「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

鈴木康友新知事、早くも東部を切り捨て、東部への医学部誘致公約を撤回

2024-05-29 16:53:38 | 川勝後の静岡県政
「これは不可能ではない。すでにアテも少しある」として静岡県東部への医学部誘致構想を知事選で語っていた鈴木康友。
「やります」の公約はあくまで県西部だけのことのようで、今日の就任会見で早くも「可能性としてはゼロではないと思うが、ハードルが高いと思っている」と事実上の撤回に。
金にならないからなのか本当に無理だと思ったのかは分からないが、東部・中部での公約はハードルが高ければやらないのだから、やはり浜松のドーム球場への執着というのは別格のようだ。
だからといって、代わりにと東部には利権の絡む中国系太陽光発電誘致なんてことにならなければ良いのだが、、、

「遠州泥棒」「駿河乞食」「伊豆餓死」、静岡県知事選挙で見た地域性と鈴木康友の今後

2024-05-28 08:00:45 | 川勝後の静岡県政
現在の静岡県は、はるか平安の昔からあった3国から形成されています。
大井川と狩野川辺りを境に
遠江国(14郡96郷)、駿河国(7郡59郷)、伊豆国(3郡21郷)
という構成であったとされるものです。

そして後世になって各地域の人柄を端的に表す言葉として有名なのが、「遠州泥棒」「駿河乞食」「伊豆の餓死」。
これは飢饉などが起きたとき、
遠州(遠江)の人は泥棒をしてでも食べ物を手に入れる
駿河の人は為政者などに物乞いをする
伊豆の人はそのまま餓死してしまう
という、住民の性格の地域性を喩えたものです。

今回の選挙ではこの地域性がよく出たのではないでしょうか。
西部8市町のみの勝利にもかかわらず特に浜松市での投票率・得票率の高さで当選した鈴木康友(浜松市)と、それ以外の27市町で全勝しながらも敗北した大村慎一(静岡市)。
結束しやすい遠州の性格がおっとり型の駿河や伊豆を凌駕したように見えます。

今日の静岡新聞朝刊では早速、東部の首長による県政の西部重視への懸念が報じられています。
富士市長は
「公平性を欠くようなことがあればオール静岡はなんだったのかということになる」と牽制し均衡の取れた支援を求め、
伊豆市長も
浜松市での新野球場をどう裁くのか西部重視の試金石として注視するとの考えを示し、実質、やるなら同規模の投資を求め、
三島市長も
国や県が絡む大型プロジェクトや地域課題解決への支援をと、西部同様の大盤振る舞いの支援を求めるなど、やはりお上に頼るだけの地域性がよく出ています。
言葉での争いは終わりました、県西部だけで勝利した鈴木康友が今後どう県政運営するのか、具体的行動が県民に注視されることは確実です。

地域間で明確に分かれた選挙結果の偏りが新知事に与える影響は全く分かりませんが、結果、東中部であってもそれで良かったと感じられることとなるのか、百姓一揆のように不満が噴き出すこととなるのか、この4年間に鈴木康友が現に見せてくれるわけですから興味を持って見ていき記録していきたいと思います。

オール浜松の暴風が中部・東部・伊豆の風を抑え、鈴木康友が新知事に

2024-05-27 07:25:44 | 川勝後の静岡県政
ここまで地域間の差が出るとは。
県東部で54%、県中部で55%の過半を得た大村慎一に対して、県西部の63%の票を固めた鈴木康友が勝利したのだから。ちなみに全県で見ても過半の得票を得ての勝利ではない。
アメリカの大統領選のように州単位総取りの仕組みなら結果は違ってくるが、全県一人一票で票の地域色は無関係な以上、大票田をまとめたものが勝利するという構造は今後も続かざるを得ないだろう。つまり西高東低は続くということである。
「やらまいか」の新知事が「やります」と言って当選した以上、浜松だけでなく相応の投資が全県にばら撒かれるのであろう。結果として、その負担を背負うことになるのは次世代の県民となるにもかかわらず。
また、重視しない地域や合併が進まなかった地域には、川勝同様一地域担当の副知事を置き自身の直接の責任(守備範囲)から遠ざけ、副知事を使って間接的に、金を生まない地味な政策課題にあっては徹底したコストカット化を迫られるだろう。(*川勝は伊豆担当の副知事を置き、合併が進まなかった賀茂地域の共同事務化推進という実質の合併策を副知事に進めさせた)
そしてこれは中国企業寄りの政策同様、しっかり見ていかなければならない今後の視点である。
幸にして4年後にはまた選挙がある。
今回と違って時間は十分ある。
地域の利害を置いても県民が積極的に選択したくなるような候補者が、次こそは静岡県にも現れて欲しいものである。

