先日行った「平成25年度当初予算案に関する公文書開示請求」の開示決定通知の中に2通の「公文書部分開示決定通知書」があり、そのうちの1通は標題誤りで差し替えをしてもらったが、残る1通については異議申立てを行った。
本日、この結果が通知されたので全国の公文書開示請求活動の参考として紹介する。
<当初の公文書部分開示決定通知書>
このの事案は、結果として部分開示はやむを得ないと思える事例であるが、その理由に認識の誤りが認められたため異議申し立てを行ったものである。
「一般職の非常勤職員の氏名は、一般に公開されておらず」という理由をもってなぜ「条例第7条第2号ただし書きのいずれにも該当しない」と言えるのか全く不明であり、何よりもこの理由からは「一般職の非常勤職員」が「公務員等」に該当するものとして条例第7条第2号ただし書きウについて検討されたのかが全く不明である。よって、以下のとおり異議申立を行ったものである。
<異議申立て>
平成25年3月21日
静岡県知事 川勝 平太 殿
異議申立人 ○○ ○○
異議申立書
次のとおり異議申立てをする。
1 異議申立人の住所・氏名・年齢
<略>
2 異議申立てに係る処分
貴職から意義申立人に通知された、平成25年3月13日付け健管政第167号「公文書部分開示決定通知書」に係る処分
3 異議申立てに係る処分があったことを知った年月日
平成25年3月20日
4 異議申立ての趣
上記2の処分は静岡県情報公開条例第7条第2号ただし書きの適用に瑕疵があり、行政手続条例第8条に定める適法な理由提示の要件を欠いた違法な処分として、本件処分を取り消すとの決定を求める。
5 異議申立ての理由
本件「公文書部分開示決定通知書」中の「開示しないこととした部分、その根拠規定及び当該規定を適用した理由」において、静岡県知事は「事業概要等の説明に記載された非常勤職員の名前」の非開示の根拠規定を「静岡県情報公開条例第7条第2号」とした上で、その適用理由として「非開示とした部分には、一般職の非常勤職員の名前が記載されており、特定の個人が識別される。」「また、一般職の非常勤職員の氏名は、一般に公開しておらず、条例第7条第2号ただし書きのいずれにも該当しない。」と主張している。
この適用理由について、前段の「特定の個人が識別される」ことは是認するが、後段の「条例第7条第2号ただし書きのいずれにも該当しない」との主張は認めがたいので、以下に疎明する。
条例第7条第2号の趣獅ヘ、個人のプライバシーを保護するため個人識別情報を原則非開示とする一方で、個人の権利利益を侵害せず非開示にする必要のないもの及び個人の権利利益を侵害しても開示することの公益が優先するため開示すべきものについて例外的に原則を非適用とし、個別具体的にその開示・非開示をただし書きア~ウの適用によって判断するものである。
そこで、同条同号ただし書き「ウ」の適用について考えるに、開示非開示の判断対象となる個人として同ただし書きが適用されるのは「地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員」と規定されているところ、本件非開示の対象となっている個人情報は静岡県の「非常勤職員」の氏名であるとのことであり、当該「非常勤職員」は「地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員」であることから、県知事主張の「条例第7条第2号ただし書きのいずれにも該当しない」との主張には同条同号ただし書きの適用を誤った瑕疵があり、行政手続条例第8条に定める適法な理由提示の要件を欠いた違法な処分として取り消されるべき処分であると思料する。
6 処分庁の教示の有無及びその内容
本件「公文書部分開示決定通知書」において「この決定があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、静岡県知事に対して異議申立て(審査請求)をすることができます。」との教示があった。
7 添付書類
本件「公文書部分開示決定通知書」の写し 1通
以上
そして、結果は以下のとおり、当初の決定は要求どおり取り消された。
ここでの肝は「職務の遂行に係る情報にも当たらない」としているところで、これは、一般職の非常勤職員が条例第7条第2号ただし書きウの公務員等に該当すると認めた上で、ウの後段非該当をもって非開示としたということである。
実際、異議申立て時にはあえて伏せたが、本県の「非常勤職員身分取扱要綱」においては、その第1条に「地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する非常勤の職員」と、明確に記されており、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員の区分を規定した同3条に該当するということはすなわち条例の「公務員等」に該当するということは明々白々の事実でなのである。
昨年のあるはずの文書を無いという事例といい、最近、公文書開示請求のたびにずさんな事務対応が繰り返されている。
一昨日公開した予算調書の中にも年度が昨年度のままであるところが散見されるなど、漫然と前例どおり事務処理するという体質が蔓延しているようだ。
平成25年度予算の紹介で指摘したとおり、事業も委託などでの丸投げが常態化しているのと同じで、今の県庁は学習したり考えたり行動する力が衰えているのではないだろうか。
行政は誤らないというのはもはや過去。県民各位にあってはよりよき未来のために、静岡県庁(役人)は間違うものとしてしっかり監視し所要の対応を取って鍛えていただきたい。
