3月28日、国の中央防災会議が開かれ南海トラフ地震防災対策推進基本計画が策定された。
就任当初は地方が国におねだりするような陳情に軽蔑的だった川勝平太が珍しく2度も防災担当相に陳情した「南海トラフ巨大地震対策推進基本計画に静岡空港を基幹的広域防災拠点として盛り込む」という願いは聞き入れられず、名古屋空港や名古屋港と同じ大規模な広域的防災拠点としてそれ以下の広域的防災拠点などとともに将来策定される具体計画に盛り込まれる対象となるにとどまった。
これにより、国家的防災拠点機能を大義名分として、国の予算で国の全面的支援を受けながら静岡空港新駅をオリンピックまでに整備してもらおうとの静岡県の野望は潰えた。
なぜかであるが、
それには、この「基幹的広域防災拠点」、「大規模な広域的防災拠点」、「広域的防災拠点」の違いと具体計画について知っておく必要がある。
まず最初に拠点の位置づけであるが、既に基幹的広域防災拠点が整備されている首都直下地震緊急対策推進基本計画に次のような記述がある。
「効果的な広域オペレーションを 実施するため、首都圏の広域防災のヘッドクォーターの機能等を有する東京湾臨海部基幹的広域防災拠点(有明の丘地区)及び被災時における物流コントロール機能の一部を有する東京湾臨海部基幹的広域防災拠点(東扇島地区)を中心に、各拠点の役割分担を明確にする」
これによると、「基幹的広域防災拠点」とは、国、都道府県が整備する様々な拠点(大規模な広域的防災拠点、広域的防災拠点等)の各機能の最上位に位置する司令部・本部ということになる。
南海トラフ地震防災対策推進基本計画上は指定がないが、南海トラフ地震防災対策推進地域の司令部として立地的に静岡空港がそれにふさわしいと見ることにはかなり無理があることが分かろう。
今回の中央防災会議の資料中の6ページにそのイメージ図が掲載されているとおり、静岡空港は県境を超えず、県内をカバーする程度の大規模な広域的防災拠点でしかないことがわかる。
次に各拠点の整備主体であるが、南海トラフ地震防災対策推進基本計画中には、以下の記述がある。
「国、地方公共団体、ライフライン事業者及びその他の機関は、所管する施設 の整備に当たって、個々の施設のみでなく、災害時に発生する事象、施設の 機能、相互の施設の関連性等を認識した上で、整備を進める」(p8)
「国は、大規模災害時の広域的な緊急物資や復旧資機材の輸送に当たり中心的 役割を果たす基幹的広域防災拠点について、適切な運用体制を確立する」(p22)
「国は、南海トラフ巨大地震を想定し、これに対処するための災害 応急対策活動に当たる部隊の活動規模、緊急輸送ルート、防災拠点等を具体 的に定める計画(以下「具体計画」という。)をあらかじめ作成し、これに基 づき、国と地方公共団体等が一体的に的確な災害応急対策を実施するものと する。この具体計画は、実際の災害が事前の被害想定と異なる場合にも応用 可能な柔軟性を持った計画とするものとする」(p32)
要するに、基幹的広域防災拠点については国が主体的に関与し整備を進めるが、それ以外の具体計画上の防災拠点等にあっては現にその施設を所管する国・県・市それぞれがその機能にふさわしい施設としての整備を進めることとなるのである。
しかも、この具体計画にあっては、いつ策定されるか見込みさえ見えていない状況にある。
ゆえに、防災戦略上の地勢的に見て、また資金的、政治的、時間的に見ても、冒頭で述べたとおり、
「国家的防災拠点機能を大義名分として、国の予算で国の全面的支援を受けながら静岡空港新駅をオリンピックまでに整備してもらおうとの静岡県の野望は潰えた」
と言いうるのである。
就任当初は地方が国におねだりするような陳情に軽蔑的だった川勝平太が珍しく2度も防災担当相に陳情した「南海トラフ巨大地震対策推進基本計画に静岡空港を基幹的広域防災拠点として盛り込む」という願いは聞き入れられず、名古屋空港や名古屋港と同じ大規模な広域的防災拠点としてそれ以下の広域的防災拠点などとともに将来策定される具体計画に盛り込まれる対象となるにとどまった。
これにより、国家的防災拠点機能を大義名分として、国の予算で国の全面的支援を受けながら静岡空港新駅をオリンピックまでに整備してもらおうとの静岡県の野望は潰えた。
なぜかであるが、
それには、この「基幹的広域防災拠点」、「大規模な広域的防災拠点」、「広域的防災拠点」の違いと具体計画について知っておく必要がある。
まず最初に拠点の位置づけであるが、既に基幹的広域防災拠点が整備されている首都直下地震緊急対策推進基本計画に次のような記述がある。
「効果的な広域オペレーションを 実施するため、首都圏の広域防災のヘッドクォーターの機能等を有する東京湾臨海部基幹的広域防災拠点(有明の丘地区)及び被災時における物流コントロール機能の一部を有する東京湾臨海部基幹的広域防災拠点(東扇島地区)を中心に、各拠点の役割分担を明確にする」
これによると、「基幹的広域防災拠点」とは、国、都道府県が整備する様々な拠点(大規模な広域的防災拠点、広域的防災拠点等)の各機能の最上位に位置する司令部・本部ということになる。
南海トラフ地震防災対策推進基本計画上は指定がないが、南海トラフ地震防災対策推進地域の司令部として立地的に静岡空港がそれにふさわしいと見ることにはかなり無理があることが分かろう。
今回の中央防災会議の資料中の6ページにそのイメージ図が掲載されているとおり、静岡空港は県境を超えず、県内をカバーする程度の大規模な広域的防災拠点でしかないことがわかる。
次に各拠点の整備主体であるが、南海トラフ地震防災対策推進基本計画中には、以下の記述がある。
「国、地方公共団体、ライフライン事業者及びその他の機関は、所管する施設 の整備に当たって、個々の施設のみでなく、災害時に発生する事象、施設の 機能、相互の施設の関連性等を認識した上で、整備を進める」(p8)
「国は、大規模災害時の広域的な緊急物資や復旧資機材の輸送に当たり中心的 役割を果たす基幹的広域防災拠点について、適切な運用体制を確立する」(p22)
「国は、南海トラフ巨大地震を想定し、これに対処するための災害 応急対策活動に当たる部隊の活動規模、緊急輸送ルート、防災拠点等を具体 的に定める計画(以下「具体計画」という。)をあらかじめ作成し、これに基 づき、国と地方公共団体等が一体的に的確な災害応急対策を実施するものと する。この具体計画は、実際の災害が事前の被害想定と異なる場合にも応用 可能な柔軟性を持った計画とするものとする」(p32)
要するに、基幹的広域防災拠点については国が主体的に関与し整備を進めるが、それ以外の具体計画上の防災拠点等にあっては現にその施設を所管する国・県・市それぞれがその機能にふさわしい施設としての整備を進めることとなるのである。
しかも、この具体計画にあっては、いつ策定されるか見込みさえ見えていない状況にある。
ゆえに、防災戦略上の地勢的に見て、また資金的、政治的、時間的に見ても、冒頭で述べたとおり、
「国家的防災拠点機能を大義名分として、国の予算で国の全面的支援を受けながら静岡空港新駅をオリンピックまでに整備してもらおうとの静岡県の野望は潰えた」
と言いうるのである。