「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

マニュフェスト出揃うも、目指す国家像は見えず

2009-07-31 20:22:00 | 日記
自民党が遅ればせながらマニュフェストを発表し、各党の政権公約が出揃った。
自民党のマニュフェストは要獅フみで本体はまだ読んでいないが、今得ている情報から見て各論ばかりが目立つ。
もちろん具体的に「こうします」というのは必要であり、単なる抽象論よりも好感が持てる。
さらに、工程表というのは誠実さも見て取れる。
しかし、それら各論を貫く国家像というか理念は?というところが見えない。
政策は各個に見れば必要性はあるという結論にいたりやすいものであるが、財政も逼迫し今後の高度成長戦略の絵図も見えない状況にあって、どちらを、何を基準に、選択実行していくのかという問題は必ず生じるのであって、これを明らかにするのが政権政党の国家観というものである。

その国家観の違いが最も見て取れるのが社会保障の分野。
では、それぞれのマニュフェストを実現したとして、新しい全体像は見えないことはもちろん、それがアメリカ型に近づこうとするものなのかヨーロッパ型に近づこうとするものなのかもよくわからない。
日本型の場当たり的補修に終始するだけでは4年といえども持たないだろう。

こんな悠長なことをいってよいかとも思うが、今回は客寄せ安物商品のばら撒き競争下のこっちがダメならあっちの消費選択行動段階と見て、その次の選挙での本格的国家像選択を期待しよう。
実際、国民も新たな負担増なしでは医療、福祉、雇用にわたるナショナルミニマムの維持さえままならないことぐらいはうすうす気付いているはずなのだから。

搭乗率保証見直しにあっても説明責任を

2009-07-30 23:33:00 | 静岡空港
公表されたうちでどん底だった7月2日の福岡路線の搭乗率は58.0%
県議会で明らかにされた7月23日の搭乗率は61.9%
21日間で3.1%向上した。
では、この時点で、保証をやめなくてよかったといえるか?
答えはノーである。
保証額は保証期間内の日数をy、その間の平均搭乗率をz%とすれば、(欠航を考えない単純計算で、)
752(席/日)×15,800(円/席)×y(日)×z/100
となる。

7月2日(29日間)で58.0%の保証額と、7月23日(50日間)で61.9%の保証額を比べてみてほしい。
各自計算してみてもらいたいのだが、額は増えている。
逆に、額が変わらない場合とはどのようなときかといえば、7月3日から7月23日までの平均搭乗率が70%のケースであることも確認されたい。
また、保証額が減るケースとは、70%を平均的に超えるようになったときだけということも分かるだろう。

すなわち、額が増えるということは、現時にあっても平均的に70%は超えられないということを意味する。
例え平均搭乗率が上がろうとも保証額は増え続けているのである。

これから夏休みで需要が上がり、この夏の間の平均搭乗率が70%を超えるとの見込みなら続けるのに何ら支障はないだろう。
だが、県において何らの見通しは示されない。
政策の効果とタイミングをどのような根拠で図っているのかまったく不明である。

見直しの重大な時期を迎えているらしいが、是非、結論だけではなく、根拠を示したもらいたい。それが、説明責任というものだ。

連合静岡に推された知事にできるのか、労働委員報酬日当制

2009-07-29 23:35:00 | 川勝知事公約寸評
開催中の県議会で自民党県議の質問に対して知事は行政委員会(労働委員会等)の報酬の見直しに言及した。
これは、今年1月、大津地裁において労働委員会などの非常勤である委員の報酬が地方自治法で定める日当制の原則の趣獅ノ反して月額報酬かつ高額であることから違法との判決が出たことを受けての質問である。
既にこのブログでも地方行政の悪慣行として取り上げているhttp://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/328.html

石川県政時代のオール与党体制下での議会質問ではタブーともいえるものであるが、是々非々というだけあって、ずばり核心を突いた質問で評価できる。
さて、その質問に対するダメ勝知事の答弁であるが、日額による報酬に改めることも念頭に特別職報酬等審議会を設置して検討するとのこと。

27日の公明党県議の代表質問の再質問で、「研究、検討はやらないということだと思うが」と突っ込まれたばかりなのに学習していない。

ちなみに、知事を押した連合静岡の利権ャXトの「静岡県労働委員会」委員の報酬は15人で年間39,900,000円。
委員長等役職考慮しない単純計算で一人当たり年間2,660,000円(月額換算約22万円)である。
事務方の県職員がお膳立てする委員会に月に数日の出席でこの報酬は大津地裁の事例同様、明らかに高額の範疇。

言葉はもう沢山。実際どういう成果を出せるんだい?川勝平太くん。

ハコモノ「東部CC」建設推進明言、早くも公約骨抜き。転がされたダメ勝

2009-07-27 19:37:00 | 川勝知事公約寸評
「ハコモノ建設計画は白紙とし1年以内に必要性をゼロベースで見直します。そのために、県民目線でハコモノの費用対効果をチェックします。」
マニュフェストでこのように公約した川勝。

