間もなく9月というのに、とにかく暑い。
今日は昼休みに情報公開審査会への意見書を出すため郵便局まで歩いたが、アスファルトの溶けたにおいがするくらいの暑さだった。
私は今週2日から来週の6日まで北陸地方を回ってくるため留守にするのでその前というと今日しかないと思ったのだが、むしろ先週の方が涼しかったような気も。
さて、間もなく8月も終わることから9月1日付けで6月から8月までの訪中実績について5月分に引き続き開示請求の予定だが、今日の意見書はそれに関連してのものだ。
以下は、さきに提出した私の異議申し立てに対する県知事の意見書である。(ちなみに、自治行政課関係分となっているのはすべての課に対して異議申立てを出すのも煩雑だったので、名宛人は同じ知事なので発送一覧の筆頭に掲載されていた課に対して異議申し立てをしたためである。もちろん過去の他課開示済分にこの申立ての効果は及ばないが、将来の開示に向かっては効果をもつのでそれで十分と判断したものである。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/74/0255d79ee1d0032b7c8a53827ee882f7.jpg)
以下は上記県側の意見に対するこちらの意見書である。関係諸氏の行政監視活動の参考に掲載する。
意 見 書
平成22年8月18日付け静情審第18号で依頼のあったこのことについて、静岡県情報公開条例(以下、「条例」という。)第25条第2項に基づき、本書のとおり意見書を提出する。
また、本書をもって、意見陳述については希望しないことを併せて回答する。
記
処分庁による平成22年8月13日付け自行第400-2号「意見書」(以下、「処分庁意見書」という。)について、以下のとおり意見を述べる。
1 処分庁が非開示とした具体的な理由について
処分庁は「旅行経路の発着地情報のうち、職員の自宅住所地域に係る部分」を非開示とした理由として、平成22年7月5日付け自行第327号「公文書部分開示決定通知書」において「識別できる特定個人(出張職員)の現在の自宅住所地域に係る情報が記されており、条例第7条第2号のただし書のいずれにも該当しない。」と述べている。
また、処分庁意見書4「非開示とした具体的な理由等」においては、「旅行命令においては、旅行経路の発着地を勤務先とするか、または自宅とするかという点は公務員の職務遂行の内容に係る部分と捉えられるが、自宅発着とした場合の自宅住所地域に係る情報は、職務遂行の内容に係る部分ではない性質を持つと判断し、当該部分を非開示とした。」と主張している。
すなわち、処分庁は、処分庁が非開示とした「旅行経路の発着地情報のうち、職員の自宅住所地域に係る部分」については、「職務遂行の内容に係る部分ではない性質を持つ」との理由で条例第7条第2号のただし書ウに規定の「職務遂行の内容に係る部分」にも該当しないと主張している。
2 条例第7条第2号ただし書ウの解釈について
条例第7条第2号ただし書ウに規定の公務員等の「職務遂行に係る情報」とは、「公務員等がその担当する職務を遂行する場合におけるその情報をいう」(「静岡県情報公開条例解釈及び運用の基準」、以下「同基準」と記す。)と広く解釈されており、「公務員等の住所、電話番号、学歴、家族状況、健康状態等明らかに当該公務員等個人に関する情報や勤務態度、勤務成績、処分歴等職務に関する情報ではあるが職員の身分取扱いに係る情報は、公務員等の職務遂行に係る情報には当たらない」(同基準)として、職務の「遂行」に係らない「個人に関する情報」並びに「職務に関する情報」であって「身分取扱いに係る情報」について具体的非該当例が示されている。
また、条例第7条第2号ただし書ウについて「公務員等の職務遂行に係る情報は、半面、当該公務員等の個人情報でもあるが、職務に関する説明責任を全うし公正で透明な県政を推進する観点から、公務員等の職務遂行に係る情報のうち公務員等の職及び氏名並びに職務遂行の内容に係る部分を、非開示とする個人情報から除外するものである。」(同基準)と解釈されており、「職務遂行に係る情報」が「職務遂行の内容に係る部分ではない性質」である個人情報等を含む性質のものであることは、もとより条例の想定するところである。
