クラブボクシング@ゴールドジム湘南神奈川

普通、湘南辻堂といえばサーフィンなのにボクシングでひたすら汗を流すオッさん達のうだうだ話!

転んでもタダでは起きなかった頃

2015年12月23日 | あの頃 朴は若かった
私の足の拇指(親指)は酷い巻爪でマメに手入れしないと肉を抉るように伸びてしまいます。そう、あれは1985年8月のこと。

某証券会社池袋支店で東池袋地区を飛び込み営業していた頃。新人で慣れない革靴、それもお金もないので安い靴を履き潰すように一日何キロも歩きまわっていました。

不精な一人暮らし。明日朝に履く靴下を夜に洗濯し、乾き切らないうちに朝を迎え、気持ち悪いのを我慢して同じ靴下を履き、汗で蒸れた革靴をまた履き出勤。何キロも歩く日々が続きます。

その頃住んでいたアパートには風呂もなく、疲れて帰ると銭湯にいく気力もなくなります。身体を濡れタオルで拭くこともしばしばの不潔な生活を送っていました。

そうこうしているうちに左足拇指内側の巻爪からばい菌が入ってしまい真っ赤に腫れ上がって膿を持つようになってしまいました。

つま先が地面に着くだけで痛くて歩くこともままなりません。歩くのが新人の仕事ですから、歩けないのは仕事をしていないのと同じ。客も貰ってないので歩いて自分の客を獲得しなければなりません。

そうだ!
営業中に見つけたサンシャイン近くの池袋病院に行ってみよう!と意を決して病院へ飛び込みました。

診察に入り左足を見せると先生(デブでハゲ)は「あ~ これ、爪を剥がすしかないなぁ。じゃ、手術の用意して~」と恐ろしげな
ことをさらっと言いのけます。

「じゃ、麻酔打つね~」
「え、麻酔っすか?え?何処に打つんすか?」
「え?何処って、ここに決まってるでしょうが!」

と、中節骨、基節骨辺り、要は爪の生え際のすぐ下くらいの筋肉もほぼ無いような、骨の上にすぐ皮膚が貼り付いているところを嬉しそうに指差します。


「麻酔打たないと爪剥がす時痛いからね。でも麻酔もほら肉がないところに打つわけだからこれも痛いよ~」と嬉しそう。

「だからさ~、ほら、これをかけて冷やして感覚を無くさせるわけよ。」と瞬間冷却スプレーをシャカシャカと嬉しそうに降るんです。

まあ、ここまできたらしょうがない。足の指毛が凍るくらいスプレーをかけられ、いよいよ麻酔を親指の爪下あたりにゴリッ、ズブズブという音を立ててぶっ刺しました。

スプレーで感覚を無くさせたと言っても相当に痛い、痛い、痛い、痛い、涙目になりながら耐える私。

何故なら、これをきっかけに横の綺麗な看護師のねーちゃんに声を掛けようと考えていたので、いいとこ見せなければなりません。転んでもタダでは起きられないヤング朴竜!

超痛い麻酔注射をなんとか我慢し、指に感覚が無くなったところでいよいよ爪を剥がしにかかります。

先生が手にしたもの、それは先がニッパの形状になった長柄のハサミです。先生、ジョキジョキと嬉しそうに指を動かして待ち構えます。

そして、ジョリジョリジョリと爪を切り始め、ミシミシミシ、メリメリと云う音を残し爪を剥がし終えました。

綺麗な看護師のねーちゃんが患部を消毒し包帯を巻いてくれてようやくと治療が終わりました。あ、俺、息してなかったよ。

足を引きづりながら部屋を出ようとすると、待合室までねーちゃんが肩を貸してくれました。

よしよし!
こんな痛い思いをしたのだから、少しでも元をとらなきゃなりません。

翌日、患部の治療のために通院、それを2週間ほど続けながらねーちゃんとの距離を詰めて行く独身のヤング朴竜。

そして一ヶ月ほどした後に無事綺麗な看護師のねーちゃんとのお付き合いが始まったのです。

転んでもタダでは起きないヤング朴竜でした。

ま、何故かすぐ別れてしまいましたけれどね。