今回は、“虫偏”の文字に関する話題です。
「goo辞書」では、“漢字の偏の一。「蚊」「蝶 (ちょう) 」などの「虫」の称”とあり、通常では“虫偏”の文字は昆虫などを表すものとされています。
しかし、「蛙」「蜥蜴(トカゲ)」「蛇」などの爬虫類や、「蛤(ハマグリ)」「蜆(シジミ)」などの貝類や、「蝦」「蟹」などの甲殻類、更には自然現象の「虹」なども“虫偏”になっており、???です。
少し調べてみました。
◆「漢字教育士ひろりんの書斎」では、
“虫は蛇の象形文字で、「虫」の本来の発音は「キ」であり、「チュウ」ではない。つまり、虫という字は、形は現代の虫と同じだが、元々は音も意味も違う別の字だったのである”とありました。
◆また、「レファレンス協同データベース」では、
・「虫」を昆虫と区分したのはヨーロッパ的発想であり、昆虫ではないのに虫偏のつく生き物は「蛇」「蝦」「蛙」のようにたくさんいる。
・また『大漢和辞典』(諸橋轍次/著 大修館書店)では、「虫」に「鱗介類の総称」とあり、漢字の世界では「虫」が昆虫のみを意味しない
・「蛸」は中国では元々はアシナガグモを意味する字で、日本では使われていなかった。
日本で最初に「海蛸」と記したのは『本草和名』だが、(大槻文彦は)8本の足がクモのように見えたので、「海のクモ」という意味で「蛸」の字を用いたと推測する。
◆更に、「NAVERまとめ」によると、下記のような説明もみられました。
・中国では、動物を「鳥」「獣」「魚」に大きく分け、このどれにも当てはまらない小動物の総称を「虫」と呼んでいました。
・「虹」という漢字については、古代中国では虹というの現象を龍が作り出すものと考えられていて、ヘビ(虫)が大空を貫く(工)と書いたようで、虫偏が付いたようです。
どうやら、昆虫なるものをひとまとまりの生き物として捉える考え方は、ヨーロッパの自然科学によってもたらされたもので、漢字が生まれた古代中国の人々にとっては、そんな分類は知る由もなかったようです。(まさ)
※ この項は、「日本語150の秘密」(沢辺有司著 彩図社)を参考にさせて頂きました
「goo辞書」では、“漢字の偏の一。「蚊」「蝶 (ちょう) 」などの「虫」の称”とあり、通常では“虫偏”の文字は昆虫などを表すものとされています。
しかし、「蛙」「蜥蜴(トカゲ)」「蛇」などの爬虫類や、「蛤(ハマグリ)」「蜆(シジミ)」などの貝類や、「蝦」「蟹」などの甲殻類、更には自然現象の「虹」なども“虫偏”になっており、???です。
少し調べてみました。
◆「漢字教育士ひろりんの書斎」では、
“虫は蛇の象形文字で、「虫」の本来の発音は「キ」であり、「チュウ」ではない。つまり、虫という字は、形は現代の虫と同じだが、元々は音も意味も違う別の字だったのである”とありました。
◆また、「レファレンス協同データベース」では、
・「虫」を昆虫と区分したのはヨーロッパ的発想であり、昆虫ではないのに虫偏のつく生き物は「蛇」「蝦」「蛙」のようにたくさんいる。
・また『大漢和辞典』(諸橋轍次/著 大修館書店)では、「虫」に「鱗介類の総称」とあり、漢字の世界では「虫」が昆虫のみを意味しない
・「蛸」は中国では元々はアシナガグモを意味する字で、日本では使われていなかった。
日本で最初に「海蛸」と記したのは『本草和名』だが、(大槻文彦は)8本の足がクモのように見えたので、「海のクモ」という意味で「蛸」の字を用いたと推測する。
◆更に、「NAVERまとめ」によると、下記のような説明もみられました。
・中国では、動物を「鳥」「獣」「魚」に大きく分け、このどれにも当てはまらない小動物の総称を「虫」と呼んでいました。
・「虹」という漢字については、古代中国では虹というの現象を龍が作り出すものと考えられていて、ヘビ(虫)が大空を貫く(工)と書いたようで、虫偏が付いたようです。
どうやら、昆虫なるものをひとまとまりの生き物として捉える考え方は、ヨーロッパの自然科学によってもたらされたもので、漢字が生まれた古代中国の人々にとっては、そんな分類は知る由もなかったようです。(まさ)
※ この項は、「日本語150の秘密」(沢辺有司著 彩図社)を参考にさせて頂きました