たまたま先週ブックオフで105円の文庫本をまとめ買いした。
その中の一冊が「ボケ老人の孤独な散歩」新藤兼人である。
赤坂、北青山、外苑など自分にも馴染んだ空気のエリアが登場
していて面白い。晩年の荷風についての性嗜好、市川から浅草
への日参暮らしを鋭利な監督的視点で考証する箇所には、何度
も笑いを誘われる。天麩羅が有名な「尾張屋」へ定刻きっかり
と同じ席に座る荷風、メニューは決まって「かしわ蕎麦」だ。
相当に体が弱っていて店の厠で大便の用を足している時に、ズ
ボンを脱いだまま卒倒して助けられるなんてシーンもある。
この日記は題と違って自意識があり余ってボケることのできない
新藤監督の頭と体というもののズレがとてもよく描かれている。
ちょうど、この本の後半を寝床で読みながら朝刊を拾い読みして
いたら、奇縁にも新藤監督のインタビューが登場していた。
今年で99歳だそうである。
最期の監督作品と宣言している大竹しのぶ主演「一枚のハガキ」
についての述懐記事だ。徴用にあったのが32歳、一緒に戦地へ
赴いた100人のうち生還できたのは、たったの6人で新藤監督
はそのうちの一人とのこと。お国のためなどと称した欺瞞をこの
老監督は何度も映像で告発してきた。テアトル新宿などで公開中
の「一枚のハガキ」、円熟期を迎えた大竹しのぶの演技を是非共
見たくなった。
その中の一冊が「ボケ老人の孤独な散歩」新藤兼人である。
赤坂、北青山、外苑など自分にも馴染んだ空気のエリアが登場
していて面白い。晩年の荷風についての性嗜好、市川から浅草
への日参暮らしを鋭利な監督的視点で考証する箇所には、何度
も笑いを誘われる。天麩羅が有名な「尾張屋」へ定刻きっかり
と同じ席に座る荷風、メニューは決まって「かしわ蕎麦」だ。
相当に体が弱っていて店の厠で大便の用を足している時に、ズ
ボンを脱いだまま卒倒して助けられるなんてシーンもある。
この日記は題と違って自意識があり余ってボケることのできない
新藤監督の頭と体というもののズレがとてもよく描かれている。
ちょうど、この本の後半を寝床で読みながら朝刊を拾い読みして
いたら、奇縁にも新藤監督のインタビューが登場していた。
今年で99歳だそうである。
最期の監督作品と宣言している大竹しのぶ主演「一枚のハガキ」
についての述懐記事だ。徴用にあったのが32歳、一緒に戦地へ
赴いた100人のうち生還できたのは、たったの6人で新藤監督
はそのうちの一人とのこと。お国のためなどと称した欺瞞をこの
老監督は何度も映像で告発してきた。テアトル新宿などで公開中
の「一枚のハガキ」、円熟期を迎えた大竹しのぶの演技を是非共
見たくなった。