われらしんじんのこども

真人幼稚園の子どもたちの日々の様子や、
  楽しいエピソードなどをお伝えしています。

ようこそ、ぼくらの音楽会へ!

2005-11-25 20:24:48 | Weblog
 みなさんこんにちは。
 ここ数日、毎日のように雷が鳴って激しい雨が降り続いていますが、いかがお過ごしですか?今日も昼間に何度も激しい雷鳴が轟き、そのたびに教室のあちらこちらからひゃ~、きゃ~、ぎゃお~(ぎゃお?)と子ども達の歓声が上がっていました。子ども達の中には雷に対して真剣に恐怖を感じている子どもも確かに大勢いるのですが、それでも園の中であるいはクラスの中で大好きな友達や先生と一緒にいると、恐怖心も少しは薄らぐのか、きゃ~と叫ぶ声にもどことなく余裕が感じられるのです。新潟では昔から「ゆきおろしの雷」などと言って、この時期の雷は雪が降り始める合図であると言われていますが、北陸地方に行くと「ぶり起こし」とも言われ、丸々と太って脂ののった寒ぶりが活発に動き始める季節を知らせているとも言われています。眠っていたぶりを起こすから、ぶり起こし。うまいこと言いますね、昔の人は。いずれにしても、空も本格的な冬の到来を告げているようです。
 
 さて、明日はいよいよ待ちに待った年長組の音楽会が開かれます。この日のために子ども達は連日のように合奏と歌に取り組んでまいりました。各ご家庭でもお子さんの様子からそのことを肌でお感じになった方もいらっしゃるのではないでしょうか?音楽会という行事はそもそも音楽というものが持つ性質上、相手に何かを伝えたいという大きな目的があります。つまり、聞きに来てくださる方々に自分達の表現を通して何かを伝えたいという思いがあるのです。これは明らかに他の活動とは異なっています。たとえば、マラソン大会は自分との戦いです。大きな声援が耳に届いていても最後は自分でなんとかするしかない。あるいは、真人祭の作品は純粋に自分と向き合った自己表現です。私達は熱心な観客であり応援者ではあるけれど彼らの頑張った結果を見守ることしかできません。しかし、この音楽会はそれらとは少し違っています。音楽はそれを表現している彼らと私達聴衆とが同じ時と場所で同時体験することができる。彼らのつむぎ出す音を分かち合うことができる。これは本当に素晴らしいことですね。少なくとも、子ども達はそのことを良く知っているのです。なにしろ音楽を通してたくさんのことを分かち合ってきたのだから。
 
 そこで、年長組の子ども達はこの音楽会を通して聞いてくださる皆さんにいったい何を伝えたいのか、そのことを考えてきました。趣向を凝らし、音楽を美しく奏でることはもとより、曲間に声をそろえて言う言葉ひとつひとつにいたるまで注意を払い作り上げてきました。自分達がただ楽しめば良い、楽しんでいるところを見てもらえば良い、というレベルからもう一歩踏み出して、分かち合いたい、と。これはいかにも年長児らしい心の変化であると言えましょう。自分達が楽しいことを、人にも分けてあげたい。人も楽しませてあげたい。できることなら共に楽しみ、分け合いたいという感情がめばえ、それを形にしてみる。この音楽会にはそういう意味がこめられているのです。その思いがどんな形になったのか、明日はどうぞじっくりご覧ください。じっと耳を傾けてください。彼らの歌や合奏の向こうからふっと見えてくるものがあるはずです。心の奥に静かに染み込んでくるものがあるはずです。一年間、あるいは二年間の膨大な蓄積の上に彼らが築き上げてきたものが。それを感じていただけたらこの音楽会は大成功であったと言えるでしょう。

 長い二学期を締めくくるにふさわしい音楽会が間もなく始まります。年長のつぎは年中、そして年少と続いてまいります。どうぞ保護者の皆様お楽しみにおいでください。教職員一同、心よりお待ち申し上げております。

 (おしまいに、二年前の音楽会に寄せて書いた詩を再掲します。この年長児達もまだそのころは年少組でした。時のたつのは早いものです。)



『子どもとおんがく』
     まえだ かん

ひとはなぜうたうのだろう
ひとはなぜかなでるのだろう
ひとはなぜおどるのだろう
こたえはいつも
すぐそばに
すぐそこに ある
めにはみえないけれど
てではさわれないけれど
みみをすませばきこえてくる
きみとぼくのあいだ
そらとうみのあいだ
だいちとかぜのあいだに

たいせつなことをつたえようとして
うまくことばにできないとき
あふれそうなよろこびを
きみにもわけてあげたいとき
しずかにふりそそぐかなしみに
こころがはりさけそうなとき
きみとぼくが
いまここにいるということの
ちいさなきねんに
ひとはうたうのだろう
ひとはかなでるのだろう
ひとはおどるのだろう

だきしめるようにやさしく
てをとりあうようにちからづよく
こころをおおきくふるわせて







 


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