幕末に日本は西洋列強が接近して来るにつれて、独立を達成するには優れた西洋の技術や文化を取り入れ、文明開化する以外にないという思想が現れ、富岡製糸場など絹産業群が発展しました。
幾度かの戦争で科学技術は進歩し、やがて工業 化が進み、繊維産業から鉄鋼、造船、自動車産業などが発展し、文明の利器が発達する一方、衰えていく人間の脳や皮膚感覚を、どの様に保っていくか、意識せざるを得ない時代となりました。
私が育つ頃は、「夕焼けがきれいだから明日はいい天気になる」とか、「ツバメが低空を飛んでいるから雨が近い」などと、悠長な時代でしたが、今やテレビやインターネットを通じて、いつでも最新の天気予報を入手し、時間ごとの雨雲の動きなども知ることができ、随分便利になりました。
カーナビの付いた乗用車を運転することに慣れてしまい、久しぶりに軽トラックを運転して同じ目的地へ向かおうとしたら、道を間違えて行き止まりの所へ出てしまいました。カーナビは詳細な地図情報を内蔵していて、便利さに頼りすぎた結果、私の脳は道を覚えていなかったのです。
近頃、パソコンに頼りすぎているのか、手紙を自筆で書こうとしたら、漢字が思い 出せなく、紙の上では「漢字変換」が利かず、どうしても 思い出せなく、仕方なくスマホを取り出し「変換機能」を使うことに・・・・・。
漢字変換すれば、それほど難しい漢字ではなく、「なーんだ」と、自分にあきれる始末です。便利さと向き合う事とは、脳の活性化にはつながらないものだと思いました。
加齢による脳の変化はマイナス要因だけでなく、近年の研究で老化を抑制するプラス要因も存在するそうで、脳の一部は年齢を重ねても神経細胞が新たにつくられることや、外部からの刺激によって変化する力があるとのこと、時には便利な利器も使い方次第では・・・・。