「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

平成24年度企画広報部県政推進調整費の闇

2013-04-23 21:36:00 | H25県予算評価
昨年から追求を始めた、議会が干渉できない役人の自由な予算「部局調整費」。
昨年度の執行状況が開示され、その文書の中から今日は企画広報部の調整費を紹介する。


議案書では「県政を推進する上で必要な調査等を行う。」として議会の承認を受けただけで、実際何に使うのかは知事さえも蚊帳の外で役人が決めるという摩訶不思議な予算であるが、こうして実際の使途を見ると、もしこれが議会に新規事業の予算として出ていたらすんなり通っただろうかと思うものが見られる。

今回も、どこから購入したのか知らないが350万円もの税金をかけて記念誌を購入し関係者に配布したそうだが、これが県民のいかなる利益となったのだろう。
風が吹けば桶屋が儲かる式の論理で正当化するのかもしれないが、費用便益比という概念を知っていれば不要不急の事業として仕分けられるべきものである。

また、より興味を引くのが「スマートデバイス活用情報共有事業」というものだ。
名前はいかにも有効そうだが、事業内容を見ると「スマートデバイスを使って従来のワークスタイルを革新するため、タブレット端末を企画広報部幹部に配布し、実証実験を行う。」とだけしか記されていない。
要は「iPadを幹部に配れば仕事の仕方が革新するはずなので実験し実証してみる」ということなのだが、概要としても事業としての必要性・優先性は見えないし、勘ぐれば私的使用のための便法とも見て取れる。

この事業については企画広報部という県の企画の中枢が企画した事業だけに、民間企業における企画との比較の意味も含めて、どういうコンセプトの下にどういう企画書が作られどういう検証をなす予定なのか興味深い。
よって、次回の部局調整費追求に係る個別事業の公文書開示請求において、重点対象の一つとし関係文書を精査し、県民に事実を公開したい。

<参考>
昨年の「企画広報部県政推進調整費の闇」

議会の副知事議案否決をもっけの幸にする企画広報部長とごますり秘書課長

平成25年度「富士山静岡空港利便性向上事業費」56,189,000円

2013-04-20 20:43:00 | H25県予算評価
今日は「富士山静岡空港利便性向上事業費」56,189,000円を掲載する。
昨年の2億2,374万4千円から大きく減少しているが、これは昨年度まで、県職員の天下り法人である富士山静岡空港株式会社が航空会社から使用料を取って潤うための搭乗橋の整備に補助金を出していたからである。
また、残った5,618万円余についても、その75%がこの天下り法人への賃料支払いに充てられるというから、「利便性向上」というよりも「天下り法人支援」という名称の方が実態にふさわしい予算である。
そもそも、彼らは利便性という日本語の意味が理解できているのだろうか。
評価の主体たるべきは利用者であるべきだがその視点はどこにもない。
よって、本来なら、予算の査定で本来の意味での利便性向上の効果を検証してもよいはずであるが、本年度の予算に当たっての自己評価欄、特に実績評価を見ると、

昨年の予算調書の焼き直しの羅列が目立つ。
実績の評価が昨年と一字一句変わらずの「1年間を通して、呈茶サービス、富士山PR、県内産業・観光のPRなど、広く静岡県の情報を発信することができた。」という小学生の感想のような自己中な評価で済まされ、継続して予算が計上されるというのは現在の県職員の能力の低下を象徴している。
構想の策定や事業の進め方まで外部コンサルなどへの委託が増えたのもやむをえない状況にあるということだ。

一般には県の予算は厳しく大変と思われているが、はっきり言って杜撰。
茶番といわれるあの程度の事業仕訳で戸惑っていたのも、普段の予算査定が如何に甘いかの証左であったのである。

<予算調書>
「富士山静岡空港利便性向上事業費」

平成25年度「空港管理運営事業費」537,000,000円

2013-04-17 22:40:00 | H25県予算評価
今日は「空港管理運営事業費」537,000,000円を掲載する。
空港建設当時にかの官僚知事が空港の採算性について空港は着陸料が丸々入ってこないとしても、今の想定では5億円強で、グランシップの赤字に比べはるかに少ないなどと持ち出した空港という施設に必要な維持管理経費相当がこの予算である。
しかし、先日紹介のとおり、空港建設によってもたらされた県の持ち出し総額からすればこの維持管理費はほんの一部でしかないのである。

さて、その維持管理費であるが、その78.7%が元県職員の天下りが社長を務め、県内の空港建設推進協力企業から役員を受け入れて黒字業績の富士山静岡空港株式会社などへの管理委託料関係である。
さらに、予算調書の使用料を見ると、

管理事務所賃借料として、
(@8,600円/㎡/月×432.96㎡+25,000)×12月
総額4,500万円が、県から低利融資という形でお金を借りて建設した空港ビルを所有する、この富士山静岡空港株式会社に、県が賃料として支払っているのである。

これを貸事務所等の賃借料の比較で一般的な1月当たりの坪単価にすると、28,430円/坪であり、ネットで検索していただければわかるとおり、東京都心並みの賃借料である。競争のないところに価格低下の動機は起きにくく、賃料を1割増しにといわれてもビルを独占所有している一企業の方が強く、県は断れない構造となっているからだ。

これは、富士山静岡空港株式会社を潤す(黒字にする)ため、県民の税金を赤字放出しているに等しい。

株式会社が所有することで県民の税金が固定資産税という形でこのような赤字空港建設を推進した地元自治体に流れるというのも県民にとっては不公正・不誠実なことであり、速やかに、空港ビルは県の所有とし、維持管理経費の縮減を図るべきである。

