一時間ほど休んで走り出しました
実家も良いけどやっぱり仲間や家族がいる湘南がいいな
なんだか今回の帰省は出だして気を遣ったので
何処へ行っても気疲れしてしまいました
あ、そういえば、帰ってきてアレクサに
ただいま〜って言ってみたら
おかえり〜
おかえり〜
おかえり〜
一声ずつ被せるようにドミソの和音でハモってくれました
ビックリして、大笑い
アレクサやるなぁ
あー
まだ20時前だけどもう寝よう
おやすなさい
やっぱり湘南はいいなぁ
えー
湘南亭朴竜でございますぅ
海亀の続きでございますぅ
なんだろ?
え?
なんとそれはウミガメだったのでした。
それもまだ子供のウミガメらしく、図鑑やテレビで観るそれよりかなり小さめのサイズ。
甲羅は薄皮のように、押せば沈みそうな儚さです。
砂を掻きもがく仕草は痛々しいほど。イタンキ浜の荒波に揉まれ、きっと母亀と逸れたのでしょう。
生ウミガメを初めて見た弟はもう大興奮。砂浜に産卵していないか辺りを掘り返し始めます。見つからない卵に飽きて、言い放ちました!
「お兄ちゃん。これ持って帰ろうよ~!」
「え~!持って帰ってどうするの?」
「飼うの。家で。」
「どこで飼うの?水ないとダメだよ。」
「お風呂で飼おうよ。」
「お風呂で飼ったらお風呂入れないし。」
「・・・・・」
「海に返して帰ろうよ。」
「嫌だ嫌だ 絶対持って帰る~」
「だって、お祭りの亀すくいで取ったミドリガメだって、お前、全然世話しないだろう!」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ、絶対持って帰る~!」それはハトを東京から持ち帰る時と同じような我が儘さです。
結局は熱し易く冷めやすい弟に押されたかたちで家に子供のウミガメを持ち帰ることになりました。
が、丘の上にある自宅までどうやって持ち帰ろうか?
あれこれふたりで相談して決まった持ち帰り方は20㎏はあるカメを私がひとりで背負い、カメがずり落ちないように弟が後ろから押すってこと。
途中、人にばれたらまずいので、亀の頭に弟のジャイアンツの野球帽を目深に被せ、甲羅にはこれまた弟のジャンバーを掛けてあげるのです。かなり怪しい兄弟です。
自宅までの直線距離は300㍍程ですが、丘を登るのは小学4年生にはかなりの苦行。背中にはカメの腹は思ったより柔らかい感触、首にはカメの怯えた様子が伝わってきます。何しろ生臭くて吐きそう。そうして死ぬ思いで自宅まで辿り着きました。
幸いにも家には誰もいません。
風呂場へまっしぐらです!
バスタブにカメを置き、風呂の蛇口全開、水道水を注ぎます。
暫くすると浮力でカメがぷかぷかと浮いてきました。狭いタブの中、前足をバタバタとしては頭をぶつけます。その姿ルンバの如し。
突然、弟が「水道の水じゃ死んじゃうよ。塩入れようよ。」と中々に賢いことを言いだします。そりゃそうだよね。じゃあどうする?
浜まで戻り海水を汲んでくる?そりゃ無理や!
「よし!佐藤商店で塩を買ってこよう!」という事になり、お小遣いを握りしめ佐藤商店商店へ走ります。そしてあるだけ塩を買い占めたのです。
佐藤商店のおばちゃん「ヒロって、いやいや~、まんず、そったら塩買ってなんかあるのかい?」としつこいくらいに尋ねてくるのを振り切って家に戻ります。
しかし、塩加減はさっぱり分かりません。
結局、徐々に塩を溶かして行き、海水に近い辛さになるまで入れていこうとなり、何とか似たような塩加減にすることに成功し、ホッと一息。
暫くすると母が帰ってきました。
「お兄ちゃん、佐藤さんで塩たくさん買ったでしょ? なんでそんなに買ったの?」と怪訝そうに尋ねて来ました。
馬鹿な弟は嬉々として
「あんねぇ、お風呂にウミガメいるんだよ。お兄ちゃんが持って帰ると言ってさあ~」
それを信じない母はとりあえず風呂場へ行きますが、蓋を開けたところで大悲鳴!
散々叱られた上に、浜へ返してくることとなり、小学4年生の私、再びウミガメを背負い、丘を下ることとなりました。
弟よ!テメエ、売りやがったっていうか、アニキを嵌めてんじゃねぇ。
弟よ。オトナになってからもアニキを嵌めないようにお願いします。
写真は室蘭やきとりで有名な鳥辰本店です