しこたま:
“たくさん、どっさり”、という意味の言葉で、人や物・仕事などが大量にあることを言います。
私が主にこの言葉を使うのは、「(二日酔いになった時に)昨夜は、しこたま飲んだなぁ!」ですが・・・
この語源は未詳のようですが、「どっさりためる」を意味する上方語「しこためる」が、江戸語で母音交代して「しこたま」になったと考えられています。
また、もともと九州の方言で、「しこ」と「たま」が合成された言葉とする説もあります。
「しこ」は「これしかない」などと使われる「しか」のことで、相撲の「四股」が当て字として使われていたこともあり、そのイメージから重さなどの量の意味が強まったようです。
「たま」は「しこたま」と同様の意味で使われる「たんまり」が略されたものか、「貯める」の意味であろうと言われています。
「たんまり」は同様に“沢山あるさま。非常に多いさま。どっさり”の意味で、「たんまり儲ける」「たんまり(と)貯め込む」のような使われかたをします、
同じようなニュアンスの言葉に、「たらふく」がありますが、“腹いっぱいのこと”で、「足りる」や「足る」など、「十分になる」意味の動詞「足らふ(たらふ)」に、副詞語尾の「く」が付いたものとされています。
飲食物を腹いっぱいに摂取する意味の「足らひ脹るる(たらひふくるる)」が転じたとする説もありますが、江戸中期には、たらふくが「飽き足りるほど」の意味で用いられ、飲食物に限定されていない例があるようです。
漢字で「鱈腹」と書くことから、魚のタラの腹部が膨れていることや、タラが大変な大食漢であることに由来すると言われることが多いですが、「鱈腹」は当て字のようです。(まさ)