「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

部局調整費に関する公文書開示請求 その2

2012-05-30 22:10:00 | 近況活動報告
前回に引き続き、本日付けで以下2件の公文書開示請求が受付されましたので御報告します。
なお、1件目の請求は昨日紹介の経済産業部企画調整費の使途の中からの第1回目の抽出請求であり、第2回以降も選考中です。


<1件目>
平成23年度経済産業部企画調整費に係る以下1~3の事業の支出負担行為伺(旅費等の兼票含む)のすべて及び以下2,3に係る復命書・報告書等(相手方から提供された冊子類を除いた)職員作成の成果品
1 財務会計の適正執行推進事業 800千円
2 モンゴル国ドルノゴビ県との農業交流に向けた訪問事業 1,087千円
3 モンゴル公式訪問(ビジネス交流団)事業 2,252千円

<2件目>
平成23年度の以下の調整費の具体的使途(事業)のわかる公文書の写し交付(取りまとめたものがなければ同調整費に係る支出負担行為文書のすべての閲覧)
1 県政推進調整費
2 くらし・環境企画調整費
3 文化・観光部企画調整費
4 健康福祉部企画調整費
5 交通基盤部企画調整費
6 危機管理部調整費

○○部企画調整費という闇

2012-05-29 19:52:00 | 近況活動報告
わずか2枚の開示に開示期限目いっぱいの期間を要したことからも隠したくてしょうがない姿勢の見える経済産業部企画調整費の使途を以下に示す。




開示請求時の記事でも述べたが、この請求の趣獅ヘ、予算書上「県政を推進する上で必要な調査等を行う」(県政推進調整費6千350万円)、「文化・観光部施策の推進に必要な調査等を行う」(文化・観光部企画調整費2千10万円)、「経済産業施策の推進に必要な調査等を行う」(経済産業部企画調整費:2千300万円)などと抽象的な説明で予算化され、その後実際どのように使われたのかが県民に明らかにされない当該予算の実態を解明することである。

今回抽出請求し、開示された経済産業部企画調整費の使途一覧がこの1枚であるが、見てのとおり「経済産業施策の推進に必要な調査等を行う」との予算書説明からは想像できないほど多様な事業がこの予算で行われていることがわかる。
しかも予算の査定に用いた予算調書(本年度分)は以下の1枚のみで、先日来紹介の空港予算のような積算根拠さえない超どんぶり勘定である。


つまり、議会のチェックのない事業もできてしまういわば裏の予算であり、使途はこのように開示請求しなければ明らかにもならない、まさに役人による役人のための第二予算である。

県は事業仕分けを今年もやるそうだが、こういう予算は決して仕分け対象にしていない。
今年は県が挙げたリストから県民に仕分け対象を選ばせるというが、そのリストに載せなければ対象になることは決してないこともわかってやっている。
茶番の仕分けが今年も税金で行われる。不幸なことだ。

さて、今回の開示によって判明した25の事業であるが、一番高額なのが323万円の「ニューメ[ト黒船祭等での静岡茶PR事業」はじめ「モンゴル国ドルノゴビ県との農業交流に向けた訪問事業」108万7千円、「モンゴル公式訪問(ビジネス交流団)事業」225万2千円、「韓国済州島の雪緑茶博物館訪問事業」12万2千円等々海外来訪事業が目白押し、どれだけの成果があったのか抽出で復命書を開示請求して確かめたい。
そして2番目に高額「遠州織物ファッション製品創出事業」298万4千円は川勝が沖縄のかりゆしウェアに対抗して県の夏服にと言い出したことから始まった事業だが、議会でこの予算審議はしていない。議会を蚊帳の外で事業ができてしまうという好例だ。
いっそのこと全予算を企画調整費にすればチェックに役立たずの議会もさすがに目が覚めるだろう。

今回の請求で部局調整費が「○○施策の推進に必要な調査等を行う」などという抽象的な説明では見えない闇を抱えていることが明らかになったため、早速全部局について調査を拡大することとした。
また、積算根拠なしの予算調書1枚で昨年度の4580万円から6350万円に大幅増額された企画広報部の調整費については本年度の使途をしっかりチェックしていきたい。

隣接地域振興事業費助成385,000,000円

2012-05-15 21:24:00 | H24県予算評価
平成24年度静岡県予算のうち「隣接地域振興事業費助成」3億8,500万円について、以下に短評する。

この事業の目的は予算調書に記載のとおり「空港と周辺地域の調和ある発展を図る」というもので昨年度からの継続事業である。
原発の地元への交付金や沖縄への交付金など、金をもっての懐柔と同じく空港建設前からの約束ともなっていた金のばらまき補助金がこの事業の本質である。

以下のとおり地元の要望を強調し空港建設に尽力した島田市の約2億5千万円を筆頭に牧之原市、吉田町にも交付されている。

補助対象の内容を見れば「空港と周辺地域の調和ある発展を図る」というのは単なるお題目で一般的な公共事業の補助金と異ならないことがわかろう。
そもそも、空港が発展どころか衰退する中でどこに調和があるのだろう。

