽を聴く機会が増えたので、良いイヤホンかヘッドホンが欲しいと思って探していたのである。
これで、買わなくて済みそうだ。 息子よ、ありがとう!

大切に使わせてもらうよ。
***
2014年1月25日(土) 今日は朝から曇りで、夕方には雨に変わる予報。
『今日は、近場で遊んでくるよ』
家から1時間も掛からない、日帰りツーリング専用のお気に入りエリアへ向かう。

晴れでないのは残念だが、それほど寒くもなく風もない、冬としては良いコンディションのツーリング日和である。
バーナーと水、カップ麺、ポットに詰めた暖かい紅茶、安全装備を積み込んで出発。

今日は風もないので、ミトンは撒くって漕げるほど。

穏やかな芸予諸島の海を、手に馴染んだアークティックウインドで静々/シズシズと漕ぎ進む。
『ああ、やっぱり海の上は気持ち良いなあ』
今日は、少し奥まで漕ぎ進み、久し振りに岬を左に回り込んでみる。

この奥の方にも、静かな湾と浜があるのだが、この辺りにくると海面にうっすらと油膜が浮いており、あまり気持ち良くないので、Uターン。
沖にある島でお昼ご飯にする事にして、そちらに目的地を変更。

この辺りは砕石が盛んであり、石を運ぶ船が係留してある。

砕石運搬船ならではの、独特の構造が興味深い。
お気に入りの浜にシーカヤックを引き揚げ、お昼ご飯の準備。

ここは干潮の時には砂州が伸び、晴れていれば最高の景色なのだが、残念ながら今日は曇り。
上陸すると、いつものように浜を散策。 良さげなクッションを見つけ、さっそくキッチンにセット。

今日のお昼ご飯は、カップラーメン『さっぽろ一番、塩ラーメン』
久し振りに引っ張り出してきた、イワタニのジュニアバーナーでお湯を沸かし、カップに注いで3分待つ。

『いただきまーす!』
芸予諸島の海を眼の前にしたこのロケーションで、しかも冬のツーリングで暖かいラーメンである。 不味い訳が無い!
麺をズルズルズルリ。 『あー、うまい』 スープをゴクゴクゴクリ。 『温まるなあ』
『ごちそうさまでした』
食事を終えると、カヤックに乗り込み出艇した浜に戻る。

『いやあ、なかなか楽しいツーリングであったなあ』
***
シーカヤックをカートップし、カヤックと道具、ドライスーツを潮抜きすると、着替えて温泉へ。

ここからは、先日サドルを入れ替えて整備もしたMTBに。
シート周りがスッキリとして良い感じ。

ヘルメットを冠り、グローブを嵌めて、海沿いの道をエッチラオッチラ漕ぎ進む。
今日は、ペダリングも快調で好い感じ。

結局1時間ほど自転車で汗を流し、楽しんだ。
『ああ、楽しかった。 ほんま、ええ運動になったなあ』
その後は温泉にゆっくりと浸かり、サウナでタップリ汗を流し、ダイエットもほぼ目標値達成が目前に。

1時間ほど温泉施設でのんびりまったり過ごし、クルマに戻ると雨が落ち始めた。
『おお、ちょうどええ時間にカヤック&バイクを楽しんだなあ』
風が強いこの次期は、海に出られるチャンスをしっかりと楽しむ事がポイントであり、この1月はなかなか良い感じ。
『さあ、明日は何して楽しもうか?』