賃金引き上げが行われた今春闘、物価がそろって値上がる好循環が続くと思いきや、このところの円安(26日・1ドル157円)で、サラリーマンや年金生活者は懐が寂しくなりそうです。
ひたすら働き続けるサラリーマンを、「働き蜂が支える日本経済」と、よく言われてきました。
人の働き方にはいろいろありますが、仕事があれば少人数で効率的に成果を出すことができます。ところが仕事が少なく数多くの人を抱えていれば非効率で、企業が「余剰人員」を削減する理由はそこにあります。人員削減が進む企業では「うつ病」などメンタル系の病気が増えているのも確かです。
コロナ禍で仕事が減り、人員を削減し効率を高めたところ、景気が戻って仕事が増え人員を増やし、安全や品質を軽視した結果、事故が続いて客足が減るなど、企業は人で成り立っていることを、思い知らされます。
短期的には一斉に働いた方が効率的ですが、それを続ければ全員が同時に疲れて、同時に動けなくなってしまいます。人数を絞って最小限で回転すれば、収益が上がり、フル回転すれば、病人が続出し、ミスも多くなるのは道理で、「ブラック企業」と呼ばれます。
働き蜂の生態は、「働かざるもの食うべからず」ですが、ハチの社会は明確に役割分担されていて、ある程度仕事が増えれば「働く蜂」と、イザという時でないと「働かない蜂」がいるようで、「女王蜂」は、オス、メスを産み分けることができ、蜂の世界は管理職の様な役目をする蜂はいなくても機能しているようです。
ここで私たち人間が学ばなければならないことは、蜂が疲れれば、次に反応する蜂が仕事にかかるという組織体制です。厳しい戒律があっても、効率的で組織の持続性が保たれ、「安全」が確保されているのです。