北京では食べるヨーグルトがなかった。スーパーやコンビニで探したけど飲むヨーグルトしか置いてなかった。上海のスーパーには普通にあったけどな。この蜂蜜入りヨーグルトは店先で売られているのをよく見かける。瓶入りなので、その場で飲み瓶は回収される。
北京空港について、タクシー乗り場に向かっていると、一人の男が話しかけてきた。首にかけている身分証明書みたいなものを見せながら、「タクシーに乗るなら私の車に乗りなさい。空港の指定タクシーですよ」と話しかけてきた。私はタクシー乗り場から乗るからいいと断ったが彼はしつこくついてきた。無視してタクシー乗り場へ行き列に並んだ。順番が来てタクシーに乗ろうとしたら、又その男が現れ、何かしらタクシー運転手と話し、私に向かって私の車に乗りなさいと言う。タクシーの運転手も私に彼と行きなさいというジェスチャーをした。なぜ?と聞き返すと、白タクの男は自分なら早く確実にホテルに行ける。彼はホテルを見つけられないと言った。私はホテルの住所も地図も持っていたので、それを見せてそんなことはないと言ったが、タクシーの運転手はもう私を乗せる気がないようなそぶりをした。白タクの男にいくら?と聞くと、300元でいいよと言った。300元はきっと高いんだろなと思ったが、疲れていて早くホテルに行きたかったので受け入れるしかなかった。大きなスーツケースさえ持っていなかったら、係員の所へ戻り、抗議しただろう。そうして私はしぶしぶ彼の車に乗り、市内へ向かったのである。内心腹がたってはいたが、車の中ではあたりさわりのない話をしながら自分自身の気持ちを抑えていた。さすがに黒車(違法タクシー)だけあって、走ってはいけない車線を走らせ、渋滞の車に割り込みながら普通に行けば1時間はとうに超えるだろうと思われる路を1時間弱で市内にたどり着いた。ところがである、降りるときになって、今日は道が混んでいたからと言って400元要求してきた。これにはさすがに自分を抑えきれなかった。300元も払いたくなかったが、それは最初の約束だったので300元は支払って車を降りた。私の北京初日は、こうして始まったのである。このことが最後まで北京を好きになれない大きな理由だったかもしれない。