私も身近なところから監視と指導を強化していきたいと思う。
本日、この結果が通知されたので全国の公文書開示請求活動の参考として紹介する。
<当初の公文書部分開示決定通知書>
このの事案は、結果として部分開示はやむを得ないと思える事例であるが、その理由に認識の誤りが認められたため異議申し立てを行ったものである。
「一般職の非常勤職員の氏名は、一般に公開されておらず」という理由をもってなぜ「条例第7条第2号ただし書きのいずれにも該当しない」と言えるのか全く不明であり、何よりもこの理由からは「一般職の非常勤職員」が「公務員等」に該当するものとして条例第7条第2号ただし書きウについて検討されたのかが全く不明である。よって、以下のとおり異議申立を行ったものである。
<異議申立て>
平成25年3月21日
静岡県知事 川勝 平太 殿
異議申立人 ○○ ○○
異議申立書
次のとおり異議申立てをする。
1 異議申立人の住所・氏名・年齢
<略>
2 異議申立てに係る処分
貴職から意義申立人に通知された、平成25年3月13日付け健管政第167号「公文書部分開示決定通知書」に係る処分
3 異議申立てに係る処分があったことを知った年月日
平成25年3月20日
4 異議申立ての趣
上記2の処分は静岡県情報公開条例第7条第2号ただし書きの適用に瑕疵があり、行政手続条例第8条に定める適法な理由提示の要件を欠いた違法な処分として、本件処分を取り消すとの決定を求める。
5 異議申立ての理由
本件「公文書部分開示決定通知書」中の「開示しないこととした部分、その根拠規定及び当該規定を適用した理由」において、静岡県知事は「事業概要等の説明に記載された非常勤職員の名前」の非開示の根拠規定を「静岡県情報公開条例第7条第2号」とした上で、その適用理由として「非開示とした部分には、一般職の非常勤職員の名前が記載されており、特定の個人が識別される。」「また、一般職の非常勤職員の氏名は、一般に公開しておらず、条例第7条第2号ただし書きのいずれにも該当しない。」と主張している。
この適用理由について、前段の「特定の個人が識別される」ことは是認するが、後段の「条例第7条第2号ただし書きのいずれにも該当しない」との主張は認めがたいので、以下に疎明する。
条例第7条第2号の趣獅ヘ、個人のプライバシーを保護するため個人識別情報を原則非開示とする一方で、個人の権利利益を侵害せず非開示にする必要のないもの及び個人の権利利益を侵害しても開示することの公益が優先するため開示すべきものについて例外的に原則を非適用とし、個別具体的にその開示・非開示をただし書きア~ウの適用によって判断するものである。
そこで、同条同号ただし書き「ウ」の適用について考えるに、開示非開示の判断対象となる個人として同ただし書きが適用されるのは「地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員」と規定されているところ、本件非開示の対象となっている個人情報は静岡県の「非常勤職員」の氏名であるとのことであり、当該「非常勤職員」は「地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員」であることから、県知事主張の「条例第7条第2号ただし書きのいずれにも該当しない」との主張には同条同号ただし書きの適用を誤った瑕疵があり、行政手続条例第8条に定める適法な理由提示の要件を欠いた違法な処分として取り消されるべき処分であると思料する。
6 処分庁の教示の有無及びその内容
本件「公文書部分開示決定通知書」において「この決定があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、静岡県知事に対して異議申立て(審査請求)をすることができます。」との教示があった。
7 添付書類
本件「公文書部分開示決定通知書」の写し 1通
以上
そして、結果は以下のとおり、当初の決定は要求どおり取り消された。
ここでの肝は「職務の遂行に係る情報にも当たらない」としているところで、これは、一般職の非常勤職員が条例第7条第2号ただし書きウの公務員等に該当すると認めた上で、ウの後段非該当をもって非開示としたということである。
実際、異議申立て時にはあえて伏せたが、本県の「非常勤職員身分取扱要綱」においては、その第1条に「地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する非常勤の職員」と、明確に記されており、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員の区分を規定した同3条に該当するということはすなわち条例の「公務員等」に該当するということは明々白々の事実でなのである。
昨年のあるはずの文書を無いという事例といい、最近、公文書開示請求のたびにずさんな事務対応が繰り返されている。
一昨日公開した予算調書の中にも年度が昨年度のままであるところが散見されるなど、漫然と前例どおり事務処理するという体質が蔓延しているようだ。
平成25年度予算の紹介で指摘したとおり、事業も委託などでの丸投げが常態化しているのと同じで、今の県庁は学習したり考えたり行動する力が衰えているのではないだろうか。
行政は誤らないというのはもはや過去。県民各位にあってはよりよき未来のために、静岡県庁(役人)は間違うものとしてしっかり監視し所要の対応を取って鍛えていただきたい。
私も身近なところから監視と指導を強化していきたいと思う。