リタイアして大きく変わることは、すべて自分でやらなくては誰もやってくれないということだ。現役の時は、毎日出勤し、決められた時間には仕事をこなし、時にはやりたくない仕事もしなければならない。多少の判断はあるものの、大方決められたとおりにやらねばならない。税金の納付や申告など、ほとんどのことはやってくれるし、健康診断だっていついつ受けなさいと言われる。あたりまえだが、リタイア後はこれらすべて、自分でしなければならない。そこではたと気付いた。会社勤めってけっこう受け身だったのだと。今一日をどのように過ごすか自分自身にかかっている。
3月にリタイアしてから、時間に余裕ができた。予定が何もない日は、中国語の勉強をしたり、プールへ行ったりして過ごしている。平日のプールは人が少ないかと思うと、さにあらず、大勢の高齢者で賑わっている。以前より多くなったと感じる。まさに高齢化社会を反映している。もっと彼女らの活躍の場があれば、高齢化社会に向けての解決策の一つになるのではないかと思う。
キッスフィッシュはテレビで見たことがある。足をつけると角質を食べてくれるという魚だ。一度やってみたいと思っていたので湯布院でトライした。最初は不思議な感覚で思わず声をあげたが、しばらくすると慣れてきた。終わってみると気のせいかきれいになった気がした。
十数年ぶりに湯布院へ行った。街中はずいぶんと様変わりしていて、以前の印象とは全く違っていた。湯布院の良い所は別府と違い、大規模旅館が少なく、従って団体旅行客の宿泊が少ない。それ故、夜になると静かな街に変身する。宿泊したしたホテルは、古民家を改造した建物で最大8組しか泊まれない。大通りから一つ入った通りにあるので、夜はもちろん昼間も比較的静かで、のんびり温泉気分を満喫した。この山間の街にはもう秋が訪れていた。