その上で「職務遂行に係る情報」であっても、その職員個人の権利利益を不当に害するおそれがある場合等については条例第7条第2号ただし書ウ後段において除外規定が置かれているものである。
より具体的には、条例第7条第2号ただし書ウ後段の規定は「公務員等の氏名は職務の遂行者としての情報であるとともに、当該公務員等の私生活における個人識別のための情報でもあることから、氏名を公にすることによって、当該公務員等が有する職務権限や職務遂行の内容等から負うべき相当の責任以上の非難を受けたり、その私生活が当該公務員等として受忍すべき限度を超えて脅かされるおそれがある場合など、当該公務員等個人の権利利益を不当に害することがあり得る。このような場合には当該公務員等の氏名に係る情報は開示しないとするものである。この場合、「不当」であるかどうかは当該公務員等が有する職務権限や職務遂行の内容等に照らして判断することとなる。」(同基準)と解されている。
加えて、「なお、職に関する情報はその職務遂行に係る情報と不可分の要素であることから、特定の公務員等を識別できる場合であっても開示の対象となる。」(同基準)との解釈から、「職務遂行に係る情報」の要素としての「職に関する情報」も「職務遂行に係る情報」そのものではないものの原則として開示の対象とするなど、開示を前提とした解釈が基本となっていることが分かる。
よって、「職務遂行に係る情報」であれば、たとえ他の要素が含まれていたとしても、条例第7条第2号ただし書ウに該当するものとした上で、その開示・非開示(条例第7条第2号ただし書ウ後段)を判断すべきは当然というべきである。
3 処分庁意見書4「非開示とした具体的理由等」に対する反論
(1) 発着地情報が「職務遂行に係る情報」であること(条例第7条第2号ただし書ウ該当性)
異議申立ての対象となった非開示部分である発着地情報は、静岡県職員の旅費に関する条例(以下、「旅費条例」という。)第4条に基づく旅行命令に基づく発着地である。
また、当該旅行に係る旅費計算は旅費条例第8条により、当該発地及び着地を基に計算されるとともに、その発地又は着地に変更があれば旅費条例第4条乃至第5条に基づき旅行命令の変更を行うべき対象である。
したがって、当該発着地情報は、まさに職員が職務上の命令に基づき職務として旅行を行う起点と終点という「職務遂行に係る情報」そのものである。
このことは、公務遂行性と公務起因性を要件として認められる公務災害の対象として「出張中の負傷」に公務遂行性を認めていることからも明らかである。
本県公文書開示制度が、条例第1条において「県政の公正な執行と県民の信頼の確保」、すなわち「県政の監視と県民の信頼の確保」を目的としていることからも、旅費額の算出根拠として不可欠の要素たる発着地情報は、単に「職務遂行に係る情報」に止まらず、地方自治法第242条第1項に規定の住民監査請求の対象たる財務会計行為の適否を判断する上での重要な要素であって、これを開示することは、条例の目的からも強く要請されるところである。
しかも、処分庁が非開示とした発着地情報が地番を含まない市町村名及び字名というなら、なおさらである。
よって、条例第7条第2号のただし書ウに該当するものとして公開すべきである。
(2) 「職務遂行の内容に係る部分ではない性質をもつ」ことは条例第7条第2号ただし書ウに該当しない理由とはならないこと(瑕疵ある行政処分性)
本書1のとおり、処分庁は「旅行経路の発着地情報のうち、職員の自宅住所地域に係る部分」については、「職務遂行の内容に係る部分ではない性質を持つ」との理由で条例第7条第2号のただし書ウに規定の「職務遂行に係る部分」にも該当しないと主張しているが、本書2のとおり、条例第7条第2号ただし書ウの解釈からは「職務遂行に係る情報」であれば、他の要素が含まれるとしても同ただし書ウに該当するものとして開示非開示を判断すべきものであり、処分庁による平成22年7月5日付け自行第327号「公文書部分開示決定通知書」中の「識別できる特定個人(出張職員)の現在の自宅住所地域に係る情報が記されており、条例第7条第2号のただし書のいずれにも該当しない。」との理由付記は条例第12条第1項の規定に反する瑕疵ある理由付記であり、当該部分を非開示とした処分もまた、瑕疵ある行政処分として改められるべきである。
