現在の静岡県は、はるか平安の昔からあった3国から形成されています。
大井川と狩野川辺りを境に
遠江国(14郡96郷)、駿河国(7郡59郷)、伊豆国(3郡21郷)
という構成であったとされるものです。
そして後世になって各地域の人柄を端的に表す言葉として有名なのが、「遠州泥棒」「駿河乞食」「伊豆の餓死」。
これは飢饉などが起きたとき、
遠州(遠江)の人は泥棒をしてでも食べ物を手に入れる
駿河の人は為政者などに物乞いをする
伊豆の人はそのまま餓死してしまう
という、住民の性格の地域性を喩えたものです。
今回の選挙ではこの地域性がよく出たのではないでしょうか。
西部8市町のみの勝利にもかかわらず特に浜松市での投票率・得票率の高さで当選した鈴木康友(浜松市)と、それ以外の27市町で全勝しながらも敗北した大村慎一(静岡市)。
結束しやすい遠州の性格がおっとり型の駿河や伊豆を凌駕したように見えます。
今日の静岡新聞朝刊では早速、東部の首長による県政の西部重視への懸念が報じられています。
富士市長は
「公平性を欠くようなことがあればオール静岡はなんだったのかということになる」と牽制し均衡の取れた支援を求め、
伊豆市長も
浜松市での新野球場をどう裁くのか西部重視の試金石として注視するとの考えを示し、実質、やるなら同規模の投資を求め、
三島市長も
国や県が絡む大型プロジェクトや地域課題解決への支援をと、西部同様の大盤振る舞いの支援を求めるなど、やはりお上に頼るだけの地域性がよく出ています。
言葉での争いは終わりました、県西部だけで勝利した鈴木康友が今後どう県政運営するのか、具体的行動が県民に注視されることは確実です。
地域間で明確に分かれた選挙結果の偏りが新知事に与える影響は全く分かりませんが、結果、東中部であってもそれで良かったと感じられることとなるのか、百姓一揆のように不満が噴き出すこととなるのか、この4年間に鈴木康友が現に見せてくれるわけですから興味を持って見ていき記録していきたいと思います。