ここ数週間ほど、週末に風が強くなるサイクルが続いており、残念ながらこの週末も、どうやら海に出るのは諦めた方が良さそうな気配。。。
うーん、さすがにこんな週末が続くと、外で遊びたい虫が疼く。 『今週末は出掛けてくるわ。 あんた、土曜の夜は飲みやったよなあ。 悪いけど、前から気になっとる宿があるけえ、ちょっと遊んでくるけん』
という訳で、金曜日の夜にネットで宿を予約。 『さて、どんな週末になるのだろうか?』 楽しみだ!
***
2012年3月31日(土) 朝起きると結構な雨量。 雨が降っていなかった昨日の夜のうちに、MTBをカートップしておいたのは正解だったようだ。
『じゃあ行ってくるけえ』 『はい、気をつけて』
まだ朝早いので道も混んでおらず、夕方宿に入るまでは今回初めて立ち寄る温泉以外には特に予定も決めていないので、一般道を走って中国山地を越えていく。 途中の山越えでは、雨から次第に霰(あられ)に変わり、海沿いとは季節が違う事を実感させられる。
まずは今日の最初の目的地である『美又温泉』へ。 温泉の泉質は、ヌルリとしたアルカリ泉が好きなのだが、さすがに一の俣や俵山は遠いので今回は諦め、ネットで島根のアルカリ泉を探したところ見つけたのがここの温泉。
静かにゆっくりと入りたかったので、公衆浴場である『温泉会館』へ。 入浴料金は250円。 『こりゃあ、安っすいなあ』
浴場には、L字型の浴槽が一つ。 体を流して入ると、『あ、アルカリ泉や』 期待通りのヌルリ感である。
お客さんは少ないが、ほとんどが地元の方のようだ。 割と短時間で入れ替わり立ち替わりし、常時2人から3人でゆったりと過ごす事が出来る。
温泉会館で1時間ほど過ごすと、体が芯から温まっているようで、なかなか汗が止まらない。 『ああ、ええお湯やった。 今度はぜひ、妻も一緒に連れてきてやろう』
***
久し振りに日本海が見たくなり、クルマで北上。
山でも風は強かったのだが、海沿いは突風といっても良いくらい。
海沿いにクルマを停め、高い防波堤に上がって見ると、大荒れの日本海。
それでも、久し振りとなる日本海の景色と波のエネルギーを、しばし堪能。
***
浜田市内で少し遅めのお昼ご飯を食べ、宿に向かうために再び中国山地方面へ。
途中のスキー場には、まだ雪が多く残っており、春とは思えない景色が広がっている。
午後4時半前、今日の宿に到着。 お世話になるのは、『あるぺん屋』さんである。
挨拶して部屋に案内していただいた。 今日は、景色の良い部屋を準備していただいたのだそうだ。 この気遣いが嬉しいな。
窓から見えるのは、八幡高原と臥龍山 。
『じゃあ、ちょっとだけ漕いできます』 『日が傾くと急に寒くなりますから』 『はい、軽く漕ぐだけにしときます。 ちょっと漕げば気が済むんですよ』
ラックから自転車を降ろし、ワッチキャップにサングラス、グローブを装着して出発。 4月になるというのに、まさかここまで寒いとは思っていなかったので、防寒対策はちょっと心配である。
クルマも通らず、人の気配もない、路肩には雪が残る山道を、えっちらおっちらとペダルを踏み、ゆっくりと登って行く。
冬から春に移り変わる、静かで美しい八幡高原や湿原の景色を堪能。
さて、そろそろ戻ろうか。 帰りは快適な下り。 1時間弱ほどサイクリングを楽しんで、宿に戻ってきた。
『帰りました。 お風呂、お借りします』
風呂から上がると、本棚にあった一冊を借り、晩ご飯まで部屋にゴロリと横になって、『キッチン(吉本ばなな)』を開く。
以前ヒットしたのは知っているが、読むのは初めて。 うん、これは以外と面白い。 食わず嫌いだったなあ。
6時半前。 『準備、できましたよ』との声で、食堂へ。
おいしそうな夕食である。 『じゃあ、まずビール下さい』
暖炉を背に、『グビリ』と冷えたビールを飲む。 チーズや、後から出てきた揚げ餃子は、なんと自家製なのだとか。
おいしい料理を堪能し、ビールをグビリ。 ビールがなくなると、普段なら『もう一本お願いします』なのだが、ここは『あるぺん屋』
この宿の名物は、知る人ぞ知る『どぶろく』である。 これを飲むために、今日はこの宿に来たのだ。
『じゃあ、どぶろくをいただきたいですが、どんなサイズがあるんですか?』 『グラスでもいいし、瓶一本でも』
