http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140205-00011844-president-bus_all&p=1
表情・しぐさで「ホンネを見抜く」テクニック【3】顔の変化
プレジデント 2月5日(水)14時15分配信
意中の女性へプロポーズしたら、彼女の黒目が右へ動いた。さて、彼女の本心は? 表情、しぐさは雄弁だ。その意味をマスターすれば、相手の深層心理が手に取るようにわかるのだ。
■見分けやすいのは「相手の顔の左半面」
顔の表情の基本は大きく7つに分けることができる。すなわち、「驚き」「笑い」「恐れ」「嫌悪」「軽蔑」「怒り」「悲しみ」の7つである。実際には、これらが少しずつ入り交じることで多様な表情がつくられる。面白いことに、この7つの表情の典型的な写真を見せて、「この表情は何の表情か」と質問してみると、かなりの数の日本人が「恐怖」「怒り」「軽蔑」「嫌悪」の4つを他の表情と取り違えてしまう。日本人はあからさまなこれらの表情を目にする機会が、比較的少ないからである。
たとえば、典型的な「怒り」の表情では、まず眉が引き寄せられて眉間に皺ができる。上瞼が持ち上がって黒目が大きく見え、さらに唇は左右に引っ張られ、特に上唇がプレスされて赤い部分が見えなくなる。ところが、日本人の場合は、怒りを目だけで表現する場合が多いのだ。上瞼をクっと引き上げて、眼光鋭く相手を睨んでいたら、たとえ眉間に皺が寄っていなくても怒っている場合が多い。
また、スクイントといって目を細めるのも、「怒り」あるいは「反発」の表情のひとつ。会議中、あなたが発言するのを目を細めて聞いている人がいたら、あなたに反発を感じている可能性が高い。
「軽蔑」も日本人には見分けにくい表情のひとつだ。「軽蔑」の特徴は右か左、どちらか一方の口角を耳の方向にわずかに引いてプレスすることである。つまり、相手を軽蔑しているとき、人間の顔は左右が非対称になるわけだ。
たとえば上司であるあなたが部下へ、こう質問したとしよう。
「うちに梱包材を納入しているのは、A商事だったかな」
「いえ、B商事ですよ課長」
部下がこのように丁寧に答えてくれた後で、一方の唇の端を一瞬でもキュっと引いたら、部下はあなたのことを「課長のくせにそんなことも知らねぇのかよ」と心中で軽蔑していると考えていい。
ただし、こうした表情はきわめて微かにしか表れないのが普通だ。相手の本心を知りたければ、この「微表情」を見逃さないために相手の表情の変化に全神経を集中する必要がある。
ただし、あまりにも集中して人の表情を観察していると、「因縁をつけてる」と誤解されることがあるから、くれぐれも注意しよう。実際、私は訓練のつもりで人の顔を凝視していて、唾を吐きかけられたことが何度かある。
さて、表情についてもうひとつお話ししておきたいことがある。もしいま、全種類のお札を持っていたら、それを縦一列に並べてみてほしい。人物の顔の左側が目につくようにデザインされているのがわかるだろう。理由は、人間の情感は顔の左側により豊かに表れるからだ。左半面の表情を活写しようと思ったら、人物をお札の右側に配置したほうが都合がいい。
ご存じのとおり、感情を司るのは右脳であり、右脳の影響は体の左側に出る。だから左半面は表情が豊かなのである。したがって、意中の人に告白するときは、カウンター席ならば相手の右側に陣取って、左半面の表情を見せるとよい。巧まずして、自分の素直な感情を相手に伝えることができる。一方、右半面は理性的な冷たい印象を相手に与えるから、別れたい相手の場合は左側に座るほうが得策と言えるかもしれない。
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●あらゆる表情は7種類の組み合わせ
【怒り】眉の内側が下方に下げられ、互いに引き寄せられるため、眉間に縦じわができる。黒目は上方寄りで白目の面積が多くなる。
【恐怖】上まぶたが上がって、下まぶたがこわばる。
【驚き】眉が上方に持ち上がる。目が点になる。あごが真下に下がる。
【悲しみ】眉と目がハの字型。
【喜び】ほおが持ち上げられるため、目じりに横じわができる。
【嫌悪】眉が逆ハの字、鼻の周辺のしわが下から上に寄るようになる。
