習近平政権が腐敗社会にメスを入れ始めて以来、多くの人が検挙されたが、このところ2件続いてニュースになった。その収賄額は半端ではない。数億元の現金や不動産、使いきれない財産だ。どちらも家の中に現金を保管していたという。一般人にもまだワイロいわゆる付け届けは当たり前という感覚がある。この国が成熟するまでにはまだまだ時間がかかりそうだ。
北京でAPECが開催された。そのため中国政府は工場や学校など6日間を休みにした。ここ数日の北京の街は大気汚染がひどかったが、工場の一時操業停止で青空が戻った。北京人はこれをAPECの青空と言う。私が北京にいた時は夏だったので、今ほどひどくはなく、時折青空も見えていたが、やはり空気は決して良いとは言えず、マスクが欠かせなかった。大気汚染の問題、食の安全性の問題、習近平政権の課題は山積だな。
北京では胡同のバックパッカーが宿泊する安い宿に滞在した。家庭的な雰囲気でオーナーは英語が堪能なため欧米人の宿泊客も多かった。食堂があり、ここで食事することもできたが近くには数多くの飲食店が建ち並んでおり、少し高めの料金設定のここで食事する宿泊客はほとんどいなかった。毎日夕方になると人の良さそうな従業員のオバサンたちが三人でやってくる。一人はゴミを回収し、もう一人はシャワー室の掃除と歯ブラシやタオルなどの補充、もう一人はたぶん鍵を持っていたので責任者か?ホテルの入口はせまく、フロントを通らなければ部屋には行けないので、ここにはセーフティボックスなどはなかったが、ホテル内は思いの他安全だった。私が使っていた部屋は、連泊するのでオーナーが気を利かせてダブルの部屋にしてくれていて、彼女たちは私が一人で宿泊していることは知っていたが、タオルなどのアメニティグッズは必ず二つずつ用意されていた。当然シャンプーやリンスも備えられていたが、私は日本から持ってきていた物を使っていた。しかし何分北京の水は硬水のため髪はパキパキになった。ある日のこと、シャワーを浴びて髪も洗い、疲れていたので髪を乾かさずにそのままバスタオルを敷いて寝てしまった。朝起きるとバスタオルに触れていた頬の部分がヒリヒリと痛んだ。なんと雑巾のような硬いバスタオルのためにちょうど擦り傷のようになっていたのだった。
小笠原諸島に二百隻以上の中国船が集まっているという。この地域にある良質のサンゴを手に入れようとする密漁船だ。密漁船というとこっそりというイメージだが、こうも多勢でおしかけられると何とも言いようがない。今中国ではこういう貴重な宝石類は高値で売れるという。拝金主義者たちにとっては危険を冒してでも取る価値はあるのだ。中国政府は自分の国で発生する犯罪には厳しく対処するが、海外でのこうした行為にはどういう訳か寛大だ。まさに中国の常識は世界の非常識である。台風20号が小笠原付近に近づいている。さぁ君たちどうする!?