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「富士山静岡空港利用促進協議会」のチラシから抜粋
静岡空港利用者数(搭乗者数)の推移
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(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で6か年を比較したグラフです。
静岡空港の利用者数は開港6年目の11か月目の4月実績にしてようやく開講初年の実績を超えました。
牽引役となったのは国際線です。
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全国的には復調している韓国からの訪日需要は取り込めず過去最低となる反面、GW中に前年同期比で2倍の訪日入国を成田空港で記録するなど勢いの衰えない訪日中国人をターゲットにした路線の取り込みが大きく貢献し、4月として過去最高の利用客数となったからです。
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一方、国内線にあっても開講初年の実績を超えるには至っていないものの、やはり増加しています。
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特に堅調に増加しているのが唯一のビジネス路線である福岡線です。
冒頭のチラシは県の税金をばらまくための補助金迂回配布団体「富士山静岡空港利用促進協議会」のものですが、この予算は県の平成27年度当初予算においては2500万円と見積もられています。
そもそも「富士山静岡空港利用促進協議会」への補助金は開港初年度には4千万円程度だったものですが、いまや2億5,736万円に及ぶほどにふくれあがっています。
堅調に見える国際線の誘致も、実はこの迂回補助金と、さらにこれとは別の県直接の定期便就航航空会社向けの「空港旅客ターミナルビルの使用料と電気料を全額補助」及び着陸料無料があってのことなのです。
加えて、空港予算とは別の観光振興課の観光予算からも、中国などからのツアーが来たときにその使用するバスへの補助や、中国での旅行商品売上1人につき千円の補助金など手厚い空港利用促進のための予算が投じられているのです。
先月紹介した空港のない山梨県のようにどこから入国したかにこだわらずに県内への訪日外国人の取り込みに観光予算を使った方がずっと効果的と思われますが、我が県ではそうした冷静な実利判断よりも、全国的な訪日外国人割合としてはわずかであっても静岡空港の利用者数のアップ、しかも経費増におかまいなしで、が絶対的県是となっているのです。
結局、利を得ているのは中国の就航航空会社で、定期便とチャーター便をうまく組み合わせて県民の税金からの補助を得て他空港よりも低コストでの就航を得ています。
こういった金撒きが続く限り利用者はその額相応に増えるでしょうが、全国レベルの訪日外国人増加の経済的恩恵・利益伸長に比べて結局は劣る結果となり、県民の利益は損なわれることとなるでしょう。
いまの静岡県は、まるで冷静な判断力を失い無謀に戦局を拡大していった敗戦直前の日本のように見えます。