『じゃあ、瓶でお願いします』
***
まずは一杯。 『お、これは美味いですねえ』 美味い料理をいただき、旨いどぶろくを飲みながら、ご主人と四方山話。
趣味がシーカヤックなのだが、風が強くで海に出られない週末が続いているので、数年前にチラシを見て気になっていたこの宿に泊まりにきた事をお話しする。
『私も、カヌーを造って乗っていたことがあるんですよ』 『え、そうなんですか』
『型に薄い木の板を貼って留め、FRPで表面を強化したんです。 それで、冬の聖湖に浮かんで。 一日遊んでも飽きなかったな』
その後も、八幡高原の自然の話や、スキー場の事、どぶろくの話などなど。
最近は、スキーやスノーボードのお客さんも減って、閉めるスキー場も出てきつつあるのだとか。 スノーボードなどに興味を持つ若い人が減っているのだろうとの事。 『そうですよね。 それに最近の若い人は、あまり酒も飲まないらしいですし』と私。
どぶろくは、特区申請して免許を取得し、自分達で米も育ててどぶろくを製造されているのだとか。 『始めたのは5、6年前かな。 米から作らないと特区の申請が通らないんですよ』 『今、どぶろくを造る免許を持っているところは、全国で100位ですかね。 広島県ではもう一ヶ所』
どぶろくは、韓国のマッコリと兄弟分だが、マッコリは基本的に麦が原料なので栄養分に限界があり、アルコール度数があまり上がらないのだとか。 とは言え、どぶろくも度数を上げすぎると旨味成分がアルコールに変わってしまい、おいしさが失われるので、ちょうど良い度数でコントロールされているそうだ。
『うちは、火入れをしていないんですよ。 一度火を入れると、もう炭酸は出て来ないですからね』 『でもそうなると、安定して流通させるのが難しいんじゃなおですか?』 『そう、だからうちは、産直市とかには出してるんですが、普通の酒屋さんには卸してないんです。 よほどちゃんと温度管理してくれるお店でないと難しい』 『なるほど』
そして様々なところから、どぶろく製造方法を教えてほしいと調べに来るのだとか。 でも、基本的に秘密にせず、公開されているのだとの事。 これも驚きである。
いろいろとお話を伺っていたら、『実は、今日の夜は友人が来るんですよ。 時々遊びに来ては、どぶろくを一緒に飲むんです』との事。 『それは楽しみですね』
***
食事をいただき、ご主人や奥さんとの会話を楽しみ、どぶろくを堪能していると、一人の方が入って来られた。 どうやら、この方がご友人のようだ。
別のテーブルで飲み始められたが、途中で『こちらに来られませんか』と誘っていただき、『じゃあ、遠慮なく』という事で、どぶろくとカップを持ってテーブルを移動した。
その方は、70過ぎとの事だが、キャンピングカーのお店をやっておられ、他にも様々な地域興しの活動もされているとか。
『先ほど、ご主人から伺いましたが、旧車がお好きなんだとか』 『ええ、昔の三輪トラックとか、乗用車とか大好きで、自分で整備して動かせる状態で保管しているんです』との事。
また、この方も自作のカヌーで遊んでおられた事があったり、キャンプ場を整備されてキャンピングカーのお客さん達と遊べるように整備したり、マリーナ関係の知り合いや、周防大島でシーカヤックガイドをやっている方とお知り合いだったりで、とても多趣味で面白い方であった。
『もう、こうなったら病気やね。 治らんわ』 『そうそう、止められるくらいなら、最初からやらないですよね。 一度きりの人生、たっぷり楽しみましょうよ』
それにしても、まさかこんな所で、宮島の裏の景色や雰囲気の話題で盛り上がるとは思ってもいなかった。
どぶろくを傾けながら、共通の関心事である地域の活性化について盛り上がる。 私からは、大崎上島での『旅する櫂伝馬プロジェクト』の話題を提供すると、奥さんは『それ、この前テレビで見た様な気がします』との事。
その後も、ご主人やご友人が取り組まれている様々な地域興し活動の事や、そこでの苦労話、日本の将来についての話で盛り上がり、気が付くともう9時半。
6時半から開始した夕食が、いつの間にやら3時間。 おいしい食事とどぶろく、そしてご主人、奥さん、ご友人という、なんとなく共通する匂いのするメンバーの集まりで心底楽しみ、あっという間の3時間であった。 『じゃあ、そろそろ寝ます。 本当にごちそうさまでした』