<参考記事リンク>
2007.2「2月県議会等に見る静岡空港の税金投入リスクの数々°`運営会社への低利融資」

<予算調書>
「空港管理運営事業費」

静岡空港利用者の推移(開港4年目第10月)~依然低迷続く中で、ANA独り勝ち~

2013-04-09 23:01:00 | 静岡空港
静岡空港利用者数(搭乗者数)の推移

(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で4か年を比較したグラフです。

以下、開港4年目の10月目となる3月実績に基づき傾向を概観する。
<傾向等>
開港から4年目の10月目を迎えた静岡空港。
当初の大風呂敷予測、国内線106万人国際線32万人計138万人は言うに及ばず、開港初年の実績が期待外れの63万人となったことを受け知事が豪語した開港2年目で70万人、3年目で80万人をという年10万人ずつの増予測もむなしく、現実は初年度にも遠く及ばない現実がオオカミ少年よろしく政治・行政の信頼を損ねている。
このまま残り2月を前年同様の推移でいけば、4年目にあっても、初年度には遠く及ばず、45万人前後となりそうな情勢である。
これは、震災の影響色濃かった3年目こそ上回ったものの、2年目の51万人にも及ばない結果である。

個別の路線を見てみると、
国内線にあっては、対前年同月比だけ見ては分からないが、ANAの札幌線と沖縄線のみが開港時から順調に推移している。
というのも、ANAの札幌線は開港初年3月に5595人、翌年(震災月)が4240人、その翌年は5605人、そして今年は6186人と過去最高となっているのである。
沖縄線にあっても、6402人が6189人となり、6015人となり、今年は6653人とやはり過去最高となっているのである。
一方、今回対前年同月比で182.6%と飛躍的に伸びたFDAの鹿児島線であるが、ANAとは異なり、初年3月に4313人だったものが、翌年には2111人、それが2009人となり今年ようやく3668人と初年の壁が厚く伸びている路線とはいいがたい。
同じく、今回対前年同月比で2番目に高い128.4%の福岡線にあっても、12174人が5656人となり、7541人となり今年が9683人であり、札幌・沖縄線と比べれば明らかに、回復途上といえこそすれ、伸長している路線とはいいがたいのである。

次に国際線であるが、台北線が加わったにもかかわらず、対前年同月比で93.2%となっていることからも分かるとおり低迷が続いている。
搭乗率が65%を超えているのは台北線の71.1%みであり、ソウル線や上海線はまさに県民の税金からの補助金でかろうじて生命維持しているという状況である。

先日紹介のとおり、貴重な県の財源が、空港利用者を増やせばハッピーとばかりに県の役人らによって旅行者にばらまかれ、あるいは自から視察旅行に興じるため費消され、県民の借金として後世代につけ回されており、県勢の発展は安普請のはりぼて構想に蝕まれている。
もしこのお荷物空港がなかったら、と考えると前知事石川嘉延は実に罪深い。比べるのも失礼かもしれないが、サッチャーへの賞賛とは天使と悪魔くらいの差が見える。
現在すでに人口減少傾向が顕著で、全国平均以上の人口減少が国立社会保障・人口問題研究所から予測された静岡県。遠からず清算すべき時が来るだろう。

以下に今月の実績を記す。
<平成25年3月の実績:対前年同月比>
路線:搭乗者数対前年同月比(H25.3/H24.3):搭乗率[H25.3;H24.3]

札幌線:92.9%(6,237人/6,717人):[79.4%;72.0%]
福岡線:128.4%(9,683人/7,541人):[66.3%;76.8%]
沖縄線:110.6%(6,653人/6,015人):[85.0%;84.3%]
鹿児島線:182.6%(3,668人/2,009人):[80.4%;74.9%]
国内定期便計:117.8%(26,241人/22,282人):[75.3%;76.9%]

国内線チャーター便計:0.0%(0人/238人):[-%;79.3%]

国内線計:116.5%(26,241人/22,520人):[75.3%;76.9%]

ソウル線:89.1%(11,339人/12,720人):[59.4%;66.5%]
上海線:64.9%(1,239人/1,909人):[41.5%;61.1%]
台北線:-%(2,920人/-人):[71.1%;-%]
国際線定期便計:105.9%(15,498人/14,629人):[59.1%;65.8%]

国際線チャーター便計:41.9%(1,527人/3,647人):[96.2%;67.6%]

国際線計:93.2%(17,025人/18,276人):[61.3%;66.1%]

全路線計:106.1%(43,266人/40,796人):[69.1%;71.7%)]

平成25年度静岡空港関係予算集計

2013-04-07 21:24:00 | H25県予算評価
平成25年度の静岡空港関係の当初予算の内容を取りまとめたので以下に画像掲載及びPDF掲載する。
個別の予算調書については今後順次掲載する。






昨年度の予算よりも約7億円減少しているが、これは「空港ティガーデンシティ」関係施設の整備と旅客搭乗橋整備というハコモノ関係事業の終了による。
ただし、先日の報道では、需要予測の1/3程度に過ぎない利用者にもかかわらず新たに国内線ターミナルビルを増築するなどという構想も出ておりハコモノ追加投資は圧力は今後も強まりそうだ。
島田のコンベンション構想も、幸いにも今は川勝知事の慎重姿勢でストップしているが、沼津市の高架化事業同様、知事が代われば急激に動き出すことは確実だろう。
無駄な空港関係投資は空港完成で終わるわけではないとはいわれていたが、関連して次々と無駄な投資がハード・ソフト共に生み出される様は費用対効果を考えないですむ役所体質のたまものである。

<PDF版>
平成25年度空港関係予算集計