限られた税金原資が、無駄な公共事業の誘導に投じられた上、さらにこのようなゆがんだ形で優先配分される現実。
原発再稼働でもまた同じ手法がとられるのだろうか。
こういう札束で言うことを聞かせる政策手法から脱しなければこの国により良き未来はない。

折しも今日の読売新聞で税金からぼったくりの天下り法人「富士山静岡空港株式会社」が赤字の県の空港運営とは真逆に約5400万円の黒字を確保する見込みであるとのこと。
さらに、現天下り社長の後任候補にも空港畑の県OBの名前が挙がっていたとのこと。
県民の無関心が役人のやりたい放題を助長している現実。
沖縄復帰40周年でも何も変わらないというのと同様、無関心の大波の中での道の険しさを実感する今日この頃である。


<巻末資料>
参考に民間で企画書にあたる県の予算調書を添付する。県ではこの程度の企画能力で予算が付くというレベルの低さをご確認いただきたい。静岡県が改革進む大阪府のように予算編成過程の情報公開ができない理由もよくわかることでしょう。
「隣接地域振興事業費助成PDF」</

平成12年10月当時の静岡空港夢物語

2012-05-13 19:53:00 | 静岡空港
最近書類の山の中で少しでも整理しようと分別をしていたところ懐かしい資料が出てきたので以下に紹介する。
特に黒字を強調した空港収支見込みのところはまさに大本営発表、信じれば救われるといわんばかりの記述である。



平成10年に始まった静岡空港本体工事。
いまだ用地取得の見込みの立たない中、県民ばかりか職員にも厳しい声の上がる空港事業の推進を図るべく、職員は広報マンとなるべしとの号の下、県民ばかりでなく職員に対しても強力な洗脳的広報宣伝を行っていた。
時は平成12年10月、以下はその当時のバラ色の未来を刷り込むために県が行った広報宣伝資料である。






静岡空港利用者の推移(開港3年目第11月)~3年目は昨年より8万人減の43万人見込み~

2012-05-10 19:45:00 | 静岡空港
静岡空港利用者数(搭乗者数)の推移

(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で3か年を比較したグラフです。

以下、開港3年目の第11月となる4月実績に基づき傾向を概観する。
<傾向等>
昨年3月の震災により急減した前年同月に比べた本年の実績は、震災の前年同月には遠く及ばないものの、国際線が対前年同月比204.4%と震災影響からの回復もあって依然として続く国内線の低迷をカバーし、トータルでようやく前年を顕著に上回った。
とはいえ、比較可能な国際線のソウル便を見るに、H22年4月の16,722人(73.7%)と今年の10,785人(59.1%)とを比較すれば歴然、国際線といえども本格的な回復とは程遠い。

これにより、3年目の年計は初年の63万人、2年目の51万人をさらに下回る43万人程度との先月の推計が現実味を帯びてきた。いくら搭乗率で頑張っても結局は利用者離れの右肩下がりが厳然たる事実である。

ただし、搭乗率が高いということは率の低い路線の撤退整理による下げ止まりの傾向を反映しているとも取れ、今後の顕著な低下は期待できない。費用対効果を無視した税金投入や県職員動員(県職員限定台湾2泊3日2万5千円ツアーなど)を継続していくかぎり、底を打つ日も近いとみられる。
このため、今後は初年度の実績越えはさすがにないものの、35~45万人程度のレンジで経年推移していくものとみられる。JRのような公共交通機関としての自立は程遠く、現在のような税金投入で延命の構図は不変となろう。

では、以下に今月の実績を記す。
<平成24年4月までの実績:対前年同月比>
路線:搭乗者数対前年同月比(H24.4/H23.4):搭乗率[H24.4;H23.4]

札幌線:106.3%(4,705人/4,427人):[47.7%;36.6%]
福岡線:114.4%(6,693人/5,853人):[74.6%;41.1%]
沖縄線:117.1%(5,781人/4,936人):[79.7%;67.7%]
熊本線:-%(-人/1,829人):[-%;37.1%]
鹿児島線:83.5%(1,446人/1,731人):[79.3%;36.4%]

国内定期便計:99.2%(18,625人/18,776人):[66.7%;43.4%]

国内線チャーター便計:-%(139人/-人):[92.7%;-%]

ソウル線:204.4%(10,785人/5,277人):[59.1%;43.4%]
上海線:166.5%(2,174人/1,306人):[47.8%;46.1%]
台北線:-%(2,465人/-人):[65.0%;-%]

国際線定期便計:234.3%(15,424人/6,583人):[58.0%;47.6%]

国際線チャーター便計:1132.7%(1,733人/153人):[79.2%;96.8%]

全路線計:140.8%(35,921人/25,512人):[63.2%;44.6%)]