正月になるとお雑煮、おせち料理、おとそと日本の食文化に接します。和食のうち、生ものは保存に問題があり、日持ちさせるという技術が発達してから、料理の種類も増やすことができ、 特に魚などは昔から生で神様に奉げていましたから、正月に神様と共食するのには、保存が効くよう考えた「蒲鉾(かまぼこ)」は、素晴らしい料理の方法でした。
紅白の蒲鉾は、おめでたい色彩ですし、日本人が考えた料理で最高のものだと思います。チョッと塩味があって、味付けの要らない食べ物で、するめと違って、歯の悪い人でも難なく食べることができます。
「おせち料理」はもともと五節句の祝い料理すべてを言ったようですが、やがて最も重要とされる節句の正月料理を言うようになったそうです。
おせち料理の定番、黒豆、数の子は広く用いられます。近頃、テレビのコマーシャルのサンプルの重箱を見ると、肉類を入れた、まるでオードブルの様なものがあります。江戸時代に料理の文化として食べたお節料理が、現在では進化を遂げ、中華や西洋風など、他国籍の料理になろうとしています。
代表的な日本料理、スシも、魚を用いないで肉が載っていて驚くことがあるのですから、時代とともに食材が変化するのには逆らえません。
おせち料理は、地方によって食材が異なりますが、煮しめ、酢の物、焼き物の三種の方法を使って前もって準備し、正月中、雑煮以外は火を使わないのが基本のようです。
正月が来るのを待ち遠しく、指を数えた時代がありました。しかし、歳を重ねると正月は数えなくとも、アッという間に来ます。