今回の旅でも、またまたお気に入りの宿を見つけることができた。 なんだか良い縁に恵まれているなあ。
『じゃあ、おやすみなさい』
***
2012年4月1日(日) 朝起きると、外は小雪が舞っている。
朝食をいただき、コーヒーをゆっくりといただいて、その間もご主人、奥さんと八幡高原や瀬戸内の島々についての会話を楽しむ。
『もう、聖湖の周りの道路は雪がないから、自転車漕ぐには良いですよ』とのアドバイスをいただいた。 『ごちそうさまでした。 じゃあ、片付けたら聖湖に行ってみます』
帰りには、奥さんから妻へのお土産もいただき、感謝感謝。 『本当にお世話になりました。 次は、ぜひ妻も一緒に伺います』 『是非奥さんと一緒に来てください』
しばしクルマを走らせて、聖湖湖畔へ。 クルマを停めてMTBを降ろし、ペダルを漕ぎ出した。 外気温は1℃。 時折日が射すが、風も強く空気も冷たい。
人も居らず、クルマも通らない。 まだ冬の雰囲気がたっぷりと残る聖湖湖畔は、快適なサイクリングロード。
しかし、30分も走っていると、指先が痛くなってくる。 気温が低いのでサイクリンググローブは諦め、革手袋にしたのだが、さすがに指先の防寒対策は不十分なようだ。 『よし、クルマに戻るとしよう』
クルマに戻り、MTBをカートップしてエンジンをかけ、ヒーターを入れるとホッとする。
途中、深入山の景色も楽しみ、女鹿平温泉でサイクリングの汗と疲れを流して、今回の旅は終了。
美又温泉も良かったし、久し振りの日本海もエネルギッシュだった。 そして、昨日も今日も、雪景色の中でサイクリングを楽しめたのは、貴重な経験だったなあ。なにより、前から気になっていた宿は最高に良かったし、本当に良い週末だった。
今日から新しい期が始まるが、なんだか良い一年になりそうな予感。 『あるぺん屋』さん、本当にお世話になりました。 また是非、遊びに行きます!
うーん、さすがにこんな週末が続くと、外で遊びたい虫が疼く。 『今週末は出掛けてくるわ。 あんた、土曜の夜は飲みやったよなあ。 悪いけど、前から気になっとる宿があるけえ、ちょっと遊んでくるけん』
という訳で、金曜日の夜にネットで宿を予約。 『さて、どんな週末になるのだろうか?』 楽しみだ!
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2012年3月31日(土) 朝起きると結構な雨量。 雨が降っていなかった昨日の夜のうちに、MTBをカートップしておいたのは正解だったようだ。
『じゃあ行ってくるけえ』 『はい、気をつけて』
まだ朝早いので道も混んでおらず、夕方宿に入るまでは今回初めて立ち寄る温泉以外には特に予定も決めていないので、一般道を走って中国山地を越えていく。 途中の山越えでは、雨から次第に霰(あられ)に変わり、海沿いとは季節が違う事を実感させられる。
まずは今日の最初の目的地である『美又温泉』へ。 温泉の泉質は、ヌルリとしたアルカリ泉が好きなのだが、さすがに一の俣や俵山は遠いので今回は諦め、ネットで島根のアルカリ泉を探したところ見つけたのがここの温泉。
静かにゆっくりと入りたかったので、公衆浴場である『温泉会館』へ。 入浴料金は250円。 『こりゃあ、安っすいなあ』
浴場には、L字型の浴槽が一つ。 体を流して入ると、『あ、アルカリ泉や』 期待通りのヌルリ感である。
お客さんは少ないが、ほとんどが地元の方のようだ。 割と短時間で入れ替わり立ち替わりし、常時2人から3人でゆったりと過ごす事が出来る。
温泉会館で1時間ほど過ごすと、体が芯から温まっているようで、なかなか汗が止まらない。 『ああ、ええお湯やった。 今度はぜひ、妻も一緒に連れてきてやろう』
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久し振りに日本海が見たくなり、クルマで北上。
山でも風は強かったのだが、海沿いは突風といっても良いくらい。
海沿いにクルマを停め、高い防波堤に上がって見ると、大荒れの日本海。
それでも、久し振りとなる日本海の景色と波のエネルギーを、しばし堪能。
