あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

瀬戸内シーカヤック日記: ロードスターで行く山陰堪能ツーリング_足立美術館、大山&日本海の幸

2010年10月24日 | 旅するロードスター/アテンザ
2010年10月23日(土) この週末は、シーカヤックツーリングは一休みして、妻と二人で山陰へドライブ旅行。 天気予報では、日曜日は残念ながら曇り~雨だが、土曜日はなんとか晴れそうだ。 ということで、季節も良い事ではあるし、今回はロードスターでのオープンドライブ!

まだ暗い5時半過ぎ。 ロードスターの幌を下ろし、クルマの少ない国道を駆け抜ける。 明るくなった頃、まだ紅葉が始まったばかりの中国山地のドライブを堪能し、最初の目的地である『足立美術館』に到着した。
 
***
今回の最大の目的が、ここ足立美術館である。 訪問するのは2度目だが、最初に訪れたのはもう20年ほど前だろうか。 そして、その時も妻と一緒であったなあ。
 
さすがに当時の記憶は定かではないが、建物が立派になり、お客さんもかなり増えているようだ。
 
なんとか晴れ間が覗き、広い敷地内を歩きながら、美しい庭園を堪能させていただく。
 
さすがに美しい庭園として知られているだけの事はある。 料金は高めではあるが、時にはここを訪れて、美しい庭の景色を静かに楽しむのは悪くないなあ。

その後、横山大観の画と、魯山人の器を見学。 素人の私でも魯山人の器には魅力を感じるし、なによりパネルに記されていた魯山人の語録が興味深い。
 
二十代の頃に訪れたときと、四十半ばを過ぎて訪れた今回では、心に残る印象の深さが全く違うようだ。 やはりそれが、歳を重ねるという事なのであろう。
***
『さて、まだ昼前だ。 次はどこ行こう?』 『明日は天気が下り坂っていうから、今日のうちに景色を楽しめるところへ行ってみようよ』
そう、シーカヤックの海旅と一緒で、さすがに泊まるところは決めているが、それ以外は風の吹くまま気の向くまま。 フラリ風来坊の旅のスタイルは変わらない。
『ようし、じゃあ大山へ行ってみるか』

これまた数年振りとなる大山訪問。

大山へ登る途中のカフェで、日本海を眺めながら、おいしいランチとコーヒーを楽しむ。 のんびりまったり。
***
幌を下ろしたロードスターで、大山の森を抜けるワインディングロードを堪能。 うん、これぞライトウエイトスポーツの一番おいしいシーンである。
 
なんとか空模様も味方してくれ、様々なスポットで大山の絶景を楽しむことができた。
 
紅葉はまだ始まったばかりだが、来て良かった!
***
大山を降りると、美保関へ。

夕暮れ時の海沿いオープンドライブもまた乙なもの。
 
灯台の回りの展望台や遊歩道をそぞろ歩き。

夕暮れ時で人気もまばらな中、厳かな雰囲気の美保関神社に参拝し、青石畳通りを散策。
 
***
予約していた民宿に入り、楽しみにしていた晩ご飯。 この民宿は、夕食に海の幸がたっぷりと供され、それでも一泊二食で一人8千円弱というリーズナブルなプライスで大人気の宿。 今回初めて泊まるのだが、1ヶ月後の予約でないと、週末は空きがなかったほどである。
 
『これ、食べきれるかなあ?』 『ゆっくり食べればいいんじゃない。 なんとかなるよ』
生ビールを飲みながら、おいしい日本海の海の幸をたっぷり堪能。 1時間ちょっと掛けて、豪華な夕食をゆっくりといただくことができた。
『あー、おいしかった。 ごちそうさまでした!』 満足満足。

夕食は一般のお客さんに混じって食堂で食べるのだが、地元の家族連れも大勢来店しており、観光客向けの『なんちゃって海鮮料理』ではなく、地元の人たちも通うほどおいしく、かつリーズナブルな食堂/民宿であることが分かる。
うん、また良い宿を見つけたなあ!!!
***
2010年10月24日(日) 朝食を食べていると、予報通り雨が落ちはじめた。 『今日は観光はなしだな。 出雲蕎麦を食べて、温泉入って、広島に戻ろう』

10時に、お気に入りの『ラムネ温泉』へ到着。 浴場へ入ると、既に一人の先客が。
湯船に浸かると、『どこから?』と話し掛けられた。 『広島からなんですが、昨日は足立美術館と大山に行って、美保関近くで泊まったんですよ。 その帰りです』
『ほー、大山。 キノコ狩り?』 『いいえ、景色を見に行っただけです』 そこから会話が始まった。 どうやらこの方は、キノコ狩りが趣味のようだ。
『今年は変な気候でしたが、ようやく松茸が豊作になったいうてニュースになってましたね』 『そうやね。 でもわしは松茸はあまり好きじゃない。 まああれば採るが、舞茸と香茸がメインよ』

『秋になったら、いろいろな山に行きよる。 でもキノコも減って、もう何年もしたら、キノコ狩りはできんようになるんじゃないかのう』
『毒キノコ? そりゃああるよ。 まあ、舞茸や香茸は分かり易いけどの。 毒キノコは、飲み込んだらいけんが、まずはちょっとだけ噛んでみるんよ。 毒キノコじゃったら、舌にピリッと刺激がくる。 そこで吐き出したら大丈夫』

『わしらは、毒キノコを食べる会も作っとる。 <毒なば会>いうての』 私は笑いながら、『そりゃあ酔狂ですね!』

するとおっちゃんも笑いながら、『そう、まさに酔狂よ。 みんなわしらと同じくらいの歳、60代ばかり。 いろいろなキノコを採ってきて、その中から毒キノコだけを選んで、別の鍋をつくるんよ。 そして、舌にピリッと来る感じを楽しむんじゃなあ』

『それって、フグの肝を食べる人が居るんと一緒ですか?』 『いやあ、フグは怖い。 ホンマに死ぬからのう。 わしらは、ピリッと来るんを楽しむだけ』
『でも、歳とって体力が落ちると毒が効くようになるから、いつまで続けられるやら』 『ほんま酔狂ですね!』
***

『らむね温泉』の後は、出雲蕎麦の『一福』さんへ。 今日は久し振りに、温かい天婦羅蕎麦をいただいた。

帰りには広島市内のデパートに立ち寄り、『広島いけばな 代表作家展』へ。
 
今回、妻がお世話になっており、かつては次男も教わっていた先生が、作品を展示されているのである。
 
ゆっくりと様々な流派のいけばなを拝見させていただき、先生にご挨拶。 いろいろと大変だったという今回の準備についてお話を伺った。
さすがに広島の代表作家展。 各流派の代表が、名誉をかけ、いい意味で競い合って、凛と引き締まった空気感が感じられた。 これぞまさに切磋琢磨。
足立美術館の庭園も良かったが、このいけばな展からも、とても良い刺激を受けた。

やはり、様々な良いものを見て、いろいろな経験を積む事は大事だなあ。 その一つ一つが自分の血となり肉となるのだ。
***
秋の山陰オープンドライブ。 美しい庭園に、大山の絶景。 日本海の海の幸と、温泉、出雲蕎麦。 そして〆は、いけばな代表作家展。
うん、またまた良い週末であった。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 瀬戸内シーカヤック日記: ... | トップ | 瀬戸内シーカヤック日記: ... »
最新の画像もっと見る

旅するロードスター/アテンザ」カテゴリの最新記事