済南市の夜、繁華街を一つ入った所にある芙蓉街、休日とあって一際賑やか。いわゆる小吃を売るお店がズラリと並んでいて見て歩くのも楽しい。中でも済南名物と書いてあって、いたるところで見かけた“叫花鸡”ハスの葉に包んだ鶏の蒸焼き、美味しそうだ。夕食の直後だったので、食べなかったのが少し心残りである。
青島空港から市内のホテルまでは、丁度夕方のラッシュ時になったこともあり、ひどい渋滞だった。地下鉄は建設中で、まだ北部の方しか開設されていない。タクシーの運転手さんの"打表"という意味が直ぐには理解できず、暫くしてタクシーメーターを下ろすということだと気がついた。その後青島滞在中に乗ったタクシーの多くは、中秋の連休中ということもあって、メーターを倒さず、行先によって金額を設定していた。ホテルは中心街にあり、少し歩くと沢山の店が立ち並ぶ飲食街があった。店の外にはテーブルと椅子が置いてあり、皆そこでワイワイやっている。串焼きの匂いが食欲を誘う。
済南市は街中の至る所に泉水があり、生活用水として使っている人々もいた。72箇所の泉水には名前が付いており、廻るのも楽しい。その一つ濯缨泉では、沢山の人が水泳を楽しんでいた。地下水なので水温が18度と一定しており、季節を問わず、水泳を楽しむ人が絶えないそうだ。大きな道路の路地を一つ入ると、こんな風景を見ることができる。
今回訪ねて行った済南市の友人は夫婦共に大学教授である。ご主人とは初対面だったが、2日間私達に付き合って案内してくれた。中国人は夫婦別姓なので、ご主人の姓が孔さんだと初めて知った。孔子廟に行った時、「同じ名前ですね」と言うと、彼は孔子の子孫で75代目になるというので驚いた。済南市の近くには孔子の故郷曲阜がある。その彼からお茶屋さんでプーアル茶を淹れてもらった。中国人は皆普段中国茶を飲んでいるのかと思ったら、そうではない。レストランでもまず出てくるのはお湯であり、お茶が飲みたかったら、茶葉を注文しなければならない。友人もお茶を飲む習慣はなく、普段はお湯を飲むと言っていた。プーアル茶はダイエットに効果があり、血圧も下げる効果がある。夫が血圧が高いと言ったら、孔さんがプーアル茶をプレゼントしてくれた。高価な茶葉だというのを知っていたので、何度も固辞したが、最後には有り難く頂くことになった。お茶だけでなく滞在中の食事など一切私達に支払わせてくれなかった。中国人はとても面子を大事にすることを知っていたので甘えることにしたが、恐縮しっぱなしだった。
迎賓館から少し行くと信号山公園がある。小高い山でここに登れば青島の美しい街並みが俯瞰できる。中秋の3連休も終わったので、観光客はそれほど多くない。入場料金もシルバー5元と安く、塔に登ると360度ゆっくりと回転する展望台があり、市内が見渡せる。オススメのスポットだ。