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浜田市内で少し遅めのお昼ご飯を食べ、宿に向かうために再び中国山地方面へ。
途中のスキー場には、まだ雪が多く残っており、春とは思えない景色が広がっている。
午後4時半前、今日の宿に到着。 お世話になるのは、『あるぺん屋』さんである。
挨拶して部屋に案内していただいた。 今日は、景色の良い部屋を準備していただいたのだそうだ。 この気遣いが嬉しいな。
窓から見えるのは、八幡高原と臥龍山 。
『じゃあ、ちょっとだけ漕いできます』 『日が傾くと急に寒くなりますから』 『はい、軽く漕ぐだけにしときます。 ちょっと漕げば気が済むんですよ』
ラックから自転車を降ろし、ワッチキャップにサングラス、グローブを装着して出発。 4月になるというのに、まさかここまで寒いとは思っていなかったので、防寒対策はちょっと心配である。
クルマも通らず、人の気配もない、路肩には雪が残る山道を、えっちらおっちらとペダルを踏み、ゆっくりと登って行く。
冬から春に移り変わる、静かで美しい八幡高原や湿原の景色を堪能。
さて、そろそろ戻ろうか。 帰りは快適な下り。 1時間弱ほどサイクリングを楽しんで、宿に戻ってきた。
『帰りました。 お風呂、お借りします』
風呂から上がると、本棚にあった一冊を借り、晩ご飯まで部屋にゴロリと横になって、『キッチン(吉本ばなな)』を開く。
以前ヒットしたのは知っているが、読むのは初めて。 うん、これは以外と面白い。 食わず嫌いだったなあ。
6時半前。 『準備、できましたよ』との声で、食堂へ。
おいしそうな夕食である。 『じゃあ、まずビール下さい』
暖炉を背に、『グビリ』と冷えたビールを飲む。 チーズや、後から出てきた揚げ餃子は、なんと自家製なのだとか。
おいしい料理を堪能し、ビールをグビリ。 ビールがなくなると、普段なら『もう一本お願いします』なのだが、ここは『あるぺん屋』
この宿の名物は、知る人ぞ知る『どぶろく』である。 これを飲むために、今日はこの宿に来たのだ。
『じゃあ、どぶろくをいただきたいですが、どんなサイズがあるんですか?』 『グラスでもいいし、瓶一本でも』
『じゃあ、瓶でお願いします』
***
まずは一杯。 『お、これは美味いですねえ』 美味い料理をいただき、旨いどぶろくを飲みながら、ご主人と四方山話。
趣味がシーカヤックなのだが、風が強くで海に出られない週末が続いているので、数年前にチラシを見て気になっていたこの宿に泊まりにきた事をお話しする。
『私も、カヌーを造って乗っていたことがあるんですよ』 『え、そうなんですか』
『型に薄い木の板を貼って留め、FRPで表面を強化したんです。 それで、冬の聖湖に浮かんで。 一日遊んでも飽きなかったな』
その後も、八幡高原の自然の話や、スキー場の事、どぶろくの話などなど。
最近は、スキーやスノーボードのお客さんも減って、閉めるスキー場も出てきつつあるのだとか。 スノーボードなどに興味を持つ若い人が減っているのだろうとの事。 『そうですよね。 それに最近の若い人は、あまり酒も飲まないらしいですし』と私。
どぶろくは、特区申請して免許を取得し、自分達で米も育ててどぶろくを製造されているのだとか。 『始めたのは5、6年前かな。 米から作らないと特区の申請が通らないんですよ』 『今、どぶろくを造る免許を持っているところは、全国で100位ですかね。 広島県ではもう一ヶ所』
どぶろくは、韓国のマッコリと兄弟分だが、マッコリは基本的に麦が原料なので栄養分に限界があり、アルコール度数があまり上がらないのだとか。 とは言え、どぶろくも度数を上げすぎると旨味成分がアルコールに変わってしまい、おいしさが失われるので、ちょうど良い度数でコントロールされているそうだ。
『うちは、火入れをしていないんですよ。 一度火を入れると、もう炭酸は出て来ないですからね』 『でもそうなると、安定して流通させるのが難しいんじゃなおですか?』 『そう、だからうちは、産直市とかには出してるんですが、普通の酒屋さんには卸してないんです。 よほどちゃんと温度管理してくれるお店でないと難しい』 『なるほど』