今日の県議会では態度一転、沼津駅北に計画されている会議場と展示イベント施設などからなる複合施設「東部コンベンションセンター」の整備事業について、「多様で先進的な人、もの、情報の交流機能が高まる」などとして評価した上で、事業の推進に努めてまいると明言した。
まさに師匠譲りの「うそも方便」「君子豹変す」だ。
さらに、
「県民が傍聴する中で第3者の専門家による『事業仕分け』を2年以内に完全実施し、「廃止、民間への委託、内容の見直し、継続」の評価を公開します。」という公約についても、公明党県議からの新規の事業はやらないということかとの核心を突いた再質問に、
「新規の事業はまず事業をやって、その上で(第3者機関に)お諮りしたい」
と、新規事業は除外という骨抜きを早くも露呈。
これを空港事業で例えれば、まず建設して開港してからお諮りしたいというようなもので、これでは何の歯止めにもならない。

加えて、その空港事業に関して、先日なされた行政監査への反省のない回答http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/433.htmlについて評価を聞かれ、空港部長に答弁させ川勝知事体制として是の姿勢を示し、役人と二人三脚の「チーム川勝」(知事に質問しているのに部長が答弁しているが、部長の答弁は知事の認識と同じと考えていいかとの質問に、これは「チーム川勝」という形での答弁、として肯定した)をアピール。
前将軍様ご寵愛の劇団SPAC(舞台件p)も東海道件p街道の重要な核だとして引き続きの支援を早くも明言。

「日本に今、官僚主導の政治をやめるという風が吹いている。その風を静岡から起こす。」との街頭での訴えは何だったのか。
政治・行政能力の欠如という足元を見られ完全に役人に転がされている。
当選し、一つの象徴的公約を達成するや官僚の上に乗って無為に時を過ごし役人任せだった青島都政を思い出す。
川勝県政にあっては、その達成が夏季限定で小学生に県立美術館を無料開放しただけということにならなければよいのだが。

ダメ勝知事、改革は役人と二人三脚でやるのが筋!?

2009-07-25 21:49:00 | 川勝知事公約寸評
野党となった自民党県議から「がっかりした。知事の答弁は当局側の原稿を読んでいるばかりで、今までと何も変わらない。」などと挑発された知事。
何を言い出すかと思えば、「部長、局長会議を頻繁に開き、県幹部に私の政治姿勢を学んでいただいている。改革は県庁の優れた人材と二人三脚でやるのが筋」と事務方との協力姿勢を強調した(読売新聞2009.7.25)、とのこと。
改革の衣をまといながらもその裏で役人の手のひらの上というのは単なる答弁棒読みよりも罪深い。
役人を使いこなすといって、いいように使われている世間知らずの麻生太郎のミニチュア版を見ているようだ。

さらに自民党県議から、知事が自治労静岡県本部との間で政策協定を結んでいることを筋書きのない再質問の中で暴露され、公務員制度改革に疑念を糾された川勝平太、「まず隗より始めるということで、7時にくるつもりですが県庁のドアが閉まっていて8時にきている」などとわけの分からない答弁で狼狽ぶりを露呈。
要は、自分はがんばってるんだから県職員もがんばって改革してくれるはず、と言いたいらしいが、二人三脚の役人が作った原稿なしではとてもやっていけないことは事実のようだ。
結局、メディアの報じた初答弁の評価は、

本人:
川勝平太「無事に終わったことを考えて60点」(毎日)
与党:
岡本護県議(平成21)「最初だから及第点をあげていい。」(中日)

野党:
小楠和男県議(自民党)「議会答弁のデビューがあの棒読みでは知事として汚点。理想ばかりで、答弁の中身はまだまだ不十分」(読売)
阿部時久県議(公明党)「郷に入って郷に従ったら改革はできない。現実に直面し、戸惑いを感じているかもしれないが、県民へのメッセージとしては落第点」(中日)
花井征二県議(共産党)「評価すべき点もあったが、前の石川県政と変わらないという印象も持った。今後も是は是としながら厳しい目で臨みたい」(中日)

など自他ともに厳しい評価が、期待はずれを象徴している。

せめて答弁原稿に自分なりの考えでも加えていれば棒読みでも多少は評価されただろうに、FDAの就航記念のトップセールス旅行にお忙しくて、答弁書に手を入れる暇がなかったようだ。
「空路は地域と地域、互いの文化をつなぎ、ビジネスチャンスが拡大すると実感できた」というトップセールス後のせりふも身銭を切らない御仁のたわごと。
今後、県政は役人任せでトップセールス名目の税金旅行に御執心となるのか。

石川の方がまだマシとだけは言われないよう、経済史ばかりではなく少しは現実の政治・行政・経済を勉強してがんばってもらいたいものだ。