以上
今日は昼休みに情報公開審査会への意見書を出すため郵便局まで歩いたが、アスファルトの溶けたにおいがするくらいの暑さだった。
私は今週2日から来週の6日まで北陸地方を回ってくるため留守にするのでその前というと今日しかないと思ったのだが、むしろ先週の方が涼しかったような気も。
さて、間もなく8月も終わることから9月1日付けで6月から8月までの訪中実績について5月分に引き続き開示請求の予定だが、今日の意見書はそれに関連してのものだ。
以下は、さきに提出した私の異議申し立てに対する県知事の意見書である。(ちなみに、自治行政課関係分となっているのはすべての課に対して異議申立てを出すのも煩雑だったので、名宛人は同じ知事なので発送一覧の筆頭に掲載されていた課に対して異議申し立てをしたためである。もちろん過去の他課開示済分にこの申立ての効果は及ばないが、将来の開示に向かっては効果をもつのでそれで十分と判断したものである。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/74/0255d79ee1d0032b7c8a53827ee882f7.jpg)
以下は上記県側の意見に対するこちらの意見書である。関係諸氏の行政監視活動の参考に掲載する。
意 見 書
平成22年8月18日付け静情審第18号で依頼のあったこのことについて、静岡県情報公開条例(以下、「条例」という。)第25条第2項に基づき、本書のとおり意見書を提出する。
また、本書をもって、意見陳述については希望しないことを併せて回答する。
記
処分庁による平成22年8月13日付け自行第400-2号「意見書」(以下、「処分庁意見書」という。)について、以下のとおり意見を述べる。
1 処分庁が非開示とした具体的な理由について
処分庁は「旅行経路の発着地情報のうち、職員の自宅住所地域に係る部分」を非開示とした理由として、平成22年7月5日付け自行第327号「公文書部分開示決定通知書」において「識別できる特定個人(出張職員)の現在の自宅住所地域に係る情報が記されており、条例第7条第2号のただし書のいずれにも該当しない。」と述べている。
また、処分庁意見書4「非開示とした具体的な理由等」においては、「旅行命令においては、旅行経路の発着地を勤務先とするか、または自宅とするかという点は公務員の職務遂行の内容に係る部分と捉えられるが、自宅発着とした場合の自宅住所地域に係る情報は、職務遂行の内容に係る部分ではない性質を持つと判断し、当該部分を非開示とした。」と主張している。
すなわち、処分庁は、処分庁が非開示とした「旅行経路の発着地情報のうち、職員の自宅住所地域に係る部分」については、「職務遂行の内容に係る部分ではない性質を持つ」との理由で条例第7条第2号のただし書ウに規定の「職務遂行の内容に係る部分」にも該当しないと主張している。
2 条例第7条第2号ただし書ウの解釈について
条例第7条第2号ただし書ウに規定の公務員等の「職務遂行に係る情報」とは、「公務員等がその担当する職務を遂行する場合におけるその情報をいう」(「静岡県情報公開条例解釈及び運用の基準」、以下「同基準」と記す。)と広く解釈されており、「公務員等の住所、電話番号、学歴、家族状況、健康状態等明らかに当該公務員等個人に関する情報や勤務態度、勤務成績、処分歴等職務に関する情報ではあるが職員の身分取扱いに係る情報は、公務員等の職務遂行に係る情報には当たらない」(同基準)として、職務の「遂行」に係らない「個人に関する情報」並びに「職務に関する情報」であって「身分取扱いに係る情報」について具体的非該当例が示されている。
また、条例第7条第2号ただし書ウについて「公務員等の職務遂行に係る情報は、半面、当該公務員等の個人情報でもあるが、職務に関する説明責任を全うし公正で透明な県政を推進する観点から、公務員等の職務遂行に係る情報のうち公務員等の職及び氏名並びに職務遂行の内容に係る部分を、非開示とする個人情報から除外するものである。」(同基準)と解釈されており、「職務遂行に係る情報」が「職務遂行の内容に係る部分ではない性質」である個人情報等を含む性質のものであることは、もとより条例の想定するところである。
