秋晴れの「やまと古民具骨董市」でバラバラに買った照明シェードとジャンク風台座によるスタンドができあがった。陶器のシェードは、丈が20センチあって長めだからややバランスを欠くけど手元照明にちょうどいい。オーディオ部屋に仲間いりさせると昔からあるような馴染み具合である。もっと首が長い真鍮製の古い台座を見つけるまでの応急品としてしばらく楽しもうと思っている。
フィラメントが見える電球と締めて2250円の完動品ライトになった。我が部屋の照明品としては最低価格になるが、この薄い陶器で仕上がっているターコイズカラーは、1950年代のリバティーレコードがステレオ化する前のセンターラベルの色に似ている。我が家にも幸いジュリー・ロンドンのモノラルLPなどにこのラベルがあるから、傍らにこうした色調のライトをおいてLPレコードを聞けるのもささやかな幸せの一つだと思う。
先日寄った成城学園の駅前北口には「カフェ・ブールマン」がある。古くからあったカフェを建築士で四谷時代のお客でもあった北九州は小倉出身のYさんが引き継いだジャズのかかる店だ。サンスイ時代に輸入されていたJBLのSP LE8Tなどのスピーカーがリークの真空管アンプで粘っこく鳴っているところが都内にごまんとあるジャズカフェのモダンだけな平凡性を軽く凌駕している。ここでは美味い深煎り焙煎コーヒーが供されるが、調度品のさりげないものにも目を奪われる。
窓辺においてある壊れた金管楽器のユーフォニューム、店主の手元を照らす鋳物仕立てのごつくて小さな黒い肉挽き機のような照明、よくある「カフェ ラミル」風とみまがうタイプの店だが、細部には偏屈なこだわりが生きているところが面白い。そうしたいいものを記憶の隅っこにインプットする。そうしてある日、形こそちがうが同じ匂いがするものを発見して喜悦する。こんどの陶器製シェードとの出会いには意外にも、「カフェ・ブールマン」の室内からの感覚的啓示が影響しているようだ。
フィラメントが見える電球と締めて2250円の完動品ライトになった。我が部屋の照明品としては最低価格になるが、この薄い陶器で仕上がっているターコイズカラーは、1950年代のリバティーレコードがステレオ化する前のセンターラベルの色に似ている。我が家にも幸いジュリー・ロンドンのモノラルLPなどにこのラベルがあるから、傍らにこうした色調のライトをおいてLPレコードを聞けるのもささやかな幸せの一つだと思う。
先日寄った成城学園の駅前北口には「カフェ・ブールマン」がある。古くからあったカフェを建築士で四谷時代のお客でもあった北九州は小倉出身のYさんが引き継いだジャズのかかる店だ。サンスイ時代に輸入されていたJBLのSP LE8Tなどのスピーカーがリークの真空管アンプで粘っこく鳴っているところが都内にごまんとあるジャズカフェのモダンだけな平凡性を軽く凌駕している。ここでは美味い深煎り焙煎コーヒーが供されるが、調度品のさりげないものにも目を奪われる。
窓辺においてある壊れた金管楽器のユーフォニューム、店主の手元を照らす鋳物仕立てのごつくて小さな黒い肉挽き機のような照明、よくある「カフェ ラミル」風とみまがうタイプの店だが、細部には偏屈なこだわりが生きているところが面白い。そうしたいいものを記憶の隅っこにインプットする。そうしてある日、形こそちがうが同じ匂いがするものを発見して喜悦する。こんどの陶器製シェードとの出会いには意外にも、「カフェ・ブールマン」の室内からの感覚的啓示が影響しているようだ。