【軽蔑】右か左、どちらか一方の口角を耳の方向にわずかに引いてプレスする。
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表情分析アナリスト 工藤 力 写真=時事通信フォト
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http://president.jp/articles/-/11618
表情・しぐさで「ホンネを見抜く」テクニック【2】口の形
意中の女性へプロポーズしたら、彼女の黒目が右へ動いた。さて、彼女の本心は? 表情、しぐさは雄弁だ。その意味をマスターすれば、相手の深層心理が手に取るようにわかるのだ。
「重要な質問に返答した直後」を見逃すな
相手の口の形を仔細に観察することで得られる情報はとても多い。口の形が何を表しているかは後述するが、まずは、男女の関係において「脈があるかないか」を見極めるには口元に注目すればよい、という話をしておこう。
相手が自分に好意を持っているかどうかを確認するためには、第一に、カウンター席に横並びに座るのではなく、テーブルを挟んで対面することが重要だ。
まず、あなたが男性である場合。相手の女性と会話を交わす中で、相手が発話しているとき、つまり口を動かしているときに、彼女の視線がどこを向いているかに注目するのである。こちらに好意を抱いてくれている女性の場合、しゃべりながら必ずこちらを見る。発話しながら、こちらの顔(あるいは目)を見るのである。この場合は脈があると考えていい。逆に、発話しながら視線が後方の壁などを漂っている場合は、こちらに興味がない証拠だ。いくらプッシュしても無駄骨である。
では、あなたが女性の場合はどうか。相手の男性があなたに好意を持っているときは、あなたの話を聞いているときに必ずあなたの顔を見る。反対に、あなたが話しているとき、相手があなたの顔以外のものに視線を当てていたら、脈がないと諦めたほうがいい。
この現象は経験的に確かめられていることだがほぼ確実に的中する。しゃべること、聞くこと、見ることは、不思議な連関を持っているのである。
では、口の形自体はいったい何を表しているだろうか。
写真を見ていただきたい。これは、ご存じイチロー選手がインタビューを受けている写真だが、このように「口を硬く締めて、唇が横に広がった」形は「怒り」を表している。同時に下唇の下にできている“梅干し”は英語でchin boss(顎の突起)といい、悲しいときにできる。そして「怒り+悲しみ=悔しさ」である。つまり、この写真のイチローは間違いなく何かを悔しがっているのである。
さらに言えば、目の動きが「何を悔しがっているか」についてヒントを与えてくれる。イチローの目は向かって右上を見詰めている。これは「追憶」を表している。つまりこの写真のイチローは、「昔の何か悔しい出来事を思い出している」と考えてほぼ間違いない。
ビジネスシーンで口の形が重要になるのは、こちらが「肺肝を衝く問いかけ」をして、それに相手が答えた直後である。目の場合は問いかけに答える直前の動きが重要だったが、口の場合は答えた直後の形に相手の本音がすべて表れていると考えていい。
たとえば上司であるあなたが、部下に対して重要案件の進捗状況を尋ねたとしよう。
「君、例の案件はどうなっている」
「はい、もちろん順調です」
部下がこう答えて、その直後に唇を左右に広げ、しかも唇が離れており、さらに下唇に張りがあったら、それは「恐怖・不安・心配」を表している。要するに、案件はうまく進行していないのである。
一方、部下が上唇と下唇を巻き込んだときは、何かを「隠蔽」していると見て間違いない。しかも強い決意を秘めた隠蔽である。ひょっとすると部下は、あなたに対してクーデターを起こそうと決意を固めているのかもしれない。
【怒り】唇は硬く締めて、上唇は口に巻き込む。全体は水平に薄くなる。
【恐怖】唇は左右に広がり、上唇と下唇は離れている。下唇の張りも特徴。
【軽蔑】どちらか一方の口角を耳の方向にわずかに引いて、プレスする。
【隠蔽】上唇と下唇を口内へ強く巻き込む。感情を抑えている可能性を示す。
【良心の呵責】下唇を口の中に吸い込み、上の歯で下唇を噛むのが特徴。
【悲しみ】下唇が押し上げられ、口角は押し下げられる。あごに突起ができる。