岐阜で起きたリニア水枯れ事件で揺らぐ静岡知事選候補者の立ち位置

2024-05-21 07:34:30 | 川勝後の静岡県政
岐阜のリニア工事現場付近で14か所の井戸や水源で水位の低下や水枯れが起きた問題が現在進行している静岡県知事選挙に影響を及ぼしている。
大村慎一、鈴木康友ともに出馬表明当初からリニア推進を表明し、水問題はもはや問題ではないかのように「配慮」という言葉でやり過ごしていたが、その後水問題などを理由にリニア工事に反対する候補が出たり岐阜の水事件が大きく報道されるに至って、両者ともにリニアの水問題を重視した発言をせざるを得なくなってきたのである。

特に大村慎一は公約としていたリニア問題について突如「1年以内に結果を出す」と、みんなの意見を聞くという最初のイメージ戦略とは真逆の強引さ(リーダーシップ)を打ち出すかのような公約を出し懸念を持たれていたが、JRの対応に問題があるなどとして「1年以内に解決する公約はいったんストップした」と豹変。

一方の鈴木康友も、具体的な解決に向けて協議は詰めの段階にあると、田代ダム案で水問題など大きな問題はもう残っていないかの如く、次の段階である静岡空港新駅の整備促進協議をJRと行うなどの具体的取引に言及し得られるメリットを強調していたが、ここにきて川勝の慎重姿勢を評価するとして水問題重視を強調する姿勢を強調している。

突然の知事選で勉強が足りないのはわかるが、どちらも、軽率との謗りは免れない。

にも書いたが、血管のように地中を巡っているみず道が全て解明されない限りリニア水問題はギャンブルをするかしないかの問題でしかない。

いったん水を失ったなら元には戻せず、まして因果関係の証明など不可能に近い。
だからこそ、リスクがあることを偽りなく伝えた上で、
政治家や専門家でなく流域の利水者(もちろん全員とは言わないが)が納得をしないままで解決した、と言えるような問題では決してないのである。

鈴木康友、浜松新球場だけでなくその周辺整備にも県負担を求める本性現す

2024-05-02 06:08:15 | 川勝後の静岡県政
川勝時代、浜松市総合水泳場のある篠原地区の新整備全て県負担を求めてきた鈴木康友浜松市長。
これに対して、県民負担を懸念する川勝は、球場は県が浜松市を支援する形で作るが、土地取得やそれ以外の周辺施設整備は浜松市が計画し行うべきと考えていたことは先日
及び
で紹介したとおりであるが、ついに鈴木康友が「オール浜松」であることが露呈した。
昨日、マスコミの取材に鈴木康友は「ドームを中心としたボールパークを県、浜松市、民間が一緒に整備する」と述べたのである。
川勝が想定していた以上の過大な負担を県(県民)に求め浜松市(市民)の負担を減らすという元浜松市長らしい主張であるが、今回は県知事を選ぶ選挙である。
このようなあからさまな浜松市贔屓はいかがなものか。
「やります」が公約とばかり、政財界に配慮しオール静岡だからと東部や中部にも同規模で税金投入で箱物整備となれば県民負担はさらに大きくなる。
これもやはり問題だ。
全く何を考えて「やります」なのか、不安でしかない。
誰のために知事になりたいのか。浜松政財界のためならはっきりそう言えばいい。
そうでなければ考えを改めてもらいたい。