その上で「職務遂行に係る情報」であっても、その職員個人の権利利益を不当に害するおそれがある場合等については条例第7条第2号ただし書ウ後段において除外規定が置かれているものである。
より具体的には、条例第7条第2号ただし書ウ後段の規定は「公務員等の氏名は職務の遂行者としての情報であるとともに、当該公務員等の私生活における個人識別のための情報でもあることから、氏名を公にすることによって、当該公務員等が有する職務権限や職務遂行の内容等から負うべき相当の責任以上の非難を受けたり、その私生活が当該公務員等として受忍すべき限度を超えて脅かされるおそれがある場合など、当該公務員等個人の権利利益を不当に害することがあり得る。このような場合には当該公務員等の氏名に係る情報は開示しないとするものである。この場合、「不当」であるかどうかは当該公務員等が有する職務権限や職務遂行の内容等に照らして判断することとなる。」(同基準)と解されている。
加えて、「なお、職に関する情報はその職務遂行に係る情報と不可分の要素であることから、特定の公務員等を識別できる場合であっても開示の対象となる。」(同基準)との解釈から、「職務遂行に係る情報」の要素としての「職に関する情報」も「職務遂行に係る情報」そのものではないものの原則として開示の対象とするなど、開示を前提とした解釈が基本となっていることが分かる。
よって、「職務遂行に係る情報」であれば、たとえ他の要素が含まれていたとしても、条例第7条第2号ただし書ウに該当するものとした上で、その開示・非開示(条例第7条第2号ただし書ウ後段)を判断すべきは当然というべきである。
3 処分庁意見書4「非開示とした具体的理由等」に対する反論
(1) 発着地情報が「職務遂行に係る情報」であること(条例第7条第2号ただし書ウ該当性)
異議申立ての対象となった非開示部分である発着地情報は、静岡県職員の旅費に関する条例(以下、「旅費条例」という。)第4条に基づく旅行命令に基づく発着地である。
また、当該旅行に係る旅費計算は旅費条例第8条により、当該発地及び着地を基に計算されるとともに、その発地又は着地に変更があれば旅費条例第4条乃至第5条に基づき旅行命令の変更を行うべき対象である。
したがって、当該発着地情報は、まさに職員が職務上の命令に基づき職務として旅行を行う起点と終点という「職務遂行に係る情報」そのものである。
このことは、公務遂行性と公務起因性を要件として認められる公務災害の対象として「出張中の負傷」に公務遂行性を認めていることからも明らかである。
本県公文書開示制度が、条例第1条において「県政の公正な執行と県民の信頼の確保」、すなわち「県政の監視と県民の信頼の確保」を目的としていることからも、旅費額の算出根拠として不可欠の要素たる発着地情報は、単に「職務遂行に係る情報」に止まらず、地方自治法第242条第1項に規定の住民監査請求の対象たる財務会計行為の適否を判断する上での重要な要素であって、これを開示することは、条例の目的からも強く要請されるところである。
しかも、処分庁が非開示とした発着地情報が地番を含まない市町村名及び字名というなら、なおさらである。
よって、条例第7条第2号のただし書ウに該当するものとして公開すべきである。
(2) 「職務遂行の内容に係る部分ではない性質をもつ」ことは条例第7条第2号ただし書ウに該当しない理由とはならないこと(瑕疵ある行政処分性)
本書1のとおり、処分庁は「旅行経路の発着地情報のうち、職員の自宅住所地域に係る部分」については、「職務遂行の内容に係る部分ではない性質を持つ」との理由で条例第7条第2号のただし書ウに規定の「職務遂行に係る部分」にも該当しないと主張しているが、本書2のとおり、条例第7条第2号ただし書ウの解釈からは「職務遂行に係る情報」であれば、他の要素が含まれるとしても同ただし書ウに該当するものとして開示非開示を判断すべきものであり、処分庁による平成22年7月5日付け自行第327号「公文書部分開示決定通知書」中の「識別できる特定個人(出張職員)の現在の自宅住所地域に係る情報が記されており、条例第7条第2号のただし書のいずれにも該当しない。」との理由付記は条例第12条第1項の規定に反する瑕疵ある理由付記であり、当該部分を非開示とした処分もまた、瑕疵ある行政処分として改められるべきである。
以上