おいしい再会

子供の頃、白人男女の映像のハーゲンダッツのCMが一体何のことだか意味がわからなかった。
近所の商店や農協にはハーゲンダッツアイスクリームは置いてなかったので、私の世界には存在しなかったのだ。


小学生の頃、クリスマスに母が近くのホテルのチキンとサラダのセットを予約した。
それにドレッシングがついてきた。
この世にこんなにおいしいドレッシングがあるのかとびっくりした。

それ以来、そのドレッシングを切望したが、かなわなかった。自分でドレッシングを作るときにはいつもあの味の幻影を追い求めている。


ところが、昨年の年末、町田の成城石井で劇的な再会をした。

パッケージとドレッシングの原材料が酷似している。３０年前の感動が鮮明に蘇った。

迷わずすかさずゲット！
正月実家にてそのドレッシングを開封！
まさにまさに、あのドレッシングだ！
弟もそのホテルのクリスマスセットを覚えていた。


大人になって、あのCMがハーゲンダッツアイスクリームの宣伝だったと知った時、世界のパズルのピースがパチリとはまった感覚がした。

今回も３０年の時を経て過去と現在が織りなされ、形成していく未来にも出現する過去…もう意味がわからんが、生かされ生きている不思議まで感じてしまった感慨深いドレッシングとの再会であった。