そろそろ秋めいてきて部屋の明かりを一部だけ整頓しそこなっていることが気になっていた。秋空と夜勤なき連休の解放感に誘われて散歩のついでに明かりのグッズもついでに調達することにした。至近には町田の東急ハンズがあるが、その整頓した画一性が気にくわない。そこでもう少し奥地の八王子で目的を果たすことにした。八王子には街中に小河さんという八王子の生字引みたいな友人がいる。
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その小河さんに照明器具の光量を調節するコントローラと220ボルトの電球を在庫している小売店がないか?と電話する。答えはすぐ返ってきた。横山町に「エジソン商会」があって、そこなら在庫があるという。それではお茶でもして、ヨドバシカメラで最新デジタルトレンドの視察、それから目的の品物を調達する。時間が余ったら旧ムラウチ電気とハードオフの複合リユースショップでも覗くことで八王子へと電車で向かう。小河さんと相棒の三好君とは駅の北口に近い昭和遺風を色濃く残している「布屋ベーカリー」という小さなパン屋さんの奥にあるカフェパーラーでしばし懇談することになった。
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大横町の織物工場跡地で瀟洒なイギリスアンティックショップを経営していた塩見さんの消息を訊いてみた。塩見さんは、無店舗のまま骨董商をしていて青山の骨董通りのアンティックフェアー風定期イベントを仕切っていて健在との報を聞いて安心する。オーディオもアンティックの業界もこの10年という歳月はまるで津波にあったように総崩れ状態だ。F3000等の自動車レースなどにも接触していて、水陸両用六輪車のインポーターまでしていたクルママニアの小河さんの口から、若者の自動車離れ現象を肯定するような意見や自動車の減少を歓迎するエコロジカルな転向意識を垣間見るのは以外だった。そういえばこの両名のグループでF3クラスのマカオグランプリにツアーしたのは、はるかに15年以上前のことである。クライアントのオートテックが発行するタブロイド新聞を毎月編集していた時期があった。ラッツエンバーガー・スコット組のBMW Mー3が超スピードでマンダリンホテルの前を周回するときの騒然とした光景、わき立つ歓声や台湾人雑誌記者との着順応答を巡る会話をふと思い出す。
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「布屋」でお茶して「エジソン商会」で目的物を買ってから、古めな気風から抜けきれない写真館や金物道具店の残っている横山町の商店街を浅川にかかる大和田橋までそぞろ歩く。大和田橋を越えれば夕暮れ散策最後の目的地はすぐである。南多摩高校付近の甲州街道の沿道は、あと二カ月もしたら銀杏並木が黄色く色づく時期がやってくる。大和田橋から仰いだ西の空には秋の雲が流れている。浅川の川面に跳ねるオイカワの銀鱗を眺めていたら、今日の昭和風散歩がいいものに思える気分になっていた。
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その小河さんに照明器具の光量を調節するコントローラと220ボルトの電球を在庫している小売店がないか?と電話する。答えはすぐ返ってきた。横山町に「エジソン商会」があって、そこなら在庫があるという。それではお茶でもして、ヨドバシカメラで最新デジタルトレンドの視察、それから目的の品物を調達する。時間が余ったら旧ムラウチ電気とハードオフの複合リユースショップでも覗くことで八王子へと電車で向かう。小河さんと相棒の三好君とは駅の北口に近い昭和遺風を色濃く残している「布屋ベーカリー」という小さなパン屋さんの奥にあるカフェパーラーでしばし懇談することになった。
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大横町の織物工場跡地で瀟洒なイギリスアンティックショップを経営していた塩見さんの消息を訊いてみた。塩見さんは、無店舗のまま骨董商をしていて青山の骨董通りのアンティックフェアー風定期イベントを仕切っていて健在との報を聞いて安心する。オーディオもアンティックの業界もこの10年という歳月はまるで津波にあったように総崩れ状態だ。F3000等の自動車レースなどにも接触していて、水陸両用六輪車のインポーターまでしていたクルママニアの小河さんの口から、若者の自動車離れ現象を肯定するような意見や自動車の減少を歓迎するエコロジカルな転向意識を垣間見るのは以外だった。そういえばこの両名のグループでF3クラスのマカオグランプリにツアーしたのは、はるかに15年以上前のことである。クライアントのオートテックが発行するタブロイド新聞を毎月編集していた時期があった。ラッツエンバーガー・スコット組のBMW Mー3が超スピードでマンダリンホテルの前を周回するときの騒然とした光景、わき立つ歓声や台湾人雑誌記者との着順応答を巡る会話をふと思い出す。
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「布屋」でお茶して「エジソン商会」で目的物を買ってから、古めな気風から抜けきれない写真館や金物道具店の残っている横山町の商店街を浅川にかかる大和田橋までそぞろ歩く。大和田橋を越えれば夕暮れ散策最後の目的地はすぐである。南多摩高校付近の甲州街道の沿道は、あと二カ月もしたら銀杏並木が黄色く色づく時期がやってくる。大和田橋から仰いだ西の空には秋の雲が流れている。浅川の川面に跳ねるオイカワの銀鱗を眺めていたら、今日の昭和風散歩がいいものに思える気分になっていた。