1) アストラゼネカAZD1222の低用量→標準量で最大効果の謎
2) ファイザーのワクチンでアナフィラキシー2例の報告
3) J & Jは第3相の登録者数を減らし早期承認を目指す
4) UAEはシノファームのワクチンが86%有効で抗体獲得率99%と発表
5) 加藤官房長官「社会全体で危機感の共有を」と
6) 日本のワクチン確保は供給時期の観点からはかなり遅れあり。集団免疫は米国より1年遅れ。
7) ドイツはコロナ第2波を全く制圧できず、メルケル首相 感情あらわに危機訴える
8) スコットランドの感染拡大は旅行によって国外から持ち込まれたものという研究結果
9) 米国死者数は1日3000人越え
10) カナダがファイザーのワクチンを承認
< 感情をあらわに危機訴えて>
「(クリスマスシーズンを楽しむ)その代償として1日に590人が亡くなっているならば、
私としては受け入れられない事です」
「クリスマス前に多くの人と接触し、
その結果、祖父後と暮らす最後のクリスマスにになってしまう事は許されない」
(ドイツ、メルケル首相)
●アストラゼネカAZD1222の低用量→標準量で最大効果の謎
→チンパンジーアデノウイルスベクターワクチンです。
中間報告がLancetに掲載されました。
臨床試験中に横断性脊髄炎の症例が出て一時試験が中止になったり、ミスで初回投与量を半量にしたら効果が増大したというイベント満載のワクチンです。
特に後者は偶然か、それとも偶然、免疫学的に説明可能な重要な発見をしてしまったのかどうかがポイントかと。
有効率は全く違っており、偶然にこれが起こるのかと言われると興味深い気もします。
ただし2回のワクチンの間隔もバラバラだったようで、なんというか杜撰な臨床試験という印象です。
コントロール群も生食だったり、髄膜炎菌ワクチンだったりと統一されていません。
Safety and efficacy of the ChAdOx1 nCoV-19 vaccine (AZD1222) against SARS-CoV-2: an interim analysis of four randomised controlled trials in Brazil, South Africa, and the UK
●ファイザーのワクチンBNT162bでアナフィラキシー2例の報告
→分母が分かりませんが、いきなり2例の重度アレルギー反応が報告されました。
2名ともエピペン常時携帯者でので、特殊な事例かもしれませんが、そうでないかもしれません。
これからの安全情報に注目かと。
今後、何に対するアレルギー反応なのかまで追及できるでしょうか?
mRNA自体に対するものは考えられないので、lipid nanoparticleのlipid成分か、あるいはワクチンの溶剤自体か?
これを受けて、イギリス規制当局はアナフィラキシー症状の既往がある人はワクチンを接種しないよう勧告。
英 ワクチン接種の2人に激しいアレルギー反応のような症状
→ロイターの報道はもう少し詳しかったです。
ワクチン非接種の動きにつながるのを警戒しているのを感じさせる文脈になっています。
いずれにせよ、新技術によるワクチンですので副作用は未知です。
まずは重度アレルギー例は除外して慎重にワクチン接種を勧め、安全性のエビデンスを蓄積する必要性があると思います。
情報公開の透明性と速度は評価されるべきでしょう。
Explainer: What do the UK allergic reaction cases mean for Pfizer's COVID-19 vaccine
・Stephen Evans教授は「エピペンを携帯する必要があるような重度のアレルギーを持つ人は、アレルギー反応のメカニズムが明らかになるまで、ワクチン接種を延期するのが賢明だろう」と述べた。
・Gregory Poland氏はイギリスの初期対応を「過剰反応だ」と述べた。「私ならアナフィラキシー既往のある人にはそれについて詳しく問診し、注意して接種するだろう。ワクチンを接種しないのではなく、より注意して準備された環境で接種するという事だ」
・Mitchell Grayson氏は「私のこのニュースを聞いて何百万人もの人が接種しない事を決めてしまうのではないかと心配している」と述べた。
・イギリスの2012年のデータでは各種の原因で人口10万人あたり約7件の重症アレルギーによる入院例がある。多くの国で入院例は増えているが、死亡率は低い。
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●J & Jは第3相の登録者数を減らし早期承認を目指す
→アデノウイルスベクターワクチン(Ad26)です。
ベクターに対する抗体ができてしまうので反復投与できず、初めからAd26抗体の保有者もいるので効果はmRNAワクチンやAZD1222よりは劣ると予想されます。
ただし副作用でどうなるか分からないので、選択肢は多いほうが良いでしょう。
米J&J、コロナワクチン治験の登録者を2万人削減 承認加速も
https://t.co/Sk7xekpv2G?amp=1
●UAEはシノファームのワクチンが86%有効で抗体獲得率99%と発表
→ただし、シノファームもUAEも治験の詳細な報告はなし。
中国ではすでに100万人に接種済みとの事。
もはや21世紀の話とは思えません。
シノファームは「全粒子不活化ワクチン」で古典的技術ゆえに安全性は高いことが予想はされますが・・・
Th2系免疫を誘導しやすいこと、ADEリスク(VED)は高いと考えられている点も懸念事項です。
UAE、中国のワクチンは86%有効 治験結果を発表
https://t.co/AXno7R24Qw?amp=1
●日本の状況
直近7日間の1日平均死亡者数は37.4人になっています。
しかも急激に増加傾向。
感染拡大の責任は政府にはなく、日本国民全員なのだと力説しているかのようです。
勝負の3週間は「社会全体で危機感の共有を」 官房長官
https://news.yahoo.co.jp/articles/bed2778f4e820fb1f9b05f3f9412f19d15882bd0
→日本のワクチン確保状況は人数分は十分ですが、供給時期の観点からはかなり遅れているようです。
ワクチンで日本が集団免疫を獲得可能なのは2022年4月。
一方のアメリカは2021年4月。カナダ6月、イギリス7月です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/714347a11f60862fe346ff8ebc2cb5f5c7ae420f
→明日11日の分科会の会合で、GoToトラベルの自粛を都道府県知事に求める提言をするようです。
政府にではなく都道府県です。
ただの責任の擦り付け合いに分化会が政府の味方をしている形か・・・
補償の問題も合わせると、都道府県レベルで対応できる事なのでしょうか?
https://t.co/ppqnfTusmp?amp=1
→スコットランドの感染拡大は旅行によって国外から持ち込まれたものという研究結果。
遺伝子配列を解析した結果です。
GoToが感染を拡大するエビデンス登場と言えるか?
まあ本来はエビデンスがとか言っている場合ではないのですが・・・
https://t.co/xGEYXheefM?amp=1
→米国死者数は1日3000人越え
9日の死亡者数は3250人。
累計29万人。
カリフォルニア州はICUがほぼ埋まってきていると。
米国の1日当たりコロナ死者、3250人突破し過去最多 病床逼迫
→カナダがファイザーのワクチンを承認。
イギリスについで2番目と思いきや、2番目はバーレーンでカナダは3か国目と。
カナダ、ファイザー製のワクチン承認…来週にも医療従事者らに接種
https://t.co/Adlhn6E8gB?amp=1