そして様々なところから、どぶろく製造方法を教えてほしいと調べに来るのだとか。 でも、基本的に秘密にせず、公開されているのだとの事。 これも驚きである。
いろいろとお話を伺っていたら、『実は、今日の夜は友人が来るんですよ。 時々遊びに来ては、どぶろくを一緒に飲むんです』との事。 『それは楽しみですね』
***
食事をいただき、ご主人や奥さんとの会話を楽しみ、どぶろくを堪能していると、一人の方が入って来られた。 どうやら、この方がご友人のようだ。
別のテーブルで飲み始められたが、途中で『こちらに来られませんか』と誘っていただき、『じゃあ、遠慮なく』という事で、どぶろくとカップを持ってテーブルを移動した。
その方は、70過ぎとの事だが、キャンピングカーのお店をやっておられ、他にも様々な地域興しの活動もされているとか。
『先ほど、ご主人から伺いましたが、旧車がお好きなんだとか』 『ええ、昔の三輪トラックとか、乗用車とか大好きで、自分で整備して動かせる状態で保管しているんです』との事。
また、この方も自作のカヌーで遊んでおられた事があったり、キャンプ場を整備されてキャンピングカーのお客さん達と遊べるように整備したり、マリーナ関係の知り合いや、周防大島でシーカヤックガイドをやっている方とお知り合いだったりで、とても多趣味で面白い方であった。
『もう、こうなったら病気やね。 治らんわ』 『そうそう、止められるくらいなら、最初からやらないですよね。 一度きりの人生、たっぷり楽しみましょうよ』
それにしても、まさかこんな所で、宮島の裏の景色や雰囲気の話題で盛り上がるとは思ってもいなかった。
どぶろくを傾けながら、共通の関心事である地域の活性化について盛り上がる。 私からは、大崎上島での『旅する櫂伝馬プロジェクト』の話題を提供すると、奥さんは『それ、この前テレビで見た様な気がします』との事。
その後も、ご主人やご友人が取り組まれている様々な地域興し活動の事や、そこでの苦労話、日本の将来についての話で盛り上がり、気が付くともう9時半。
6時半から開始した夕食が、いつの間にやら3時間。 おいしい食事とどぶろく、そしてご主人、奥さん、ご友人という、なんとなく共通する匂いのするメンバーの集まりで心底楽しみ、あっという間の3時間であった。 『じゃあ、そろそろ寝ます。 本当にごちそうさまでした』
今回の旅でも、またまたお気に入りの宿を見つけることができた。 なんだか良い縁に恵まれているなあ。
『じゃあ、おやすみなさい』
***
2012年4月1日(日) 朝起きると、外は小雪が舞っている。
朝食をいただき、コーヒーをゆっくりといただいて、その間もご主人、奥さんと八幡高原や瀬戸内の島々についての会話を楽しむ。
『もう、聖湖の周りの道路は雪がないから、自転車漕ぐには良いですよ』とのアドバイスをいただいた。 『ごちそうさまでした。 じゃあ、片付けたら聖湖に行ってみます』
帰りには、奥さんから妻へのお土産もいただき、感謝感謝。 『本当にお世話になりました。 次は、ぜひ妻も一緒に伺います』 『是非奥さんと一緒に来てください』
しばしクルマを走らせて、聖湖湖畔へ。 クルマを停めてMTBを降ろし、ペダルを漕ぎ出した。 外気温は1℃。 時折日が射すが、風も強く空気も冷たい。
人も居らず、クルマも通らない。 まだ冬の雰囲気がたっぷりと残る聖湖湖畔は、快適なサイクリングロード。
しかし、30分も走っていると、指先が痛くなってくる。 気温が低いのでサイクリンググローブは諦め、革手袋にしたのだが、さすがに指先の防寒対策は不十分なようだ。 『よし、クルマに戻るとしよう』
クルマに戻り、MTBをカートップしてエンジンをかけ、ヒーターを入れるとホッとする。
途中、深入山の景色も楽しみ、女鹿平温泉でサイクリングの汗と疲れを流して、今回の旅は終了。
美又温泉も良かったし、久し振りの日本海もエネルギッシュだった。 そして、昨日も今日も、雪景色の中でサイクリングを楽しめたのは、貴重な経験だったなあ。なにより、前から気になっていた宿は最高に良かったし、本当に良い週末だった。
今日から新しい期が始まるが、なんだか良い一年になりそうな予感。 『あるぺん屋』さん、本当にお世話になりました。 また是非、遊びに行きます!