今回の「壊れた夜空」を稽古していると(昨年も感じていたのですが)、伊丹十三製作・黒沢清監督の映画「スィートホーム」(1989)を思い出します。話の筋は全然違うのですが、「母」というキーワードだけ引っ掛かるのです(あくまで個人的感想)。
スィートホーム。私には一生縁のないものですな。未だに安らげる場所というものを得たことがないのです。たとえ得られても、ほんのひと時。経験がないわけではありません。長続きしないだけです。
それぞれの「思い」はそれぞれに暴走し、異世界の中で渾然一体になっていく。しかしそれは、どのような世界なのか。演劇的異世界というのは映画ほど親切ではないので、頭が固いとわけがわからなくなることがあります。他人の夢の話を聞ける人は、案外大丈夫かも。やわらか頭でボーっと観ましょう。
☆遊女に妖怪、工場長に民俗学者…なんて、こんなのがいっぺんに出てくるような芝居、他にはないよ~!